古旗淳一(ふるはたじゅんいち) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

STRコンサルティンググループ

代表取締役

古旗 淳一 ふるはた じゅんいち

小さな会社で“経営”を担当。組織再編の普及に燃える異色の会計士
革命家タイプ
革命家タイプ

1984年5月8日生まれ(36歳)
長野県出身 ・ 東京都在住
金沢大学 文学部史学科 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私は経営者としてはペーペーもいいところなので、強みも何もない。ここは当社の事業の強みについて、私のキャリアに絡めてご説明したい。

中小企業のM&Aの経験

私はバイサイドの担当者として、ナマのM&Aに携わった経験がある。これはコンサルタントや仲介会社とはまた違った、独特の経験になっている。
このキャリアの強みは、現在の主要な顧客である中小企業のオーナー経営者の目線に近いということだ。彼らの多くはDCF法を言葉で説明されても感覚的に理解できないか、信用していない。M&Aは机上の理論理屈をこねくり回してもまったく進まないが、キーパーソンが腹落ちすれば急激に進展する。この目線を共有できるのは私の大きな強みであり、組織として継承させていきたいと考えている。

組織再編の失敗と成功

M&Aやその後に続く合併などの組織再編の一連の経験は、私の視野を会計からもっと多くの分野に広げてくれたと思う。
M&Aの案件は秘密裏に進められ、成立直前になって公表されるため、多くの関係者にとって寝耳に水だ。案件の交渉段階からしっかり準備しておかないと、大きな混乱をもたらす。
最悪だった経験として、買収した会社の従業員が次々辞めていったことがある。転職は本人の決断なので仕方ないとして、買収後の混乱が漠とした不安を与えてしまったことについて、今でも申し訳なく思っている。

現在、組織再編のコンサルタントとして、組織再編をご検討中の経営者に自分の失敗談と成功体験を語り、組織再編の成功に必要なノウハウをご提供している。単に書籍に書いてあることをなぞるのではなく、独自の経験を元にご説明させていただいているので、強い説得力を感じていただいているようだ。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

現在の主な業務は「M&Aを考えている/進行中の売り手経営者の相談に乗ること」だが、実はこの業務、まったくひょんなことから始まったサービスだ。

最初のお客様は、M&Aではなく会社分割のご相談からだった。その方から「今、仲介業者とM&Aの話も進めているが、不安で仕方がない。古旗さんは私が出会った誰よりもM&Aの本質を理解していると感じるので、週1回有料で相談に乗ってくれないか?」とおっしゃっていただいたのが始まりである。

今だから言うが、実はこの仕事はあまり乗り気ではなかった。この時期は別件で、M&Aの直後に社内が混乱し、ガタガタになってしまった会社を2度目の当たりにしており、M&Aそのものに嫌気が差していたのだ。

ただ、この最初の仕事を貫徹したとき、お客様から心の底から感謝していただいたと感じ、M&Aに対する嫌な思い出がスッと消えたような気がした。中小企業M&Aの構造上、同じ悩みを抱える方は多く、アコギな業者に泣かされる方も少なくない。そんな方々の相談に乗ることに使命感を感じた瞬間であった。

なお、その最初のお客様は経営者として尊敬する実績を残された方で、今では私が経営の相談をさせていただいている。そんなこともあり、人生を変えた大きなご縁だったと感じている。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

前述のとおり、私は監査法人での勤務経験がまったくと言っていいほどない。その代わりに違う経験を積み今があるので、何も困ることはないのだが、世間の人の一部は“監査法人出身者”という定型フォーマットを持っており、公認会計士と名の付く人間を片っ端からそこにはめ込めたがるようだ。なんだか裏切っているようで申し訳ない。

特に私が独立したてのころ、フリーの会計士を探しているという仕事の紹介をいただいて行ってみたら、探していたのは監査屋さん限定だったということが多々あった。公認会計士というのは、大半の人が大手監査法人で定型的な仕事の仕方を学んでいるし、タイムチャージの相場もだいたい決まっているので、定型フォーマットの枠内にいる人にとっては便利な概念だろう。一方で枠外にいる人間にとっては、公認会計士であるメリットはそこまで大きくない。協会費を安くしていただきたいぐらいだ。

そのため、私にとって公認会計士とは単なる資格であって仕事ではない。『公認会計士という仕事に関して深く悩んだこと』というテーマで書けと言われても、公認会計士という仕事が何なのかわからないということこそが悩ましい。よく「公認会計士って何をする資格なんですか?」と訊かれるが、結局自分がやっていない監査について説明するしかない。女の口説き方を語る奴に実は彼女がいなかったぐらいのがっかり感だ。

公認会計士が活躍する分野はかなりのペースで広がっているが、公認会計士という言葉の意味がそのペースに追いついていない。こればかりは自分内部のことだけではなく、世の中の話なので、乗り越えるとかではなく、気にしないことだと整理している。最近はむしろ、異色の会計士として目立つことのほうが嬉しくなってきている。そのうち私の経歴など、異色でもなんでもなくなるのだろうが。

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