嶋田敬子(しまだのりこ) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社ユーザベース

常勤監査役

嶋田 敬子 しまだ のりこ

若手女性監査役として業務改善に取り組む。取締役や従業員と信頼関係を築くコミュニケーション力が何よりも大切
アイディアマンタイプ
アイディアマンタイプ

1980年9月18日生まれ(43歳)
京都府出身 ・ 東京都在住
同志社大学 商学部商学科 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

もともと、自分が会計士試験の資格を取ったのは、”社会で食いっぱぐれないように生きていけるようにする。結婚・出産でキャリアが止まっても、離婚・死別しても子どもに食べさせられるようにする”という、超ネガティブ目的で取得した資格だった。ポジティブな人生の目的があって会計士という資格を取得したわけではなく、セーフティネットとしての資格取得だったので、あまり公認会計士が何の仕事をしているのか分かっていなかった(父親が会計士にも関わらず)。

「じゃあ現時点でどうなのか。人生の目的と会計士という資格につながりはないのか?」という問いに答えるとすれば、会計士の資格のおかげで、今の職に就いたので感謝している。ただ、無理やり人生の目的と資格は結び付けなくてもいいと思っている。頑張ってとった資格だから、何かしらそこに意義を見出したい気持ちは分かるけど。決算書類を読むだけなら会計士の資格はいらないし、むしろ銀行や証券会社に行った方が、数多くの会社の決算を分析するのではないかと思う。会計士を推奨する企画という観点でいえば、現時点で人生の目的がないなら、セーフティネットとして公務員よりも自由な働き方が出来る公認会計士をお勧めする。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

①性善説下の監査を組み立てること

監査は、「悪さをしていないか」という視点で物事をみるので、性悪説的な観点で組み立てられている仕事。でも、実際の問題は、悪気のない単なる無知だったりすることが多いと思う。性善説な価値観を経営の土台にしている会社では監査はなかなか相いれないし、性善説な人が多いと思うので、従来の“監査”視点は一般的に受け入れられにくいのかなと思う。

一方で、組織が健全に動いているかをチェックする機能は誰にとっても大事なので、どうやって“無知による罪”になりそうな状態をつかまえる事が出来るのか、特に海外拠点で現地に経営をゆだねている場合や、組織が未成熟な場合など、それぞれの文化背景や成長段階の場合に、どういった点を見ていけば問題に早く気付けるのかをちゃんと整理したい。

②“監査”のネガティブイメージの払しょく

監査が社会制度として必要とされている事は頭でわかっていたとしても、「なんか悪いことしているでしょ?!」という視点で、見られるのは誰でも嫌だと思う。そういうところが監査のネガティブイメージの根源かな、と思っている。もちろん悪意をもった人がいる場合には、性悪的観点が大事なのだけれど。

大体、問題が起きそうな部署や人は、雰囲気が悪かったり、情報の流れが滞っていたりと、何かしら状態が悪い。まるで、病気にかかっているヒトの体の一部分のようなもの。監査でそういった問題の芽を摘み取る意味は、会社の健康状態を“不快な部分がある状態”から“快い状態”に持っていく事だと思っている。

これからは「悪いことしてない?」ではなく「どこか具合は悪くない?」という視点で、みんなの役にたてるようになれば、もう少し監査に対するイメージも変わってくると思うので、地道にネガティブイメージをポジティブに持っていきたい。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

①自分の感情が動いた経験を30個位だして、“好き”と“嫌い”に直観で仕分けする。
②“快”に仕分けされた事象について、なぜ“好き”に分類したのか、その理由を3段階位、深堀りする。
③深堀りされた“好き”に対して、共通項を探す。
④“好き”な事に対してワガママになってみる。そして、理想の状態を妄想する。
⑤やらないといけないかもしれないが“嫌い”な事をやらなかった場合に起こる最悪の事象を考える。
⑥最悪の事象に、本当に耐えられないのかをシュミレーション、耐えられるレベルまで“嫌い”な事を回避する。

(具体例)
①経理で伝票処理の仕事は嫌いだけど、予算実績を分析したり経営目標の管理をしたりするのは好き。
②好きなのは、事業部側の人と経営目標等について話をすることが楽しいから。
③現場の人と話をして、事業を良くしていくことが楽しい。
④数字を見ながらアドバイスする事だけを仕事にしたい。
⑤業務の大半を占める伝票処理の仕事をやらなかった場合、給与が支払われず6カ月しか生き残れない。
⑥独身なので、月収25万あればなんとかなる。独立しても非常勤で日当5万を稼げば5日働けば足りる。そうした場合、残り15営業日は、数字を見ながらアドバイスするだけで生計を立てるための準備にあてられるのではないか。

上記のステップ②で、その人の個性が出てくると思うので、好きな理由の掘り下げこそが重要!例えば分析が好きといっても、グラフを作るが好きだったり(専門的な事が好き)、業績を俯瞰できるから好きだったり(人は絡まず仕組みが好き)、資料を経営者に説明して頼りにされるのが好きだったり(自分が中心になる事が好き)、いろいろな好きがあって、それこそが人それぞれの強みの源泉だと思うから。

ポイントは、自分の“好き”に、ちゃーんと向き合って、感情に素直になる勇気!人からの期待とかは気にしない事。

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