黄泰成(こうたいせい) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社スターシア

代表取締役

黄 泰成 こう たいせい

日韓関係の発展に貢献。いつかは日韓関係そのものに影響を与えることが目標
和尚さんタイプ
和尚さんタイプ

1971年12月4日生まれ(53歳)
千葉県出身 ・ 東京都在住
慶応義塾大学経済学部 卒業

和尚さんタイプの特徴
  • 内向的
  • 臨機応変型
  • 大局タイプ
  • 個人主義
  • 伝統型
  • 外向的
  • 計画管理型
  • こだわりタイプ
  • 集団主義
  • 革新型
  • 30
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  • このタイプの割合
    回答者全体の
  • 1.6%

周囲との協調性が高く、目の前の相手に対して共感したり、想像力を持って接したりすることができる。
あまり自分の意見を主張しない傾向にあるため、静かな印象を持たれることが多い。
柔軟性も持ち合わせているので、場に応じた臨機応変な対応を取ることができる。
どちらかというと慣習やルールを重視する傾向にあるため、革新的な意見やそれまでにない考えに対して構えてしまうこともある。

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1キャリアサマリー
1995年
慶応義塾大学経済学部 卒業
1995年
公認会計士二次試験合格
1995年
青山監査法人 入所
1997年
朝日監査法人(現あずさ監査法人) 入所
1999年
公認会計士登録
2000年
アーサーアンダーセン アトランタ事務所 勤務
2002年
KPMGサムジョン会計法人(韓国)勤務
2006年
株式会社グラビティ(韓国、NASDAQ上場企業) CFO
2007年
株式会社スターシア創業 (日本及び韓国に拠点設立)
2017年
税務法人スターシア(韓国)設立
2019年 
税理士登録、健康管理士一般指導員登録
2020年
税理士法人スターシア(日本)設立(予定)

公認会計士になって本当に良かった、とつくづく思います。
とはいえ、公認会計士を目指すきっかけは、「就職活動をしたくない。しかし、就職浪人はできないな。難しい資格試験の勉強でもしていれば、親に対して就職活動しない言い訳ができるな」という、後ろ向きなものでした。
合格後は、仕事は厳しいけれど早く成長できるという理由から、外資系の監査法人を探しました。元々、会計や監査に関心があって会計士になったわけではなかったため、入所後は、「いったい自分は何の仕事をやりたいんだろう?」という迷走がはじまります。会計監査以外の時間では、トランザクションサービスの部署が立ち上がると聞けば、その仕事をかじってみたり、公開ブームのときにはIPOを手伝ってみたり、ITバブルの時にはIT系のベンチャーキャピタルの決算を作りに行ってみたり、という感じです。いろいろかじりましたが、何一つ熱中できるものはありませんでした。
とりあえず、英語で仕事をできる能力は身に付けたかったので、アンダーセンの海外事務所で実際に働くという研修プログラムで、アトランタ事務所に行ってみることにしました。アトランタ事務所はとても景気が良く雰囲気も良い事務所で、仕事(監査)に関してはアメリカ人の方がよっぽど細かい、とか新しい発見をいくつもして充実した日々でした。しかし、エンロン事件で事務所そのものが目の前で崩壊してしまいました。
2002年に東京に戻ってきたものの、もう少し海外にいたかったこともあり、ソウル事務所に赴任させてもらうように希望を出しました。ワールドカップをきっかけに、日本で韓国に対する関心が増していたこと、私自身が在日韓国人であることからちょっとは韓国語ができたのでソウルでの勤務は、今後の差別化に繋がるかもしれない、と考えたためです。
現在、ライフワークにしている日韓ビジネスに携わるきっかけは、そのような軽い気持ちからでした。実際に韓国で仕事をしていると、日本と韓国がいかに密接に経済の分野で結ばれているか、それにもかかわらず、韓国語のできる日本の専門家がいかに少ないか、そのため、十分な専門家のサポートを受けることができず苦労している日系企業がいかに多いか、を目の当たりにしました。ビジネス交流が健全に発展するためには、安心して利用できる質の高い専門家サービスのプラットフォームがあるべきだ、という問題意識が芽生えたのです。
最初は「誰か作れば良いのに」程度で考えていましたが、「韓国語ができて韓国の税務会計が分かっている日本会計士って、自分しかいないじゃん(当時)」と気づいてしまい、「自分がやらなければ、やる人は誰も出てこないんじゃないか」という変な責任感を感じるようになり、駐在期間が終わると同時にあずさ監査法人も退職し、韓国ビジネスを専門に扱う会計事務所を設立し、現在に至ります。
会社名の「スターシア」は、アジアの星になる、という意味で作った造語です。会社設立から12年経ちますが、ようやく知名度も少しは上がってきました。クライアントは、大手企業から中小企業、個人まで幅広くあります。業務内容も、新規拠点進出→帳簿記帳・税務申告→会計監査、という定型的な会計事務所的な業務だけでなく、不正調査、内部統制構築、デューデリジェンス、合弁企業等の経営権紛争のサポート、韓国に財産を持つ人の相続対策など、様々な業務を行っています。業務の量・種類・難易度が上がるにつけ、日韓のビジネス交流の発展に貢献できている、という実感が湧いてきて非常に充実感を感じます。
仮に自分が公認会計士でなければ、このような仕事をやりたくてもできなかったでしょうし、このような充実感を感じることもなかったと思います。そのような意味で、公認会計士になって本当に良かったとしみじみと感じます。

