太田悠介(おおたゆうすけ) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社マイクロアド

取締役CFO

太田 悠介 おおた ゆうすけ

起業家そしてベンチャー企業CFO。会計士が憧れる二大職業で成功をおさめたストイックな会計士
革命家タイプ
革命家タイプ

1983年(41歳)
山梨県出身 ・ 東京都在住
横浜国立大学 工学部 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

公認会計士という資格は、一言でいうとセーフティネット。2020年くらいまでは一般的に考えて、仕事を選ばなければ、生活に必要な収入を得られる資格だと考えている。なので、そこまでは自由にやってもいいんじゃないかと思う。

現時点の目的は、組織として会社を大きくするということを体現したい。自分が一から作ってない会社で、200人、300人と大きくなっていく過程で会社にはどういうことが起きるのか、またどうやればもっと効率よく大きくなるのかということを、経営者として意思決定しながら体現できている。

また、この会社を通じて新しい産業を作りたいという考えがあり、今まさにそれをやろうとしているところだ。金融業、製造業、人材紹介業などいろいろな○○業がある中で、データプラットフォーム事業には属するカテゴリがない。あえてカテゴリ分けするなら“その他IT”に含まれるのだろうが、そういう産業として区分されない新しいビジネスを作ってもいいのではないかと思っている。この組織にいるからこそ、そういうことができる。

人生の目的といっても、金持ちになりたいということはあまり考えたことがない。仮に世界中に別荘があってプライベートジェットで行けるようになりたいという夢があれば100億円ぐらい稼げないと実現できないけど、そうでなければお金は持ってもそんなに大量に使うことはない。あくまで、お金はツール。

無職生活を送ったからこそわかるのだが、サービスを受けるだけの側になるのは本当につまらないし、今後もそうなりたくない。例えば100億円持っていれば欲しい物はいつでも買えるし、いつでも行きたいところに行ける。だが自分だけ世の中に対して生み出しているものが何もなくて、ただサービスを受けるだけ。食べたい物を食べて旅行会社を使うけど、金を払ってサービスと交換しているだけ。それで自分が満たされるのかというと満たされないし、面白いとは個人的には思えない。一方的な関係ではなくて、やはり相互関係でいたい。人と接しながら自分の能力を生かして何かをするということは、常にやり続けたいと思っている。

世界中どこに行っても「久しぶり!」と言いながらバカ話しながら飲める環境が個人的には趣味なので、フィールドを日本に限らずに環境づくりはしていきたいと思っている。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

今も将来も、やはり参謀として経営者をやり続けたい。ただ、同じ経営者といっても、CFOの場合は他の経営者とは立場が違うと思う。個人的には、経営者として会社に対して熱くなることもあるが、熱くなりすぎてもいけないという思いがある。

企業の付加価値を高めるためには、社内にいながら冷めた目で事業を見る感覚を持つことが重要と考えていて、なるべく客観的に見るようにしている。全員が営業上がりで結果が出ればいいという感じでやるよりは、数字をもとに「こういうやり方もある」と客観的に言える人がいたほうが、企業の付加価値は高まる。それができるのがCFOという存在なのだろうと思っている。ほかの執行役員や取締役は管轄部門を持っている中で、現状自分は売上部門を持っていないのでそういう客観的な目線で見ることができる。

一般的に社長は基本的にビジョナリストな人が多かったり、会社の方向性を決めたり、こういうプロダクトを世の中に発信していくと面白いのではないかと発想したりする人たちが多い。社長がやらないところやできないところを埋めつつ一緒に走るのがCFOの役割であり、会社のフェーズによって何を埋めるかは違うが、そこで付加価値が出せないCFOはいる意味がない。なので、各フェーズによって求められるCFO像も異なってくる。

ベンチャー企業の場合、社長がプロダクトを作り、それを完璧に執行する人がいて、各役員が責任部門を持って売上を作っていく構造になっているところが多い。その中で売上を持たないが会社に付加価値を出すためには、会社のことを理解しながら一定の客観的な冷たい目線を持ちながら会社にとっていいことをやっていくことが必要になる。今はちょうど従業員数が200人から300人ぐらいの規模なので、そういうフェーズを迎えている。

