荒堀敬子(あらほりのりこ) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

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常勤監査役

荒堀 敬子 あらほり のりこ

若手女性監査役として業務改善に取り組む。取締役や従業員と信頼関係を築くコミュニケーション力が何よりも大切
アイディアマンタイプ
アイディアマンタイプ

1980年9月18日生まれ(44歳)
京都府出身 ・ 東京都在住
同志社大学 商学部商学科 卒業

アイディアマンタイプの特徴
  • 内向的
  • 臨機応変型
  • 大局タイプ
  • 個人主義
  • 伝統型
  • 外向的
  • 計画管理型
  • こだわりタイプ
  • 集団主義
  • 革新型
  • 30
  • 20
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  • 30
  • このタイプの割合
    回答者全体の
  • 1.6%

真面目で社交的な性格をしており好奇心も強い。
新しい考えや意見を積極的に取り入れる柔軟さに加え、物事を深く考える思慮深さも持ち合わせている。
内にこもらず周囲とも積極的にコミュニケーションをとることができるが、自分の意見を重視することもあるので、周囲からは協調性がないと判断されてしまうことも。
勤勉かつエネルギッシュであるため、仕事にも情熱を持って取り組むことができる。

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1キャリアサマリー

【中学・高校】
自由な校風の中高一貫校に進学、大学受験がない事を良い事に、文化祭や趣味の舞台鑑賞等に明け暮れる。アーチェリークラブという校内一緩い体育会系だったため、規律や上下関係に疎いまま大学に進学。
【大学時代】
認定NPO法人で営業(寄付金集め)やイベント企画、大学を休学し東京に単身出て、インターネットリサーチ会社でインターンシップを行った。当時、両親から勉強に集中するという名目でバイトは禁止されていたため、インターンシップにあたっては親から勘当され、「留年せずに卒業する事」の念書を書かされた。
【会計士を目指したきっかけ】
インターンシップで、同じ大学生でもマクロを組んだり、統計を設計できる人と、データのバリデーション作業をする底辺の人に分かれている事に愕然とする(当然、自分は後者)。また、会社に連日徹夜&寝袋で寝泊りするほどは頑張れない自分に気づき、何かしらの専門性がないと社会で生き残れない(十分に食べていけない)という切迫感から会計士を目指す。

2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)の国内部門で、会社が提出する数字の適切さを確かめたり、会社のルールが正しく働いているかを確かめたりした。監査法人に入って得られた事は2つ。①論理的な思考プロセス、②複数業界のビジネスを知れた事である。

①について、監査という仕事は、警察がアリバイを固めて犯人を特定するような感じで、証拠を積み上げて数字が適切かどうかを立証する仕事なので一定の論理的思考は身につく。②について、例えば、医薬品業界だと、特許の有効期限や、次の特許を生む研究開発が事業の鍵になるし、住宅業界だと単価の高いモノを売るため、営業力が非常に重要になってくる。一方で、小売業界だと、売れそうなトレンドをつかんで仕入先と早く提携する事・商品開発が大事だったり、外食業界だと、店舗展開・撤退の決断、メニューや接客等の小さな改善で業績が変わったりする等、業種業界によって雰囲気も違えば影響力のある部署も違う等、何が大事なのかについて多様な観点がある事を知れた。

一方で、監査法人だと過去の情報を社外から見ているだけで面白くないと思い事業会社に転職。その後、結婚、旦那についてアメリカに行き、単身帰国・出産、1年ほどは子育てに集中。アジア展開をアドバイスするコンサルティング会社を経て、今の会社の監査役に就任した(監査役は、取締役が投資家から集めたお金を、事業の発展のために使っているかどうかを監督する役割)。

今は監査役として監査法人と話す事もしばしばある。今の役割になって、監査法人と会社との”信頼関係”が本当に大事だな、という事を改めて思った。いくら数字を直さないといけない部分を監査法人が見つけても、会社がそれを直さずに会社の数字を公開しようとする場合には、会社と監査法人とで熱い意見交換が必要になってくる。ロジックには限界があって、同じ事象でも何が正しいかは立場の違いから景色が変わってくる。監査法人が「この数字を信用しても大丈夫ですよ」という意見を出すには、もちろん証拠を積み上げるプロセスも大事だけど、それよりも会社のトップと監査法人のトップの信頼関係による部分が大きいと改めて感じた。

監査法人が会社を信頼できるのか、そして「この社長の言っている事は正しいので信頼しても大丈夫!」と言うか言わないかで、お金をその会社に投資している人だけでなく、会社の未来、従業員の未来までも変えてしまう。大きな意味では良い信頼関係を築く事が監査法人の仕事だし、醍醐味だな、という事が監査法人を卒業してから分かった。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在はマザーズ上場の会社で、上場前から常勤の社外監査役を務めている。会計(お金)周りは、トーマツが監査しているので、業務周りの監査を主に実施している。仕事内容は、取締役会や経営会議に出て、会社の重要な決定事項を把握して異議や懸念点があれば伝える事、あとは社内の事業部を内部監査メンバーと一緒にヒアリングに同席して業務上の問題を把握すること。海外拠点が4つほどあるので、1年に1回は各拠点に行って拠点長の話をきいている。また、各事業部の執行役員と話して事業上の懸念点をきいたり、監査で確認して欲しいと要望をもらって実施したりすることもある。改善すべき事項について取締役と話して認識をあわせて、改善に着手してもらったりしている。

“Audit(監査)”の語源の“Audi”は聴くということにどまらず、知って認識して理解するという意味があるらしい。Audit(監査)というのは、相手の話に耳を傾けて、おかれている状況や本人の認識を理解して、そこに改善すべき事柄があれば一緒に改善案を考えたり、指導して改善するように仕向けたりする仕事だと思う。役割上、執行できないので、実務をせずに聴いて理解する事だけを仕事にしているが、こんな仕事は他に神父くらいしか無いのではないかと思う。

この業務に就いて、2018年夏で丸3年。大事な事は取締役・執行役員はじめ従業員との信頼関係を築くことだと思っている。正しい指摘でダメ出しをして終わることは簡単だし、嫌われないように何も言わないことも簡単だけど、それだと、投資家の期待だけでなく、比較的若い女性を監査役に配置した会社の期待を裏切る事になるので、「自分の景色(意見の背景・理由)について説明をつくせば相手は分かってくれる」という信頼関係が維持されるように心を配っている。

キャリアパスとしては、会社を引いて見る仕事をしているので、培われたその力を生かして、他社の役員や顧問を引き受けたり上場支援会社のコンサル等は出来るかもしれない。今は、まだその余裕がないけれど。あとは、前任の監査役は社内の執行役員になって活躍しているし、他社の監査役仲間は、独立したり事業会社の経理に入ったりしている。色々な選択肢があるかなと思っている。

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