泉光一郎(いずみこういちろう) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

泉公認会計士・税理士事務所

代表

泉 光一郎 いずみ こういちろう

コンサルティング業務には現場担当者との信頼関係構築が不可欠。監査法人と管理実務経験を生かして独立開業
編集者タイプ
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1980年2月17日生まれ(41歳)
大阪府出身 ・ 東京都在住
京都大学 経済学部経済学科 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

会計士として、管理部門における実務レベルでの知識と実際の実行力が今の自分の強みとなっている。

自分が監査法人にいて監査をしていたころは、まだJ-SOXが導入されておらず、スタッフは内部統制の一環として、会社の業務を理解し各業務プロセスがどうなっているかを自分で文書化(フローチャート、業務記述書など)するという機会がわりと多くあった。そのため、現場レベルでの会社の業務を理解するというスキルを伸ばすことができた。

また、事業会社に入り、会計システムでの伝票の起票、支払作業におけるネットバンクのEBデータの作成から、その後の現場マネージャーとしての経験、それに加えて監査法人サイドではなく事業会社からみた開示やM&Aといった業務の実施し、コンサルティング会社ではJーSOX支援業務のほか、買収された会社に新オーナーからの依頼により管理部長として入りPMIを実施したことなど、一般的なコンサルタントよりもより実務的、より担当に近いレベルでのコンサルティングのスキルがついた。

例えば、業務改善というコンサルティング業務の場合、一般的には次のような工程を取ることが多い。
1.現在の業務の棚卸、工数の把握、優先順位付け
2.課題の抽出
3.改善策の提案
ただ、外部を使った業務改善というのは失敗することが少なくない。要因はいろいろあるが、業務への(本当の意味での)理解の不足、現場への入り込みの不足であると思っている。

1の把握では、現場担当にヒアリングまたは資料作成を依頼するのだが、業務改善をするような場合、担当者は忙しいことが多く、単に上から言われて対応するだけになることがある。特に担当者が高いコンサル費用を払うぐらいなら自分たちに還元してほしいと思い、非協力的になることすらある。

そうすると、結局課題についても、属人化や、マニュアルがない、ダブルチェックがないといった一般的なことになり、改善案もマニュアルの作成、チェックリストの作成・運用といった現場に余計に負荷がかかるものになりがちであり、結局現場には浸透しないことが多い。また、コンサルティングでは改善策の提案までで、実施・定着まで行うことが少ないため、そもそも実現可能性の低い提案であることもよくある。

一般的なコンサルは提案までが業務であることが多いため、依頼主である経営者や管理職との関係性に終わることが多いが、自分はまず現場担当者との関係値を上げることから始める。これは事業会社経験者が新しい部署に異動したとき実施する一般的なことであるが、それができるコンサルタントはわりと少ない。

また管理部門の業務については、そもそも現場の業務フローを知っているので、業務のヒアリングをそこまでせず、隣で仕事を手伝い信頼を得つつ、その上で具体的な業務のボトルネック改善することとなる。(例えば、経費精算の申請書の形式や、支払における取引先コードの管理の仕方といったレベルで。)実際、アカツキは東証一部上場企業であるが、経理部員の月の平均残業時間は10時間もない。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

優秀な人と一緒に仕事をし、何かを成し遂げたときが一番仕事の充実感が高い。それは監査法人にいたときも、事業会社にいたときも、コンサルティング会社にいたときも同様だった。

一般的に監査法人出身者は、個々の独立性が高く個人主義で連携して仕事をするのが苦手だと思われているかもしれないが、そんなことはない。単に気が合うとか、合わないとか仲の良し悪しで仕事をすることは確かにあまりないが、個々がプロとして高いレベルで自分の仕事をするという意味ではやはりということが多く、このスタンドプレーとも思われる各人の業務が自然と連携され、より高いレベルでの成果を出すことはよくある。少し業務遂行にフォーカスしすぎているきらいがあるかもしれないが、これがチームワークだと個人的には思っている。

監査法人におけるIPOなどは対象会社の人と一緒になって実施する一大イベントであるし、経理部においてERPの入れ替えなども大きな仕事だった。その際には、メンバーは別に仲良しであるわけではなく各人の業務をプロとして実施するということが重要だった。もちろん、大きな業務を共にした後は、戦友的な意味で共感を得ることはあるが。

今関与しているアカツキでは優秀な人が来たくなるような面白い仕事、新しい仕事、自己実現につながる仕事、案件を、マネジメントが意識的に用意してくれている。これをアカツキではおもちゃ理論と呼んでおり、優秀な人を呼び込む工夫としている。その際には、雇用形態は特段問題とはしないため優秀な人がフリーランスも含めて多数おり、そういった人と仕事をするのは純粋に楽しい。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

特段、公認会計士という仕事に関連して深く悩んだことはない。ただし、監査法人に在籍した期間が6年とそれほど長くはなく、監査業務の現場のすべてをやる前に退職し監査現場を離れて8年たったため、現在の監査業務をあまりわかっておらず、公認会計士として監査をやってはいない点はあるが。

あえていうなら、公認会計士になり監査法人に入った後に、自分がどこにキャリアパスをみつけるか、ということに一番深く悩んだ記憶がある。公認会計士は一般には専門職であり特定の業務だけをしていると思われがちである。もちろん、専門家として監査業務といった独占業務もあるが、一般の人が思うよりはもっと幅広い道が用意されている。監査法人での勤務時代に公認会計士の仕事は企業のみならず個人を含めて、数字、お金に関する業務すべてが対象となることがわかり、その後のキャリアパスがあまりに広すぎたためどこに進むべきかということに迷った。

結果として自分の本当の希望といったものがよくわからず、ひとまず何かあっても生きていけるだろうということで事業会社に進むことにした。事業会社において経理業務を行う中で自分の専門性、強みがある程度定まり、幸運にも勤務会社が著しい成長時期だったことで、大型M&Aへの対応、会計システムの入れ替え、IFRSの導入などいろいろな経験をすることができた。また、事業部との連携や、マネジメントがどういったことを管理部門に求めているかを身をもって経験した結果、その後のキャリアにつながることとなった。

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