姥貝賢次(うばがいけんじ) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

カウンティア株式会社

代表取締役

姥貝 賢次 うばがい けんじ

フィンテックを普及させ、金融における情報格差や機会格差を是正。誰もが未来にチャレンジできる社会を作る
アーティストタイプ
アーティストタイプ

1980年8月17日生まれ(43歳)
長野県出身 ・ 東京都在住
早稲田大学大学院 会計研究科 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、「IT」×「財務」を駆使して、ビジネスを生み出すことです。IT・財務スキルを保持しているだけでなく、試行錯誤を繰り返すことでビジネスを生み出す経験を蓄積してきました。この数々の試行錯誤から、未来志向の着想と実現可能な戦略、達成するための戦術を融合して生み出すことができるようになりました。
例えば、「IT」分野でいうと、プログラミングの知見やIT事業構築の実績、監査法人時代のIT監査経験など、すべてが現在の仕事に活かされています。中でも、1995年からITビジネスに興味を持って動向を見てきたことやIT事業の構築は、自身のキャリアを下支えしています。
ITの仕組みを直感的に理解できるので、頭の中で描いた未来にたどり着くための戦略を描き、その未来を実現するための戦略を描けるのです。

また、IT統制の技術やセキュリティに関するガバナンスの知見も私の強みです。内部統制構築で整理するビジネスプロセスには、人の手で行うプロセスとITで行うプロセスとが混在しています。ITプロセスは、ITの専門家に切り出して依頼するケースが多い中、私は自身で両方を自由自在に整理することができます。

また、産業を「財務」というツールで整理して見通すことができます。ビジネスプロセスのどこに投資を実行すると、どんな費用が発生し、結果としてどんな収益が発生するのか、利益率はどのくらいになるのか、市場規模はどの程度見込めるのか、などが「見える」ということは非常に重要です。

そして、ビジネスを生み出す「起業」。一般的に、新規事業は、10本のアイデアのうち1本当たれば良い方で、残りの9本は失敗します。その時に、なぜ失敗したのかを見極めることが重要です。そこで得た学びが、次の事業を生み出す土壌となります。
私は、ビジネスを生み出すための数々の試行錯誤を経験することにより、事業構築力を高めることができました。
「IT」×「財務」を駆使し、一つの事象を多角的に見ていくことで、ビジネスを生み出すことができるようになりました。そして、現在、最適化されていない領域を最適化するために、事業開発に取り組んでいるのです。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

私の心が大きく動くのは、「実現可能な事業の未来が見えたとき」です。新しいビジネスのアイデアが湧き、事業戦略に落とし込み、それを実現する機会に巡り合ったときに、モチベーションが高まり、喜びを感じます。

新しいビジネスのアイデアは、散歩している最中や異業種の経営者と雑談している瞬間などに閃きます。今までの色々な経験が、頭の中でネットワークとして統合されていく感覚です。アイデアが湧くと、頭の中の事業構想をノートに記述したり、スライドに落とし込んだりしながら、具体的な輪郭を創造していきます。そして、新たな閃きを実現できる機会を見つけて、ビジネスパートナーに提案します。実現できそうな機会は、ビジネスアイデアと同時に浮かんでくるケースも多いです。

私は、スタートアップ企業に財務アドバイザリーを提供しています。単に財務の相談に応えるだけでなく、事業構築についてクライアント経営者と話し合い練り上げていきます。
自社の「事業構築」を進めることも楽しいですが、クライアント企業と共同で推し進めていくことも楽しいものです。戦略がうまく機能して、貢献できたときの喜びはひとしおです。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

自分がたどり着きたい未来像は、公認会計士として監査法人でキャリアを積む延長線上にはないのだということに気づいた時に悩みました。
私は、中学生の時からビル・ゲイツに憧れ、世界に影響を与えるビジネスをしたいと思っていました。しかし、公認会計士の主戦場は監査。事業を創造する役割ではありません。
私は、「ビジネスで未来を切り拓きたい」です。そして、ビジネスを実現するときには、一番醍醐味を味わえる「中心」にいたい。
これは、公認会計士という専門職を極めていくようなキャリアだけではイメージできない未来でした。これに気づいた時こそ、公認会計士の仕事をしている上で、最大の挫折を感じた瞬間でした。
しかし、公認会計士は社会から認められるプロフェッショナルであり、企業の心臓部に切り込むことができる職能を持った存在です。私はその存在価値を活かしながら、別の道を模索しようと考えたのです。
そこで、公認会計士としての在り方、自己認知の仕方について、新しい解釈をすることにしました。具体的には、公認会計士の価値を「監査や会計のスキル」ではなく、「経済社会のプロフェッショナルとして有する高い公平性と倫理観」と認識して活動することにしたのです。
高い公平性と倫理観を持つ公認会計士は、「社会的に認められた存在である」という看板を掲げることができます。これにより、経済界のさまざまな方とコンタクトがしやすくなります。資格を「看板」として使っているイメージです。

もちろん、公認会計士の持つ知見やスキルも、事業開発を行う上でプラスに働いています。大きくは以下の3点のように活かすことができています。
(1)財務という複雑な領域を、会計知識を使い、分析整理できること。
(2)事業を健全に維持するためのガバナンスを、内部統制から整理できること。
(3)会計士の高い倫理観を持ち、ビジネスを健全に発展させられること。

公認会計士という資格をどう活かすかは、自分次第だと思います。公認会計士の主たる使命の会計や監査の専門家として活かすのも本質的ですし、一方で、私のような別の解釈で活用してみるのも良い。
少なくとも現在の私の事業において、公認会計士の経験を最大限に活かしながらこれまでにない道を歩んだことはプラスに作用しています。

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