泉光一郎(いずみこういちろう) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

泉公認会計士・税理士事務所

代表

泉 光一郎 いずみ こういちろう

コンサルティング業務には現場担当者との信頼関係構築が不可欠。監査法人と管理実務経験を生かして独立開業
編集者タイプ
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1980年2月17日生まれ(41歳)
大阪府出身 ・ 東京都在住
京都大学 経済学部経済学科 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

恥ずかしながら、もともと公認会計士を目指した理由は、楽してそこそこ稼げる職業はないかなあ、と高校時代に将来について考えたことが出発点だ。当時いろいろ調べたところ公認会計士は日本で人数も少なく、どうも仕事も夕方くらいで終わるような楽な職業だと聞いたことだった。実際、そのころは会計ビッグバンの前であり連結会計もなく、上場企業が倒産するというようなことがない古き良き時代だったと聞いている。

そのため、あまり自分としてこれといった人生の目的はなく、一定程度稼ぐことができ、どちらかというとプライベート重視で過ごすための資格ということで公認会計士を取得した。ただ、実際社会に出て仕事をするようになると、せっかく平日の大半の時間を費やす労働という点については、やはり全力でやりたいし、全力でやるからには結果や報酬がほしいと思うように考えが変わった。

もちろん、会社員でも一生懸命仕事をすることはできるし、資格がなくとも起業することはできるが、やはり生来のリスク回避的、安定志向と相まって、振り返ってみると公認会計士での独立というのはちょうどバランスがとれたものに落ち着いたのだと思う。

今は独立しているため、会社員の時と比べると仕事の結果が直接報酬に返ってくるという意味で、ハイリスクハイリターンどころか、フルリスクフルリターンとなっているが、公認会計士というのが最低限のセーフティネットとなっている点で資格を取得して良かったと考えている。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

実はまだ明確に成し遂げたいこと、今後の夢、具体的な目標があるわけではない。監査法人、事業会社、コンサルティング会社を経て、自分は上場企業において成長のための経営戦略や資金、投資戦略といった財務戦略の立案のようなものについては、あまりにも抽象的でかつ現場からの距離が遠すぎる点で、結局興味がもてないなということだった。そういう意味で、会社の事業を加速させる会計士のひとつの道であるCFOは特に考えていない。

どちらかというと、現場により近い場所での業務に興味があり、上場企業であれば管理部門内でのコンサルティングや非上場のオーナー経営の中小企業における管理部門のサポートが一番自分のスキルや専門性に合っているのかなと考えている。

今はアカツキでのポジションがスキルに合っているが、アカツキが成長し、会社のステージが上がり戦略寄りの業務が増えていく過程において、もっと適した人材にバトンタッチする時期がくると考えている。

その後は、いわゆる町の税理士に興味をもっている。中小企業にとって町の税理士は社外管理部長みたいなものであるが、会計・税務は近年ますますその専門性が高まっている中、税理士の平均年齢は60歳を超えており、十分にサービスを提供できていないのではないかという気がしている。できれば自分も職員を雇用し、経営者としての気持ちがわかるようになりつつ、中小企業に対して業務改善などを現場に沿って行うコンサルティングをしていきたいと考えている。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

よく言われることであるが、会計士試験や監査法人で働くことがゴールではない。その後に広がっている道は本当に広いので、まさに出発点であるということを理解してほしい。

もちろん、会計士の資格をもって事業会社にいくことも悪くないと思う。やはり、新卒のカードが事業会社への就職において強いのは間違いない。ただ、20代に自分のキャリアパスを確定させるのはなかなか難しく、その点、モラトリアムとして監査法人にいったん就職するのは悪くない選択肢だと思う。監査法人では会計士としての基礎スキルを学ぶことができるし、監査で様々な会社をみることができるのでそこでいろいろ考えてほしい。結局、キャリアパスの決定において重要なのは自分の納得感ではないだろうか。

監査法人で今いる人は、業務をそれなりにきちんとこなしたとすると30歳手前ぐらいになっているかと思う。失敗しても戻ることはできるものの、年齢、ライフステージ、年収を考慮すると次にどこに行くかが今後のキャリアの中での方向性を決めると思ってほしい。例えば、中小の会計事務所に行った場合、その後大手事業会社の経理となるには、事業会社未経験でかつ年齢の点でマイナスなだけであり、次のキャリアパスはほぼ独立にならざるをえないだろう。逆に事業会社の経理として就職した場合はそこから外資の金融機関や戦略コンサルティングに移ることはかなり難しい。コンサルになるとしてもIPOコンサル、M&Aコンサル、戦略コンサルとあり一から勉強することも多く、年齢を考えると試す時間も限られている。結局、周りの会計士をみていると監査法人の次の転職先が今後のキャリアの方向性となるのは間違いない。

「何をしたいか」という意味でキャリアに悩んでいたとしても、自分は「どうありたいか」ということについては漠然と考えがある人がきっと多いと思う。何をするかは、結局、その「どうありたいか」を達成するためのHOWでしかない。そのため、まずは、「どうありたいか」ということを明確化させ、それを実現している人、それに近い人に聞いてみる、できれば仕事を一緒にすることがいいと思う。

監査法人は幸運にも様々な年齢、役職、業界の人とつながるチャンスがある。法人内やクライアントもそうであるが、転職した諸先輩方もそうだ。自分のキャリアに悩んだときは「どうありたいか」を考えた上で積極的に相談してみたらいいと思う。そのためには今の仕事を全力でしてほしい。同僚、上司以上に自分の仕事ぶりを周りの人は見ており、優秀であればあるほど親身になってくれるし、いろんな人を紹介してくれるだろう。

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