秋田具伸(あきたとものぶ) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

ニューヨークでの挫折経験から働きながら公認会計士に合格。金融、会計、IT、英語を軸に幅広く教養のある人材を目指す

秋田 具伸

あきた とものぶ

生年月日
1977年2月1日(42歳)
所属企業
大手都市銀行
所属部署
内部監査部門
役職
非公開
最終学歴
北海道大学大学院 地球環境科学研究科 修了 
出身地
岐阜県
現住所
東京都
1キャリアサマリー
2001年
NECソフト株式会社(現 NECソリューションイノベータ株式会社)入社
2003年
株式会社野村総合研究所入社
2006年
監査法人トーマツ(現 有限責任監査法人トーマツ)入所
2011年
アクセンチュア株式会社入社
2012年
大手都市銀行入社
2013年
大手都市銀行在職中に公認会計士試験の受験勉強を開始
2015年
公認会計士試験(論文式試験)合格
2017年
公認会計士登録

会計士の履歴書の執筆にあたり総括すると、行き当たりばったりの半生であったと思います。大学院では触媒化学系の研究室に所属していましたが、2000年前後は驚異的な就職難であり、希望の研究職に就くのは難しい状況でした。途方に暮れ、札幌市内の書店に就職活動のヒントになりそうな題材を探しに行ったところ、当時の産業界の流行りであった「ERP(Enterprise Resource Planningの略)パッケージ」に関する書籍を偶然見つけて大いに興味を持ち、IT業界に絞って就職活動を行うことにしました。IT業界はコンサルティングファームも含めて20社くらいエントリーしましたが連戦連敗となり、唯一内定をいただけたのがNECソフトでした。

職歴は現職含めて5社ですので、転職回数は世代平均では多い方ではないかと思います。ファーストキャリアのNECソフト(2001年入社)では、SAP(ERPパッケージの一つ)導入の下流工程に従事しました。SAPは業務領域ごとに財務会計、管理会計、販売管理、購買管理、人事給与等のモジュールに分かれていますが、私は財務会計モジュールの担当になり、それが現在まで会計に携わるキャリアのスタートとなりました。
2003年に野村総合研究所(NRI)に転職し、主にERPパッケージ導入の上流工程を担当しました。NRIには会計及びERPパッケージのプロフェッショナルという肩書きで転職しましたが、実際には簿記2~3級レベルの会計知識であり、連結会計などは全く知識がない状況でした。2004年からの1年間、就労ビザを取得してニューヨークに滞在し、現地の大手金融機関にERPパッケージを導入するプロジェクトに従事しました。ニューヨークのプロジェクトで非常に苦労した話は「5.仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間」で後述します。
ニューヨークからの帰国後、2006年に監査法人トーマツに転職しました。監査法人でのキャリアについては、「2.監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ」で後述します。
2011年にアクセンチュアに転職し、IFRS導入に伴うITコンサルティングに従事しましたが、相変わらず会計知識は簿記2級レベルでしたので、業務上は大変苦労しました。また、アクセンチュアでは英語を使うジョブが多かったのですが、ニューヨークでの業務経験がありながら、英語力が高いとは言い難い状況でしたので、その点でも非常に苦労しました。
その後、2012年に都市銀行に転職し、現在は内部監査部門にてJ-SOX、US-SOX対応に従事しています。

公認会計士試験の学習は都市銀行在職中の2013年から始めました。ワークライフバランスが取れている職場であり、残業・休日出勤等がほとんどなかったため、余暇時間を活かして何か新しいことにチャレンジできるのではと考えました。そこで昔から会計に携わっておりながら簿記2級程度の知識・経験しかない状況に歯がゆさを感じていましたので、このタイミングで公認会計士試験にチャレンジしようと一念発起しました。その後、短答式試験を3回、論文式試験を1回受験し、2015年に最終合格しました。
論文式試験の合格後、都市銀行での業務経験が公認会計士の登録要件を満たすことが分かりましたので、補習所を3年から1年に短縮し、2017年に公認会計士に登録しました。

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この会計士のタイプは?

