市原直通(いちはらなおと) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

EY新日本有限責任監査法人

アシュアランスイノベーション本部AIラボ 副部長

パートナー

市原 直通 いちはら なおと

機械学習などの"テクノロジー×監査"でDigital Auditの未来を切り拓く
プロデューサータイプ
プロデューサータイプ

1980年1月24日生まれ(44歳)
神奈川県出身 ・ 東京都在住
東京大学大学院 経済学研究科 卒業

プロデューサータイプの特徴
  • 内向的
  • 臨機応変型
  • 大局タイプ
  • 個人主義
  • 伝統型
  • 外向的
  • 計画管理型
  • こだわりタイプ
  • 集団主義
  • 革新型
  • 30
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  • このタイプの割合
    回答者全体の
  • 3.6%

強い集中力を持ち、まっすぐに仕事と向き合うことができる。
また協調性があるため周囲と力をあわせ物事を進めることが得意。
相手の意見を尊重するため、新しい考えを肯定的に受け止めたり、好奇心を持って人の話に耳を傾けたりすることができる。
自己主張は決して強くないため、積極的に他者とコミュニケーションをとることは少ない。
冷静に状況を分析して、場に即した適切な言動をとることができる。

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1キャリアサマリー
2002年
慶應義塾大学 理工学部 卒業
2003年
新日本監査法人 入所
2009年
EY New York事務所赴任
2011年
帰任
2014年
東京大学大学院 経済学研究科入学
2016年
大学院卒業、新日本有限責任監査法人で機械学習の監査への活用などの取り組みを始める

中学入学時にPC-98を買ってもらったことがきっかけでプログラミングを始め、高校1年のときには発表したゲームがコンピューター雑誌で取り上げられることもありました。ダンジョンの主となって迷宮を建築しつつ、様々な罠やモンスターを配置して、時折侵入する冒険者を撃退するというゲームを作った際、冒険者をダンジョン内で歩かせるロジックを考える必要があり、どうすればユーザーが作った迷路を解くプログラムが書けるかということを考えたのがきっかけでプログラムの背景にある数学やアルゴリズムに興味を持つようになり、自然と理系の道に進んでいきました。その後大学でコンピューターサイエンスやオペレーションズリサーチ、統計学など学ぶ中で、ある時、財務データに統計手法を適用し分析を行うような授業がありそこで会計に興味を持ちました。
当時学んだ判別分析という手法を使って株価の動きを予測するアプリを作ったものの、市場が上昇しているときにしか儲からないようなものしか作れず、財務諸表の理解を深めるために簿記の勉強を始めたところ、気が付いたときには会計士受験生になっていました。
2003年に会計士二次試験合格後、監査法人に入所し理系のバックグラウンドが生かせる業務に携わりたい、という相談をしたところ、金融機関の監査ではデリバティブなどの金融商品の評価の検証といった業務があると紹介され、以後十年以上、原資産の確率過程にもとづく金融商品の将来キャッシュ・フローの期待値の計算の妥当性の検討などを中心に金融商品の公正価値測定やリスク管理などの領域の監査やアドバイザリーに携わってきました。
2009年にEYニューヨーク事務所のDerivative Valuation Centerに赴任し一年半、米国の同様の案件の評価計算やアドバイザリーに携わる機会があり、そこで同僚に博士号取得者が多かったことがきっかけで帰国後2014年に大学院にも通いました。
大学院では数量ファイナンス、会計学、計量経済学、機械学習など学ぶ中で会計学の領域で財務データや資本市場で入手可能な様々なデータに対し計量経済学の手法を適用することで様々な知見が蓄積されていることを知り、監査法人での実務の中でこういった知見を生かすことができないか、また機械学習を会計データに適用しイノベーションが起こせないか、ということを考え始め、修士課程修了後、監査法人で財務諸表の将来の訂正や不正を予測するモデルの開発を始めました。2018年6月には会計仕訳の異常検知アルゴリズムを開発し特許の取得もしました。

