井戸志生(いどしせい) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

コミットメントの高い人が顧客からも同僚からも買われ頼りにされる

井戸 志生

いど しせい

生年月日
1969年12月2日(49歳)
所属企業
有限責任 あずさ監査法人
所属部署
東京第3事業部
役職
パートナー
最終学歴
慶應義塾大学 理工学部数理科学科 卒業
出身地
東京都
現住所
東京都
1キャリアサマリー
1993年
某百貨店入社 都内店舗にて婦人服販売に従事
1995年
公認会計士二次試験(当時)勉強のため、同社退職
1999年
センチュリー監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)国際部入社
2010年
KPMGベトナム、KPMGタイ事務所に赴任 現地日系企業に対する監査・税務・アドバイザリー業務に従事
2013年
帰任後、IFRS適用企業等の会計監査に従事するとともに、ASEAN事業室タイデスクとして、タイへの投資に関わるアドバイスを行っている

もともと華やかなことが好きな私は、最初、服飾に興味があるという理由で百貨店に就職しました。配属も希望通り洋服を扱う部署でしたが、当時最大店舗の、しかも花形である婦人服の部署はとても厳しい、トップダウン型の職場環境でした。体育会系にアレルギーのある私には、社内の決まり事や上司からの指示指導など、すべてが理不尽に感じられました。勿論、若さゆえの視野の狭さも多分にあったと思います。
そこで私が考えたのは、そのような上司や組織に抗するためには武器=資格が必要だ、という事でした。今こうして書いていても我ながら稚拙で笑ってしまう動機ですが、当時の私にはこの気づきがとても素晴らしいものに感じられました。それは学生時代はやりたいことだけをやって、勉強も将来のためのスキルアップも一切頭になかった私が、ようやく社会で生きていくはじめの一歩を踏み出した瞬間でした。会計士を選んだ理由も高い志に基づくものというよりは、どうせやるなら最難関の資格、でも弁護士はきっと暗記主体で理系の自分には合わないだろうなと考えたからです。
志が高くなかったためか才能不足か、その後は一筋縄とは行きませんでした。周囲の反対を押し切って脱サラ、ようやく4回目のチャレンジで論文式試験に合格できましたが、4年超に及ぶ浪人生活は、さまざまな不安と闘いながらのものでした。時に百貨店を退職したことを後悔することもありました。そうやって苦労して得られた資格と今の職場、きっと運もあったと思いますが、とにかくこれを大切にしていきたいと思う気持ちは、今でも常に根っこのところにあります。

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この会計士のタイプは?

ムードメーカータイプ
内向的
臨機応変型
大局タイプ
個人主義
伝統型
外向的
計画管理型
こだわりタイプ
集団主義
革新型
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周りと協調して仕事を進めることができると同時に、自身の考えをはっきり伝えることもできる。
情熱を持って仕事と向き合うが、見通しを立てず感情の赴くままに取り組んでしまうことも。
ストレスの対処に長けていて、常にリラックスしてどっしりと構えている印象がある。
ルールを重んじるため、新しい意見を取り入れることに抵抗を感じることも。
コミュニケーション能力が高く社交的な傾向にある。
このタイプの会計士は回答者全体で、
2.9%います。
2監査法人に入社することを選択したきっかけ

脱サラして公認会計士を目指した私にとって、二次試験合格後の進路として、一般事業会社という選択肢はそもそもありませんでした。監査実務経験を積むためにも、当たり前のように監査法人に就職するのだろうと考えていました。
一方で、専門学校での模試の成績が良かったことで、専門学校の講師のお誘いを頂いていました。受験生が自分のクラスに来るも来ないも自分の腕次第、人気次第では他校からの引き抜きもある講師という仕事は、資格取得を組織に対抗する武器と考えて勉強を始めた私にとって、一つの理想的な職業に思えました。
しかし最終的には、監査の基礎を新人として学ぶことができるのは、合格したばかりのこのタイミングしかないと考え、監査法人を選択しました。5年後に知識と経験を増やしてより高みから改めて見渡した時に、それでも専門学校の講師になりたいのであれば、その時でも間に合うと考えました。

前職では職場環境に苦労をしたので、環境や人を重視して法人を選ぼうと決めていました。
センチュリー監査法人は当時6大法人の中では最小でしたが、規模やクライアントは気になりませんでした。一方で「人」については、他法人は紋切り型な印象であったのと比べて、明らかに伸び伸びと、個々人が際立っていました。極めつけは、当時リクルート責任者であったパートナーがとても落ち着いた印象の、スマートで説得力のある人物で、彼のようになりたい!と感じた事でした。このパートナーとは、今でも同じ事業部で一緒に働いています。

3監査法人での仕事の内容、特徴、キャリアパス

私の監査法人での現在の役割と仕事は、大きく以下の3つになります。

1つめは、IFRS適用上場会社、上場準備会社、外資系日本法人等の監査パートナーです。パートナーになると、具体的な監査手続きで手を動かすことは少なくなり、監査チームのメンバーが行った手続きの結果を使って「判断」することが主な役割となります。計画時に監査の方向性を示し、クライアントの上位の方とのコミュニケーションも行います。監査の品質維持のため、他の監査チームが行った監査を第三者的に審査する、というのも監査パートナーの仕事です。

2つめは、現在500名弱で構成される所属事業部の人事労務管理の仕事です。私は6つのユニットの1つのリーダーとして、所属メンバー約80名のアサイン、業務負荷管理、評価等の人事を任されています。監査法人は人が資本ですから、とても重要なやりがいのある役割だと思っています。各メンバーをどうモチベートし、どうキャリアプランを描いていくか、また適度な負荷でワークライフバランスは保たれているか等、考えながら日々仕事をしています。

3つめは、タイ投資に関する相談事項についてアドバイスをする窓口としての業務、ASEAN事業室 タイデスクの仕事です。私は2011~13年にKPMGタイ事務所に赴任し、現地日系企業の日本人マネジメントの期待に沿うサービスが提供できるよう、同僚のタイ人あるいはクライアントをサポートするというものでした。その際に培ったタイの会計、税務、外資規制等のルールに関する知識と経験を活かして、現在はタイデスクとして、タイ投資に関する内外の日本での相談窓口となっているわけです。また、タイに関する執筆や、対外セミナーで講師を務めたりもしています。

パートナーに登用となり3年半経ちます。マネジャー時代からの一番大きな意識の変化は、仕事は与えられるものではなく自分から作るもの、ということです。パートナーになると、法人は役割を与えてくれますが、それをどう遂行するか=仕事、は自分で考えて作り出さなければいけないと思っています。勿論、特に監査パートナーの仕事は、品質保持の観点から基準や法人規定等で多くの部分が定まっていますが、追加的な価値を監査に付加するために、ある意味余計な事に時間を使わなければいけないのです。監査以外の役割については尚更、どう時間をかけて何をして、どれだけ付加価値を高めるかは自分で考えなければなりません。

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