参謀タイプ
内向的
臨機応変型
大局タイプ
個人主義
伝統型
外向的
計画管理型
こだわりタイプ
集団主義
革新型
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既存のルールを好み、既成概念や慣習を重視する傾向にある。
内にこもらず周囲と積極的にコミュニケーションをとり、協力しながら仕事を進めることが得意。
また状況を見て臨機応変に対処できる柔軟性を持つが、その反面、具体的に計画を立てるのではなく、衝動的に物事に取り組みがちである。
仕事に対して広い視野を持ち情熱的に取り組むとともに、細かなことに配慮をしたり意識を向けたりすることができる。
このタイプの会計士は回答者全体で、
4.5%います。
2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

J-SOXバブルの恩恵を受け、2006年に監査法人トーマツに入所しました。公認会計士ではありませんでしたが、当時はJ-SOXのアドバイザリーを行う人材が不足していましたので、ITのバックグラウンドがあれば監査法人に入所するのは難しくなかったと思います。監査法人の内定をいただいたのが2006年4月だったのですが、2006年5月に中央青山監査法人が業務停止となったニュースを見たときは、この業界に進んで本当に大丈夫なのかと心配になりました。

監査法人の中からトーマツを選んだ理由ですが、大学院の就職活動時にトーマツコンサルティング(現 デロイトトーマツコンサルティング)、デロイトトーマツコンサルティング(現 アビームコンサルティング)を受けて落ちていたので、監査法人の中でもトーマツに対する憧れが尋常ではなかったからです。入所してからしばらくは受付に飾られている「Deloitte」のロゴを見るたびに興奮したのを覚えています。
トーマツ内での所属はERS(エンタープライズリスクサービス)で、それまでのITのバックグラウンドを活かし、内部統制監査、システムリスク評価等に従事しました。内部統制監査では会計士とも協業し、会社の内部統制の整備状況評価(ウォークスルー)と運用状況評価を行い、多くの会計士と知り合いになるチャンスに恵まれました。

一方、前述のとおり、会計知識は簿記2級程度でしたので、このレベルで監査法人に勤務しても良いのかという不安が日に日に募りました。そこで監査法人で4年9か月経験を積んだ上で、何か一つ会計に関する武器を身に付けたいと思い、当時のホットトピックスの一つであった国際財務報告基準(IFRS)に関する知識・経験を得るために、アクセンチュアに転職しました。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

ここでは監査法人から転職したアクセンチュア、及び都市銀行(現職)での仕事内容を記載したいと思います。

監査法人を2011年3月に退職し、アクセンチュアには2011年4月に入社しました。2011年3月は監査法人内での引き継ぎ業務に注力していましたが、東日本大震災があり、株価も暴落する中、このタイミングで転職しても希望するIFRSコンサルティング案件に従事できるのかと不安に駆られました。監査法人転職前の中央青山監査法人の業務停止のニュースといい、転職するタイミングで何かしらトラブルが起こるのが私の運命なのだと割り切りました。

アクセンチュアでは金融機関に対するIFRSコンサルティングに従事しました。IFRSは2015年3月期から強制適用されることが決まっていましたので、IFRSコンサルティング案件は他にも多くあったと記憶しています。入社してからしばらくは、簿記2級レベルの会計知識から脱却すべく、毎晩、IFRSに関する書籍を読み漁り、着実に会計に関する知識を蓄える日々でした。金融機関でのプロジェクトは順調で会社に対する良い提案もできていたのですが、2011年6月に自見金融担当大臣が東日本大震災の影響を考慮して、「IFRSについては、少なくとも2015年3月期についての強制適用は考えておらず、仮に強制適用する場合であっても5~7年程度の十分な準備期間の設定を行う」との発表を行ったため、従事していた金融機関でのIFRSプロジェクトは棚上げになりました。IFRSコンサルティングに従事するためにアクセンチュアに転職したのですが、自見金融担当大臣の発表後、IFRSに関するコンサルティング案件はほとんど潮が引けたため、アクセンチュアに転職した意義の大半が失われました。その後、製薬企業の管理会計システムの再構築、金融機関の財務会計システムの再構築プロジェクト等に従事していましたが、求人の縁があり、都市銀行の内部監査部門に転職しました。

現在は都市銀行の内部監査部門でJ-SOX/US-SOX対応を行っています。J-SOX/US-SOX対応はトーマツ時代に経験がありますが、銀行の内部統制を評価するのは初めての経験でしたので、2012年の入行年は勉強の日々でした。監査法人時代に「内部統制は数年経験することにより、ようやくその会社の全体像が理解できる」と上司から言われていましたので、7年近く経験して、ようやく全体像が掴めつつあると感じています。

都市銀行のキャリアパスの特徴としては異動が多い点が挙げられるかと思います。今後は社内で審査、リサーチ、主計・財務等への複数の異動を経験するものと思いますので、公認会計士としての軸を起点として様々な業務にチャレンジしていきたいと考えています。

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