大塚俊秀(おおつかとしひで) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

大塚俊秀公認会計士税理士事務所

代表

大塚 俊秀 おおつか としひで

経理と教育を支える未来志向の会計士
チームビルダータイプ
チームビルダータイプ

1976年9月27日生まれ(48歳)
茨城県出身 ・ 東京都在住
中央大学経済学部産業経済学科

チームビルダータイプの特徴
  • 内向的
  • 臨機応変型
  • 大局タイプ
  • 個人主義
  • 伝統型
  • 外向的
  • 計画管理型
  • こだわりタイプ
  • 集団主義
  • 革新型
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  • このタイプの割合
    回答者全体の
  • 2.8%

人と関わることに抵抗がなく相手への共感能力も高い。
仕事に対して誠実に取り組むため周囲からは頼りにされている。
しかし想定していないイレギュラーな事態に直面すると、動揺したり不安になったりすることも。
業務に対してはこだわりを持って取り組むことが多く、従来のやり方や形式を重んじる傾向がある。
持ち前のプロ意識で目の前の課題を着実に解決していく力強さを持ち合わせている。

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1キャリアサマリー
【合格年次】2004年
2004年
監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所
2014年
株式会社ジェーシービー入社(経理部配属)
2020年
大塚俊秀公認会計士事務所設立

 「会計教育や経理人材の育成、ゆくゆくは子供たちにお金のことを教える仕事がしたい」
そんな想いで2020年に独立して会計事務所を設立しました。
 高校時代は進学校でしたがろくに勉強もせずテストは赤点ギリギリ、野球部で白球を追いかける毎日を過ごしていました。一浪の末になんとか大学に合格。大学では、父親が税理士だからという理由で私もぼんやり税理士を目指そうかなと考えていた時に、公認会計士という職業の存在を知りました。公認会計士のステータスや仕事の幅、スケールの大きさなどに魅了され、“こっちのほうがかっこよさそう“という動機で公認会計士を目指すことを決意しました。そんな不純な動機のせいか?平均受験回数を大幅に上回る7回目の受験を経て、27歳でようやく公認会計士試験二次試験に合格しました。
 2004年12月に入所した監査法人トーマツでは、会計士にとって“王道”の監査業務を経験させていただきました。商社などの大手企業を中心に会計監査、業務改善などのコンサルティング業務を経験した中で、楽しい日々の中にも、経験年数が増えるにつれてこのままずっと監査ばかりしていていいのかという迷いが生まれ部署異動を経験しました。しかし、異動後にうまくいかず挫折の経験を味わい、監査法人でやりたいことはやれた、次は事業者側の立場で仕事をしてみたいと思い、2014年2月に株式会社ジェーシービーへ転職しました。
 ジェーシービーでは、当時会計士の採用がほぼ初めてとのことで、様々なチャレンジ、経験を積ませていただきました。世界で数十の拠点をかかえる企業の経理統括としてルールの整理や、単体決算業務や連結決算業務などの経理業務、監査対応など、いわゆる主計部としての仕事をたくさん経験させていただきました。また、数十億円規模の新規ビジネスや、プロジェクトにも会計面から関わらせていただき、金融業ならではの高度なリスク管理体制に触れることもでき、忙しくも充実した日々を過ごしていました。会社にも慣れ、優秀な先輩や同僚に囲まれて、一時はこのまま定年までこの会社で働こうかとも考えました。そんな安定した日々の中で、成長が止まっていくような漠然とした不安を抱えるようになりました。この先10年同じ経理の仕事をしているのかと思うと、なんだか面白みのない人生だなと感じた自分がいたのです。それでは、10年経ってもやり続けたい仕事は何か、自分が本当にやりたいことはなんだろうと考え、悩んだ末にたどり着いたのが、ジェーシービー時代にも少し携わっていた教育・人材育成の仕事でした。
 現在は、会計監査やクライアントの会計顧問、コンサルティング業務、経営者向けコーチングなどに携わるほか、企業経理担当者向けに会計や経理業務の研修等を行っています。またプライベートでは、息子が所属する地域の少年サッカーチームでパパコーチや審判を通して、楽しみながら地域の子供たちの成長に関わらせていただいています。

