古旗淳一(ふるはたじゅんいち) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

小さな会社で“経営”を担当。組織再編の普及に燃える異色の会計士

古旗 淳一

ふるはた じゅんいち

生年月日
1984年5月8日(34歳)
所属企業
STRコンサルティンググループ
所属部署
役職
代表取締役
最終学歴
金沢大学 文学部史学科 卒業
出身地
長野県
現住所
東京都
7人生の目的と公認会計士という資格

人生の目的について

人生の目的と公認会計士資格の関係がこのセクションのテーマだが、正直あんまり関係がないと思う。少なくとも私は株式市場の公正性を担保することが人生の目的だとは思わない。もし私が成功すれば「会計士にはこういう人もいるんだ」という認識が広がり、世の中にプラスになると思ってはいるが、それが目的で生きているわけでもない。
自分が設立した2つの会社の存在意義はそれぞれ決めているが、自分の人生の目的は明確に決めていない。強いて言えばその会社をリーダーとして大きくし、世の中に広くサービスを提供していくことと、次の世代に繋げていくことだと思う。今は2社だが、新しいことを思いつくごとに増やしていくつもりだ。

武器とチャンスの資格

さて、私のキャリアには続きがある。汐留パートナーズ在職中から連結決算やキャッシュフロー計算書に興味が沸き始め、ある小売業を営む東証一部上場会社の経理部に転職した。年商数千億の一部上場企業、さぞ素晴らしい経理体制と期待していたが、甘かった。連結決算もキャッシュフローもほとんど内製できていない状態で、とりあえず監査法人に提出して修正箇所を教えてもらうという実務が定着していた。連結パッケージなど存在せず、連結担当者である課長がひとりで、サーバー上の帳簿を見て入力していた。このまま課長になったらなんか面倒くさいなと思った。そこで、私は連結決算の仕組みを作り直し、連結パッケージを整備し、キャッシュフロー計算までのExcelシートを全面的に再作成した。情報を交通整理するだけで驚くほどスピードが上がるものだ。また、税務の別表調整もExcelでできる仕組みも整えたり(いきなり申告ソフトに入力するよりExcelを使ったほうが圧倒的に速くなるものだ)、膨大なデータを貼付けだけで集計するシートを作ったりと、アイデアの限りを尽くして業務効率を上げてきた。
月次や四半期決算のたびに改善点が見つかり、それをクリアすることで目に見えて高速化するというPDCAサイクルは、うまくいき始めると病みつきになるほど面白い。このような創意工夫(私はトヨタ自動車をまねて『カイゼン』と呼んでいる)のノウハウは、税務経理協会より刊行の『経理高速化のための7つのITツール活用戦略』という本にまとめており、またブログサイト『ここが噂の経理道場』でも紹介しているので、興味のある方は是非読んでみてほしい。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

会社を設立して経営をしているので、その会社を大きくしていくのが私の目標だ。少しでも多くの方にサービスを提供していきたいと考えている。
現在力を入れているのが組織再編コンサルティングの事業だ。合併や会社分割といった組織再編行為は中小企業にも明らかに浸透してきている。興味があるという経営者は多いものの、成功に導くノウハウは不足している。そのような企業の発展を支えていくことが私の夢であり、当社の使命である。

その実現のために、必ずやらなければならないことがある。それが当社の直近の課題である組織作りだ。これまで個人事業の延長で行ってきた事業であるため、現在業務を任せられる人間がいないというのが、恥ずかしながら当社の現状だ。独立以来、自分の腕を頼りに仕事をしてきたが、私の細腕ではその限界が見えてきている。これ以上の事業発展を目指すなら、組織を構築することが最重要であると痛感している。喧嘩に弱い人間でも強靭な軍隊を作れば戦争に勝てるように、ビジネスではトップの技術的能力はあまり重要ではないと思う。リーダーに求められるものは技能でなく器だと思っている。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

私はそんなに大層なキャリアではないので、他人にアドバイスするような話は特にない。どんな仕事でもちゃんとやれば何らかの肥しになり、それを生かすか殺すかは自分次第。その時々で興味の湧いたこと、ウマが合いそうな人に誘われたことに真剣に取り組んでいれば、その先にあるのが自分らしいキャリアなんじゃない?という程度にしか物事を考えていないので、あまり参考にしないでいただきたい。

私も独立している会計士なので、独立を目指す会計士に1つだけアドバイス。資格を持っているなら、独立は早くすればいいと思う。資格があればとりあえず餓死することはないだろう。土日は休みやすい仕事なので、最悪そこで工事現場にでも行けばいい。食いつなげれば、あとはチャンスを逃さないようにするだけだ。
独立すると会計士の腕よりも経営者としての実力が試されるが、それは実際に経営してみないとなかなか身につかない。その経験を得るためにリスクを取ることは、決して割の合わない取引ではないと思う。実はもう1つ、はるかに手軽にできてもっと有用なアクションがあるが、それは企業秘密である。弊社に薄給で転職してくれたら教えてあげる。

次に会計士受験生にアドバイスだが、これはもう、受かるように頑張れ以外に言うことはない。これをご覧の方の中には大学生もいると思うので敢えて書くが、世の中で勝者と敗者の格差は歴然としている。合格者の定員が2,000人なら、1位と2,000位の差はほとんどないが、2,000位と2,001位の差は天国と地獄だ。公正な競争の結果なのだから当たり前だし、そうであるべきことだ。1つの試験で人生のすべてが変わるわけではないが、かなり影響力は大きいので、チャレンジするからには必勝を期してほしい。

1 2 3