相澤祐介(あいざわゆうすけ) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

SCS国際会計事務所

台湾事務所

董事長(台湾)

相澤 祐介 あいざわ ゆうすけ

単身渡航で中国語をマスター。現地経営者と同じ目線で仕事をする海外起業家型会計士
リーダータイプ
リーダータイプ

1986年9月21日生まれ(37歳)
秋田県出身 ・ 台湾在住
東北大学 経済学部経営学科 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

学生時代、特にやりたい仕事や将来の目標がなかった。そもそも社会に出たことがない学生に、それを決めるのは無理難題だと思っていた。大学2年時に、親しい友人が会計士試験の勉強を始めたことがきっかけで、キャリアの選択肢を広げるために、大学卒業するまでに合格できなかったら諦めるというリミットを設定して会計士の資格を目指した。

資格を取得した後は、大勢に従うように監査法人に入社した。明確な目標をもっていたわけではないが、日々「自分はどうありたいか」自問しながら仕事をしていく中で、中国語を勉強しようと決意し、台湾に来た。そこで初めて、この国で人の役に立つ仕事がしたいという明確な目的ができた。

自分のこの経験からも、人生の目的は、キャリア形成前に急いで決めなくても、目の前の壁に必死に向き合い、アプローチを考えて乗り越えていく過程で見つかるものだと信じている。会計士資格という壁は、乗り越え甲斐のある、すばらしい資格だと思うが、期限を決めて挑戦するべきものだと思う。長期化してしまうと、逆にキャリアの選択肢を狭めることになりかねない。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

野球を通じて日本と台湾の距離を縮めたいという夢を抱いている。

台湾の野球と言えば、2013年のWBCの日台戦が記憶に新しく、「台湾は野球強いよね」と言われることが多い。しかし、そんな台湾の野球界も苦境に立たされている。台湾のプロ野球は1980年に発足し90年代まで順調な発展を続け、多くの優秀な選手を輩出し、台湾人の娯楽として広く浸透し経済を支えた。2000年代に入り、八百長問題などが蔓延し、人気が低迷。経営に窮した球団が次々と撤退し、現在は4球団のみで構成されている。球団は大企業の広告塔としての存在で、球団経営はどこも赤字。台湾人は野球好きの人がとても多いが、「台湾リーグはつまらないから、日本や大リーグを見る」という人が多数だ。台湾でプロ野球選手になってもお金を稼ぐことができないし、いつリーグがなくなるか分からない不安もある。将来有望な選手は学生時代から海外に移民したり、早々に野球選手への道を諦める人が後を絶たない。

私は台湾が大好きだが、国民全体が熱狂できるようなスポーツがないこと、また、台湾経済が長年停滞していることに寂しさを感じている。高校まで野球部に所属していた自分にとって、野球は一番の趣味で人生の余暇の一番の時間を費やしているものだ。台湾での5年間で培った経験や人脈、知識を活かして、次は自分自身がなんらかの形で野球事業に参入し、台湾の野球界を盛り上げ、台湾全体を元気にしたいと考えている。

台湾リーグの底上げをし、日本や韓国とアジアリーグを形成し、それで年間のペナントレースを回す。野球を通じてアジアのヒト・モノ・カネの行き来を盛んにして、台湾と日本、ひいては世界の架け橋になりたいというのが私の夢だ。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

もし海外で働きたいなら、現地の言葉でコミュニケーションをとるのは必須だ。現地のお客さんや社員との距離がグンと縮まる。言語習得は欠かせない。

そして次に、生活そのものをローカライズすることが大切だ。日本人だけで日本人街で日本食ばかり食べていては、現地の人の気持ちはわからない。中には開き直って「中国語を話せなくても台湾では生きていける」と言っている人たちもいる。そういう姿勢で仕事をしていても、現地の顧客から契約は取れないし、現地のスタッフと信頼関係を築くことはできない。しかも、そういう人に限って「現地の社員は使えない」と愚痴をこぼす。「あなたとの信頼関係が無いから、あなたの指示に従わないだけだと思います」と指摘したいし、「使えないと切り捨てる前に、あなたはその社員たちと肩を並べて一緒に仕事したことがありますか?」と問いたい。

私はシンガポールで働いていた3か月間、マレーシア人、シンガポール人、ベトナム人、フィンランド人、香港人の同僚と一緒に仕事をしていたが、語学力はもちろん、自分の意見を主張する力や仕事への積極性に大いに刺激を受けた。自分に足りない部分をたくさん学ばせてもらった。

資格やポジションや日本人であることを振りかざし、何もせずに“あぐら”をかいているだけでは、海外で活躍しているとは言えず、海外にいるだけの人になってしまう。

ローカライズし、現地の人たちの働き方を知り、その人たちに助けてもらって仕事をしているんだという意識をもって仕事することが大切だと切実に感じている。海外で、その国で本当に活躍したいなら、まず、日本人であることを忘れよう。

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