渡辺祐樹(わたなべゆうき) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

SENSY株式会社

代表取締役CEO

渡辺 祐樹 わたなべゆうき

”新しい技術の発明”を超えた、”新しい社会の発明”を実現する
プロデューサータイプ
プロデューサータイプ

1980年2月25日生まれ(44歳)
高知県出身 ・ 東京都在住
慶應義塾大学理工学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

経営者としてビジネスを拡大するに当たり、最適な資本政策を実行するために公認会計士としての会計や数字面の強みが加わったことが大きな武器となった。

大学在籍時よりAIの最先端技術の研究を行ってきたエンジニアとしての側面に加え、営業や戦略コンサルティングでの経験を活かし、社会と業界の抱える課題やその解決までビジネスをデザインし、営業まで振れる実行力を培ってきたが、実際にベンチャーを立ち上げてみてそれだけでは乗り切れない面も多々あった。

コアになる技術からビジネスをデザインし、実現まで落とし込むことができても、スピード感をもって成長を加速していくためには、会計知識とファイナンスが不可欠である。幾度となく資金需要の危機を迎えながらも乗り越え、さらにビジネスの成長スピードを加速させてくることができたのは、公認会計士としてのファイナンスについての深い理解と実現あってのものであった。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

2008年当時、コンサルティングファーム在籍時に、アパレルメーカーのプロジェクトにて、山のように積まれた廃棄待ちのアパレル商品を目の当たりにした時のことを鮮明に覚えている。

洋服は感覚的なコンテンツでトレンドが読みづらい。その上、生産工程にはさまざまなプレイヤーが複雑に絡み、生産の改善も難しい。大量に生産されたアパレル商品は過剰在庫となり、格安で売れればまだいい方で、多くが廃棄となる。

その後、2011年にAIのディープラーニング技術が発展し、またスマホの普及やECサイトの発達などにより多くのデータの入手が可能になったタイミングで、顧客のファッションセンスを分析して、適切な顧客に洋服を提案することで、在庫が動き、業界全体が活性化するのではないかという起業のアイデアが芽生えた。

技術や市場の動向が急速に進み、課題解決の思いと技術、また自身が積み重ねてきた経験も合わせ、運命的に点と点が繋がったことを感じ、使命感を強く抱いた。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士資格とビジネス全般の経験を携え、満を持して起業したが、資金政策に困窮したこともあった。

創業後、試作を重ねついに2014年11月5日、「人工知能SENSY(センシー)」をリリースした。人工知能に対する認知が広まってきた頃であり、多くのメディアに取り上げられた。ユーザー数も初期から爆発的に伸び、さらに多くのデータも集まった。
 しかし同時期、「バーンアウト」と呼ばれる、資金の燃え尽きの前兆が見えてきていた。
「全ての人々に、人生が変わる出会いを。」をコンセプトとして万全を期した代償として、リリース初期の投資コスト、システムコストが多大に及び、想定外のスピードで資金が目減りしていった。

事業でキャッシュフローを黒字化するには時間が足りない。大型のファイナンスしか道はなく、大手事業会社とベンチャーキャピタルを相手に、金策に奔走した。最終的に、いくつかの投資家と合意に至り、ビジョンを共有できた方から2015年4月に1.4億円を調達することができた。

知識と肩書が、投資家とのコミュニケーションを円滑にし、最適なファイナンスの実現にとても役立った。公認会計士資格が、初期のSENSYを助けたのだと思う。

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