樽見伸二(たるみしんじ) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社global bridge HOLDINGS

取締役

樽見 伸二 たるみ しんじ

豊富なIPO経験とCFO経験を持つ社会福祉事業の専門家。誰からも信頼される人柄で組織を統率
補佐官タイプ
補佐官タイプ

1982年11月15日生まれ(41歳)
東京都出身 ・ 東京都在住
立命館大学 経営学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

IPO経験・CFO経験・社会福祉事業経験・会計士経験が、自分の強みだと思います。今の会社では、人がやらない仕事をすべて引き受けているので、今までの経験と知識を総動員して仕事に取り組んでいます。

初めて入った事業会社はサクセスホールディングス(現:ライクキッズネクスト株式会社。保育事業)という会社で、入社したときはまだ若く28歳でした。監査法人では建設業会計ばかりでIPO経験がなかったのですが、若かったので素直に「分からないです」と言えたのがよかったです。

当時はIPO不況の時代で、年間30社程度しか上場できない冬の時代でした。そのせいで証券会社引受部も暇だったのか、いくら質問しても嫌がらずに本気で指導してくれたのが幸いでした。証券会社の担当者が厳しい人だったので、こちらが根ほり葉ほり聞いた以上に向こうから指導されることが多く、鍛えてもらうことができました。特に、サクセスは2012年にJASDAQへ上場し、翌2013年に東証二部へ上場、翌2014年に東証一部へ最短で上場しました。たった3年で3回も上場を経験できたことになります。若いうちに、しかも短期間に上場の全ての経験を積めたことが、大きな力となっていると思います。

また、サクセス時代に出会った上場関係者とも、今現在も一緒に仕事をしているケースが多いです。やはりお互いに信頼関係が構築できている関係なので、すごく成果が出やすいです。このように、これまでの人脈も大きな力となって今があると思います。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

私自身の性格は、「意外と世の中なんとでもなる」と思っていて、そんなに情熱があるほうではないので、あまり心が大きく動くことは無いです(笑)。そのせいか、たんたんと傍観者的に見ている場面が多い気がします。なので、この質問が一番難しいですね。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

事業会社での最大な悩みは“嫉妬”

事業会社には、自分より年上で経験も長くて、でも年収は新しく入ってきた公認会計士よりも低いという人がいるので、どうしても嫉妬されます。会計士が事業会社に転職するなら、誰もが乗り越えないといけない部分だと思います。

普通ならこの悩みを乗り越えるために、頭が良さそうにしたり、理論武装を強化したりして、どうしても“コンサルタント”的な対応をしてしまうケースが多いと思います。しかし、実際はそのようなことをすると失敗する可能性が高いと思います。というのも、嫉妬は感情論で生まれてきているので、理屈や理論的な対応をすると、「偉そうに!」とマイナスの感情が高まってしまう恐れがあるからです。

ではどうしたらよいかというと、プライドは持たずに、純粋に仲良くなろうとすることが一番だと思います。事業会社では、基本的には毎日同じ職場・同じ同僚と仕事をすることになります。時間数にすると、家族以上の時間を職場の同僚と過ごすわけです。長い時間をともに過ごすので、その人となりは自ずと相手が感じ取り、感じたものがその人の評価へとつながります。そういう意味では、同僚に対しては家族以上に気を使う必要があるのです。プライドは持たず、家族と接する以上に気を遣えば、必ず事業会社で成功すると思います。

必ずしも全員に好かれる必要は無い

といっても全員に好かれるようにしていたわけではありません。交渉事では対立したり嫌われたりする場面も出てきます。その場合は、誰に好かれて、誰に嫌われるかを明確に分別する必要があります。

具体的にいうと、サクセスでは監査法人対応や証券会社対応といった対外的な業務での嫌われ役を私が担い、当時の上司の会計士(CFO)が最終的な調整役を担っていました。交渉の場では厳しい条件や指摘をする“嫌われ役”がどうしても必要なのですが、嫌われ役だけが交渉しても上手く話はまとまりません。なので、私が嫌われるような厳しいことを言って、上司の会計士(CFO)が上手く落としどころを調整するという、あうんの呼吸で交渉事をまとめていきました。

社内で出世するには

社内でうまく溶け込めたら、次はいかに早く出世するかという問題があります。「早く出世するには社内営業をかけろ」とよく言っています。

総務とか経理とかバックヤードにいる人は、新しい仕事が来ると「この仕事は他の部署でやってください」とはねのけてしまう人が多いように見えます。バックヤードは営業と違ってノルマが無く、今ある仕事をそつなくこなすことに主眼が置かれがちなのです。

自分の場合は「なんでもやります。それもやります」と言って、社内で仕事をもらってきます。するとどういうことが起きるかというと、仕事が増えると必ず新しい部下が入ってくる。部下が増えると、必然的に課長とか役職がついてどんどん出世する。営業に例えると分かりやすいのですが、外から仕事を取ってくれば出世しますよね。それと同じで、社内でも仕事を取ってきた人が管理しないといけないから、仕事を取ってきた人に部下や権限が集中して、結果的に出世することができると思います。

会計士もバックヤードの世界と接しているので、新しく仕事を取りたがらない癖があります。早く出世したければ、社内営業をして新しい仕事を積み重ねる。そうすれば、未来が開けてくると確信しています。

これはサクセスにいた時の経験なのですが、最初はIPOプロジェクトマネージャーだったのですが、「総務もやってほしい」といわれ、兼任で総務課長になりました。その後、財務課長がやめると言われたので財務課長を引き受けて、IPOマネージャー“兼”総務課長“兼”財務課長に。その次システム課でシステムを管理する人が不在だったので「俺がやりますよ」って引き受けました。そうして気付いたら管理部門の半数以上は私の部下になっていて、社内でのCFO候補は私しかいない状況になり、当時の管理部門では最年少だった私がCFOに就くことになりました。

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