2監査法人に入所することを選択したきっかけ

会計士を目指したのは会計士の働き方やステータスを資格学校のパンフレットなどで知り、憧れたことがきっかけでした。会計士のキャリアパスについて当時は深く考えておらず、会計士二次試験合格後は監査法人に入るのが一般的、という雰囲気に乗って監査法人の入所面接を申し込んでいました。EY新日本(当時の新日本監査法人)を選んだ理由は正直なところ、雰囲気が良く楽しく仕事ができそうだという印象で決めました。
当時、会計士になるという目標に向かって試験勉強をしていたものの、二次試験合格後にどういう仕事をしたいのかというところまでは気が回らず、論文式試験が終わった後も合格しているかどうかがはっきりしない中でそれほど真剣に合格後の選択肢について情報収集したり、各監査法人の違いや自分の将来像について考えたりする気にもなれませんでした。合格したと分かってから始めて真剣に考え始めたものの、日程的に時間があまりなかったため法人説明会の雰囲気で決めてしまいました。部署の所属も国内部、国際部の希望を出すことができましたが、これも深く考えず、周りにいた合格者がたまたま国際部希望を出していたためなんとなく国際部希望にしました。
あまり深く考えずに選択したキャリアパスですが、今振り返るとキャリアの通過点に一貫性が無く、ばらついているのが逆にスキルの幅になっていると感じます。国際部に配属となり、外国人と働く機会が多かったことで英語の習得にもつながりました。途中、自分のこれまでの数学やプログラミングなどの理系スキルと会計監査、さらに英語といったそれぞれのドットがどうリンクするのか自分でも見えていませんでしたが、業務への取り組みを通じて自然と自分の持ち味を生かしたインサイトや価値の提供をしていくうちにドットがつながっていったように感じます。

3監査法人での仕事の内容、特徴、キャリアパス

私はEYの標榜するDigital Auditの推進をめざし、機械学習などのテクノロジーを活用した監査ツールの研究開発チームを運営しています。チームにはデータサイエンティストやソフトウェアエンジニア、またコードの読める会計士などが所属し、会計仕訳の異常検知などの新しいアナリティクス手法をツールというプロダクトの形にして監査チームに提供しています。
監査の効率化、高度化に資するプロダクトを開発するためには、監査現場でのニーズや、不正会計の手口などの知見といった会計士の視点と、どのようなアルゴリズム・手法を適用すればよいかというデータサイエンスの視点、仕訳データなどのサイズの大きなデータの分析オペレーションを数千社にスケールするためのITインフラの整備や分析のプラットフォームサービス(Data Analytics As A Service)化などのエンジニアリングの視点が総合的に必要になるところが業務の特徴です。
大局的な目線に立てば、少子化などによる労働者不足の中で、高い監査品質や付加価値の提供などの社会の期待に応えるためには、監査業務の生産性向上が必須となり、その実現の鍵となる監査業務のデジタルトランスフォーメーションやデータアナリティクスのさらなる活用の重要性については異論の無いところだと思います。一方でその目標に向かってどの程度進捗したのか、何か有用なものが実際に出てきたのか監査現場目線で感じられないと存在価値に疑問符がついてしまうため、アウトプットを出しそれをアピールしていくということも重要かと思っています。
監査法人では様々な経験をさせてもらいました。金融機関の監査の現場では金融工学が実務でどう使われているか勉強するいい機会でした。また、ニューヨークへの赴任を通じて英語のスキルを向上させることができました。自分のスキルアップの機会だけでなく、自分が開発したものを法人で使ってもらう機会をいただき、非常にやりがいを感じています。会計仕訳の異常検知は、日本だけでなく世界のEY全体に展開するプロジェクトにもなっており、面白い経験をさせてもらっています。
スタッフからシニア、マネージャー、パートナーと職階が上がる都度見える世界や目線が変わるのを感じました。シニアになった際は部下をマネージしてチームとしての目的を達成するというロールになり、他人のモチベーションなどを意識するようになりました。マネージャーになった際はビジネスディベロップメントによる法人の成長という視点を意識するようになり、クライアントの求めているものや、日本企業の動き、世界のビジネスの動きなど意識するようになりました。私は昨年パートナーに昇格しましたが、グローバルリーダーとの接点が増え、ちょうどEY JapanとAPACの統合がこの7月にある、ということもありEYグローバルの中で日本のプレゼンスを示す、リーダーシップを発揮するという意識が高まりました。

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