2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

 2004年12月、監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)に入社し、国内監査部門で主に上場企業監査などの法定監査に携わりました。比較的大手のクライアントが多かったせいか、メインで関与するクライアントは年間3~4社、そのグループ会社やスポット(短期)で関与したクライアントを合わせると毎年10数社程度と関わらせていただきました。業種は、鉄鋼商社、石油商社、食品卸など、商社業態のクライアントが多かったですが、その他にも印刷業、投資ファンド、ソフトウェア開発など様々なクライアントに関わらせていただきました。
 監査の仕事は充実していました。国内出張も頻繁にあって、それまでの人生では訪れたことのない土地に行き、その土地で働く人からたくさんのお話を伺えたのは、監査の仕事でもっとも楽しかったことの一つでした。しかし、何年も続けていくうちにマンネリ化して成長の実感がなくなり、このままでいいのかな、と考えるようになりました。監査経験も長くなり、入社6年目にはマネジャーにも昇格して、仕事に対して少し自信過剰になっていた時期でもありました。
 そんな頃に知り合った独立会計士の方に悩みを相談したところ、「監査しか知らないと世界が広がらないよ、もっと他の世界を見てみたら」と言われました。その言葉は当時迷いが生じていた自分の心に突き刺さり、監査以外の仕事にチャレンジしてみたいと思うようになりました。
 では何がやりたいだろうと調べた結果、私が興味を持ったのは事業承継でした。当時は2012年くらいでしたので事業承継は徐々に増えだした頃で、まだ現在ほどの広がりはなかったのではないかと記憶しています。私はどうしたら事業承継を学べるか、そして実務に携われるかと思案していました。そんな時に、監査法人内のトータルサービス部(TS)で、事業承継業務を行っているパートナーがいると知り、直接その方に会いに行って話を伺い、仕事をさせて欲しいとお願いしました。熱意が通じたのか、数か月後には国内監査部門からTS部門に異動し、主に事業承継後の経営コンサルティング業務に携わらせていただくことになりました。
 ところがそんなに順風満帆には進みませんでした。監査業務には監査報告という決まったゴールがあり、ある意味“型”がある仕事に慣れきっていた私は、コンサルティング業務というゴールも“型”もない仕事に大いにとまどい、悩み、どんなに時間をかけても期待に応えるパフォーマンスを発揮することができませんでした。毎日の長時間労働に心労も積み重なった結果、ついには体調を崩し3か月の休養をすることになったのです。
 挫折という表現が適切かはわかりませんが、どんなにがんばってもうまくいかない経験を味わい、とても悔しい想いをしました。3か月後には復帰しましたが、同じ仕事に再チャレンジするという情熱はもう残っていませんでした。休養期間中には考える時間がたくさんあったので今後の人生について考えました。その結果、監査法人内でできること、やりたいと思うことはやり切ったと思い、キャリアチェンジをしようと決めました。
 監査をしていたころ、常々会社の内部に入って、実際にビジネスの当事者になって仕事をするとはどんな感じなんだろうかと興味を持っていたことから、事業会社への転職をしようと決心し、2014年2月、クレジットカード業界大手の株式ジェーシービーに転職しました。
 ジェーシービーでは経理の仕事を担いました。伝票入力や、引当金計算、実際に会計システムを利用して決算データの作成や、連結決算の担当など、経理実務は幅広く経験しました。また、金融会社ということもありリスク管理のしくみがとても充実していましたし、ISO認証なども取得していたので、会計以外の実務にも数多く触れることができました。そのほかにも、全社的な会計ルールを整備したり、海外拠点とたくさんのミーティングをしたり(英語は苦手でした笑)と、その会社でしか味わえないたくさんの経験を積ませていただきました。ちなみに監査法人時代にコンサル業務で苦しみながら培ったスキルが、転職後にものすごく役に立ちました。どんな経験がどこで役立つかなんて、わからないものだなと、しみじみ思ったことを覚えています。
 入社して2~3年も経つと社内にも知り合いがたくさん増え、このまま定年まで会社に居続けるのも悪くないなと思うようになるくらい居心地のいい会社でした。ただ、会計専門職として入社していた私は、10年後もほぼ変わらない経理の仕事をしているだろうなという未来を想像した時に、ワクワク感、楽しさを感じず、心からやりたいと思えませんでした。私はある程度成長を実感すると、次のステージや世界にいかないとつまらなくなってしまう性格のようで、ちょうどステージを変える前の踊り場にいたようなタイミングだったのだと思います。
 じゃあ、次に自分はいったい何がしたいのだろう?そう考えた期間は1~2年程度あったと思いますが、強く頭に浮かんだのは教育・育成の仕事でした。当時、年に数回、社内の会計リテラシー向上のために、広く社内の希望者を募って経理研修を開催していたのですが、毎回アンケートの評価平均は5点満点中4.5点以上と大変好評いただいていました。私自身も毎回充実感と楽しさがある仕事、もっとやりたい仕事として私の記憶にインプットされていました。
 ある時、とある外部研修に参加した時に、講師の方から「ジェーシービーさんのような金融のプロの方たちが、もっとお金のことを世の中の人に教えてくれたらいいのに」と言われました。私は、当時これだ、やりたい、と体に電流が流れるような熱い想いがみなぎったのですが、これを悩んでいた時期にあらためて思い出しました。ただ、社内で教育事業をやろうとしてもおそらく短期間での実現は難しいだろうと考え、さっさとやりたいことにチャレンジしてみようと、独立することを決意しました。今考えると、もともと監査法人時代にも一度、独立してみたいという漠然とした欲求を持った末にあきらめたので、あらためて次のキャリアを考えていた時に、独立を選択する理由を探し求めていたということもあったのかもしれません。そんな経緯で2020年に独立しました。現在も個人事務所を経営しています。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

