井戸志生(いどしせい) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

有限責任 あずさ監査法人

東京第3事業部

パートナー

井戸 志生 いど しせい

コミットメントの高い人が顧客からも同僚からも買われ頼りにされる
ムードメーカータイプ
ムードメーカータイプ

1969年12月2日生まれ(54歳)
東京都出身 ・ 東京都在住
慶應義塾大学 理工学部数理科学科 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

私の家族は、妻と娘2人の4人家族です。人生の目的は何か、と聞かれれば、家族が幸せになること、です。そのためには現在および将来の経済的基盤はもちろんですが、目下一番気にするのは、将来娘たちがちゃんと生きていけるために、何をしてあげたら良いか、という点です。今後既存の職業も価値観も、日本という国さえどうなるか分からない中で、娘たちには広い視野と価値観の中で、どんな所ででもサバイブできる耐性を持ってほしいと考えています。
私が娘たちの将来についてこのような思いを持つようになったきっかけは、海外駐在の経験です。海外で生活し仕事をする経験を得られたことで、私も家族も海外との垣根がとても低くなりました。それによって娘たちにも、将来日本に留まらず海外にも可能性を求めて行くということが、実現可能な選択肢として増えたと感じています。
思い返すと、私は監査法人に入るまでは、海外にも英語にも興味がありませんでした。国際部に入ったのもそこで働く人が理由であり、グローバルな仕事がしたいと思ってのことではありませんでした。しかし、まさに国際部を選んだ理由である、そこで働く人が英語を使って海外とやり取りする姿を見たり、海外経験のある魅力的な先輩の話を聞いたりする機会を持つにつれ、自分もそうなりたいと思うようになっていきました。こうして海外への興味を引き出してくれたのも、海外経験を与えてくれたのも、いわば会計士の資格と今の職場であるわけです。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

もう一度海外に出てみたいです。
私は2010~2011年にKPMGベトナム事務所、2011~13年にKPMGタイ事務所に赴任していました。赴任前までは、海外=英語力を磨くといったイメージで、漠然と英語圏への赴任が第1希望でしたが、選考から漏れた結果、ベトナムに行くことになりました。しかし、ベトナムであってもタイであってもオフィス内は英語が通じるので、当初の英語の目的はそれで達成ができました。
一方で、このような開発途上国に行くことで、先進国ではできない貴重な経験をすることになります。それは、制度も実務も未成熟な環境で、いろいろなことが思ったように進まない日系企業の方々に、寄り添って日々仕事をするということです。未成熟というのは例えば、税務調査で申告が誤っているから追徴税を納めなさいと担当官に言われているが、その理由がどうにも納得がいかないとか、新規投資をして稼働を急いでいるが、申請書類がいつまで経っても通らないとか、そういったご相談です。しかもそのような日系企業のほうもこれから大きくなっていこう、という拠点だったりしますので、日本人マネジメントの数も多くない、必ずしも経理財務畑でない方が、現地社長を兼ねて日本から赴任されて、製造工程から会社管理全般まですべてをやられているのです。このようなご相談事への支援サービス自体は、ベトナム人やタイ人の同僚が請け負って回答を作ります。それをクライアントにご満足いただくためには、日本語が話せて会計税務の素地があり、現地の制度もある程度わかっている私がそこに常に入って丁寧に分かりやすく説明したり、場合によってはクライアント側に立ってダメ出ししたりする必要がありました。勿論逆に、クライアントの望む回答を出せない状況もあり、その場合も私から納得いただけるまでかみ砕いて説明する必要があり、胃の痛くなる場面も多かったです。いずれにしても、自分が持っている能力と経験で、日本から離れて頑張っている人たちの役に立ちたい、そういった気持ちで海外の3年を過ごしました。
既に帰国して5年経ち、現在は日本でタイデスクとしての仕事は未だにありますが、またもしチャンスがあれば海外で頑張っている日本の方々に直接お手伝いができたら、と思っています。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

大手の監査法人であっても、顧客との繋がりは究極的には個人対個人です。ある仕事にたまたまアサインされて、そこでクライアントの方とのコミュニケーションが始まり、重ねていくうち、信頼されて何かあれば常に自分に連絡が来るようになる人と、そうでない人に分かれます。
また、組織内で働く場合、内部の同僚一人一人が実はクライアントなのです。1年中同じ人とだけ働くわけではなく、複数の仕事を抱えて、それぞれ全く違う人とチームを組むことになります。それぞれの仕事でチームメンバーとのコミュニケーションが始まり、重ねていくうち、信頼されて次の仕事でも同じチームになりたいと思われる人と、そうでない人に分かれます。
パートナーとは、顧客から常に連絡が来る人であり、同僚から次も一緒に仕事をしたいと思われる人です。そして、コミットメントの高い人が、顧客からも同僚からも買われ、頼りにされるのだと思います。コミットメントというのは、一言でいうと逃げないことだと、いつも私は説明しています。顧客なり、そのプロジェクトの責任者なりと一蓮托生、どんな困難があっても最後まで付き合うということです。この点は、組織に属さず独立開業されている会計士の方でも変わらない価値観なのではないでしょうか。
パートナーを目指すならば、先ずはこのようなマインドセットで明日から仕事をしてみてください。きっと周りの目が変わってくると思います。

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