CFOは社長と話をする機会が多く、会社の資本構成、ビジネスとして成立するのかどうなのか、進出先でライバルになる可能性がある会社との関係性、どのぐらい市場があるのかについて一緒に議論していく。また、社長の耳に入ってきた情報を相談されることは多い。外にいる顧問の人たちには温度感がわからないが、社内で客観的な目線を持ちながら対等に話せる人があまりいないので、CFOならではの役割だと感じる。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス:XXを目指すならまずはこのアクションをしよう

将来の履歴書を書くことをお勧めする。20代の頃、自分でも3年後の履歴書を書くということはよくやっていた。今の自分と将来のなりたい自分とのギャップがわかるところがよい。自分で書くので、より客観的に自分のことが見えるからだ。

履歴書の書き方は、3年後のなりたい自分を想像してみることから始まる。「このぐらいの規模の会社で、こういう業務を歴任していて、こういうことができる状態になっている」と履歴書に書いたとする。するとそうなるためにはどういうバリューが足りないかがわかる。たとえば「前職でファイナンスの経験が必要だ」、「交渉ができるようにならなければならない」、「英語もできないといけない」ということが見えてくる。次にやるべきことが見えてくると、自然にやる気が出てくるのではないだろうか。若い人には特に一度やってもらいたい。

次にどういう仕事を選べばよいのかというと、通常の転職市場の場合、他の人が履歴書を見たときに価値があると思ってもらえることが必要で、もしそうではなかったら自分の発想自体がたいしたことがなかったり狭い考えだったりしているのかもしれない。そういう場合は1回寝かせて3日後とか1週間後にまた書いてみる。こんな人になったらすごいと納得するまで書いてみる。「会社を大きくしました」、「海外の会社と提携交渉をしました」、「会社を買収しました」などすごいと思えることを想像してみる。自分の知識の幅が狭すぎてたいした発想ができないときは、本を読んだり人に話を聞いたり勉強したほうがいい。誰か真似したいと思える人がいたらその人の真似をしてみてもいい。価値があると思える将来が描けたら、転職エージェントと一緒にディスカッションしてみるのもいいかもしれない。現在市場から求められている人物像と今後必要なSkillなど洗い出せるかもしれない。

最後は働き方のスタイルを決める。資本主義が継続する前提で、市場に何を提供できるかと考えたとき、普通の人は何も持っていないはずだから労働を提供して物と交換できる対価を入手する。お金というものを間に挟んで交換する時代から、将来的には信用と価値が直接交換される社会が来るかもしれない。だがそういう将来が来たとしても、何か交換できるものがないと市場に飛び込んでいっても何もできないので、普通の人は労働力を出すしかない。

会計士なら基本的に自分が働いて金を稼ぐことになるし、プロダクトを自分たちで持っている人はプロダクトを出せばいい。プロダクトは自分で作った商品でもいいし、クリエイティブな何かをプロダクトとして市場に発信してお金をもらう感覚でもいい。会計士のような労働なのか、自分が生み出したプロダクトを提供するのか、労働力を提供する方向でいくのか。また自分が動くのかお金のようなものに動いてもらうのかという選択肢もある。交換する媒体がビットコインになるならビットコインに何か動いてもらうこともありだし、人に動いてもらうという選択肢もある。

1 2 3

性格診断テストをやってみよう性格診断テストをやってみよう

会計⼠の履歴書とは
世代、職場、地域などのさまざまな垣根を超えて、
会計士が気軽に立ち寄ってコミュニケーションしたり情報収集できる場を目指しています。
また、当サイトをきっかけに会計士に興味を持ってもらえると幸いです。

会計⼠現役会計⼠・会計⼠

会計士の方はこちら
More
『会計士の履歴書』に掲載している“会計士”は、“日本の公認会計士試験(旧2次試験)に合格している人”を対象としています。そのため、修了考査(旧3次試験)の合否や日本公認会計士協会への 正会員 又は準会員(会計士補)の登録有無とは関係なく掲載しています。