2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

スタッフ、シニア時代は、日本の法定監査、外資系企業の日本子会社の監査を主に担当しました。上場企業のインチャージを行うくらいの経験を積んで、アトランタ事務所に行きました。
アトランタ事務所では、日系企業の監査のみを担当しました。そのときに、監査調書の作り方や監査手続きを再び一から学び直しました。それまで行っていた監査実務がいかにいい加減だったか、ズボラだったかを痛感しました。日本人は細かくて勤勉だ、という先入観が当時はありましたが、アメリカ人の方がよっぽど変態的に細かいし、仕事中毒だということが分かりました。ただでさえ、英語が苦手で辛い思いをしていたので、なんとか趣向を凝らし、簡潔明瞭で読みやすい監査調書を効率的に作ろうと努力した結果、2年目のシーズンでは、アメリカ人パートナーに「あなたの監査調書は、英語はメチャクチャだけど、アトランタ事務所で一番きれいだ」とお世辞を言ってもらえるまでになったのは、自信になりました。
このまま、アトランタで働きたいと思い始めた矢先、エンロン事件が勃発。あれほど隆盛を極めていたアンダーセンのアトランタ事務所が、一瞬にして消えて無くなりました。 みんなで「We Are Andersen」と書かれたオレンジ色のTシャツを着て、CNN本社前で司法省に抗議するデモ集会を開いたのは、今になっては良い思い出です。
当時、まだ30歳くらいでもう少し海外にいたいという気持ちから、ポジション的にすぐに行けそうだったソウル事務所への赴任を希望し、アメリカから帰国後すぐにソウルでの駐在員生活が始まりました。ソウル事務所では、親会社があずさ監査法人のクライアントである日系企業を中心に担当しました。駐在員の役割は、親会社(あずさ監査法人)と子会社(KPMG韓国)との調整です。より具体的に言うと、親会社との関係で激安な報酬で働かざるを得ない現地の担当パートナーをなだめすかす作業です。現在ではずいぶんなくなりましたが、韓国では日本に対する経済依存度が高かったせいか、ビッグ4の中に「日本事業部」という部署が独立して存在し、そこで監査・税務業務をワンストップで提供するという体制でした。
私が赴任した直後、KPMG韓国の日本事業部の公認会計士が集団で大量転職した事件が発生し、赴任直後はクライアントへの謝罪行脚、あずさ監査法人への状況説明、代わりに採用した会計士を中心に事業部の再構築と、いろんな重要な意思決定部分にも携わらせてもらえたのは、今となっては大きな財産です。
あずさ監査法人からのリファーは、当時の韓国KPMGの管理上、全て私が営業担当という扱いになっていたこともあり、韓国KPMGで最優秀営業賞受賞という、不思議な経験もしました。笑。
当時は、毎日午前2-3時まで働くか、記憶がなくなるまで飲み明かすという生活だったので、体はいつも調子が悪かった記憶があります。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在の仕事は、日系企業の韓国進出サポートです。進出形態は、新規拠点設立だけでなく、M&Aや合弁会社設立など、いくつかのパターンがあります。それぞれの会社の事業展開計画に応じて、どのように進出するかをクライアントと一緒に検討して決めていくことになります。その過程で、税務、外為法、労働法、商習慣等で様々なリスクが埋まっていますが、それらに関するコンサルテーションを韓国ではなく日本でも提供できることにスターシアの強みがあります。
最近では、財務デューデリジェンス、経営権紛争やそれに絡めての不正調査、新体制後の内部統制の構築といった業務も増えてきています。
また、韓国進出後の現地での会計税務サービスが累積していくため、ソウル事務所が弊社の主力拠点となります。日本語のできる韓国公認会計士・税理士を中心に現地での実務を充実させていますし、日本の公認会計士も常駐しています。
弊社は、日韓ビジネス交流の発展に貢献することを生きがいとして、日系企業に対するサービスを提供してきましたが、韓国系企業の日本進出に関連するインバウンド・サービスを今後立ち上げる予定です。日本にも韓国にも拠点があるということを強みにできるものと期待しています。

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