 現在は、監査業務をしたり、会計顧問やコンサル、コーチングの仕事をしながら、企業様向けに経理人材育成の講座を提供したり、会計基礎知識の講座を提供したりしています。
 独立当初は、「お金の教育を子供たちに」と思い、これをビジネスに発展させようと考えました。しかし、私の独立前のリサーチや構想がかなり甘かったというのもありますが、これをビジネスにして食べていくのは簡単なことではないことに独立した後に気づきました。私は愕然とし、自分の甘さを痛感しました。もっと早く気づけよ、って感じでしたが、もう会社を辞めた後で、後戻りはできませんでしたから。
 最近ではお笑い芸人や絵本作家のキングコングの西野さんがお金の教育講座を開催したり、税理士の大河内さんがお金の教育を義務教育に、と活動を進められていますが、お金の教育で稼いでいるわけではなく、社会貢献的な位置づけの活動という意味合いがまだまだ強いと思います。また、私自身も独立後の心境として、お金の教育をビジネスのタネとして見て、ただ稼ぎたいだけなのか、本当に子ども向けのお金教育を通して子供の成長に携わりたいのか、自分の気持ちがわからなくなってしまいました。そんな状況をリセットするために、私はお金の教育から少し離れることにしました。さらに独立してすぐに所属していた子供向けお金の教育をしている団体も辞め、独立後に2年務めた公認会計士協会東京会の会計普及委員も退任しました。
 独立した時にはじめたことの一つが心理学やカウンセリング、コーチングの学びです。経営心理学、人間心理学、NLP(神経言語プログラミング)等、様々な心理学、脳科学の学びを今も継続的に学び続けています。なぜこの学びを始めたかというと、私自身、過去の自分から変わりたい、もっと成長したいと願っていたからです。私は過去に心労で体調を崩した経験もあるせいか、仕事に対して過度なプレッシャーを感じ、しんどさを感じやすくなっていました。また会社員時代に、同僚が何人も心理的な問題で休職したり退職していきました。私はその姿をただ見ることしかできず、何もできずに悔しい想いをしていました。そのため、独立して少し時間ができるタイミングで、興味関心のあった心の学びをしてみようと思ったのです。
 結果的に、これは自分の生き方を変える大きな出来事となりました。そして今もいい影響を与え続けていると思います。なぜ自分が悩むのか、出来事に対してなぜそう感じるのか、脳のしくみなど、人の心理、脳科学を理解し、行動することによって、自分の心が楽になったり、人との関わり方がいい方向に変化していったと感じています。また、心理学の要素はビジネスをやるうえで、どんなことでも必ずと言っていいほど関係してきます。私自身も、コンサルティングや、研修講師などをする際に、心理学の要素をたくさん取り入れて実施した結果、クライアントと良好な関係性を築くことができていると感じています。
 また、学びを続けることで意外な気づきを得ました。それは、監査業務のすばらしさです。正直、独立して生活のために監査業務をアルバイト的に始めましたが、最初はなんだか昔の自分に戻るような退化の感覚があり、あまりやりたいと思えませんでした。しかし、様々な心理学を学び続けるにつれて気持ちにポジティブな変化がありました。監査業務は社会的ニーズのある仕事で、誰にでもできるわけではない専門的な仕事。幸いなことに自分はそれをするための知識・スキルや経験があるし、監査業務を通して得られる経験には面白い部分も多く、決して監査業務自体が嫌いなわけではないことにあらためて気づきました。そして監査業務を通して社会に貢献することは自分のできることでもあるし、監査業務を通して直接的ではないけど、「人々が人生を自由に楽しんでいる世界を創りだす」という自分の作り出したい世界観につながるかもしれないと思うようになると、また監査業務に向き合ってみようと考えるようになりました。「できること」と「やりたいこと」が少しずつ重なってきたのです。特に最近は、昔やってみたいと思いながら中途半端に終わってしまったIPO監査業務にも再びチャレンジする機会もいただいています。
 そんな私自身の原点回帰的な仕事をしているうちに、監査法人時代の先輩からご縁でお誘いいただき、自分のやりたかった教育の仕事をする機会もいただきました。現在は特定のクライアント向けに、心理学の学びやたくさんのセミナーを受けて生きた経験をふんだんに取り入れて経理向けの講座を毎月開催させていただき、少しずつやりたかったことが実現しています。

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