平林元之(ひらばやしもとゆき) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

某大手エネルギー商社

経営企画部

経営企画部スタッフ

平林 元之 ひらばやし もとゆき

人生の使命は"ハッピークリエイター"。桃太郎のキジ的役割で、社内ベンチャーの経営をサポート
革命家タイプ
革命家タイプ

1983年1月16日生まれ(36歳)
長野県出身 ・ 千葉県在住
一橋大学 法学部法律学科 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

私は公認会計士である以前に、自身のことを“ハッピークリエイター”と称しています(ときに宗教の勧誘と間違われることもありますが……)。そして、履歴書には、必ず“たくさんの人の心に笑顔の花を咲かせたい”という言葉を綴っています。自分と関わった人の人生の角度を1度でもあげられたら万々歳と考えています。実は、ここだけの話、陰陽師さんにこの世に生を授かった使命を鑑定してもらったことがあるのですが、“世の中を明るくしたい”という強い想いが私の心の根っこにあるそうです。私の人生の目的は、きっとそういうことなんだと思います。

“世の中を明るくする”というのが人生の目的なので、“公認会計士”としての通常の業務とは大きくかけ離れているのかもしれません。それでも仕事とは離れたところで、公認会計士として、社会のため、世のため、人のため、ハッピーをクリエイトできればそれでいいと思っています。

そのなかで、私が追求しているテーマは“教育”です。長野県の片田舎で生まれ育って、実家は学習塾を営んでいました。社会人になって武蔵野市役所でも児童館に配属され、その後も学習塾ベンチャーに飛び込むなど、私にとって“教育”は縁が深く人生を賭けるに足るという位置づけです。

では、なぜ“教育”に取り組もうと思うようになったか。それは、トーマツ時代にリクルート活動をしていて、多くの会計士受験生の話を聴く機会があったのですが、どうやら会計士になって何をやりたいのかが明確でない人が多く、とりあえず監査法人に就職してとりあえず監査部門に入って…という人が多いように感じたからです。やりたいことが明確なのが良くて、不明確なのが悪いと言うつもりはありません。ですが、会計士試験に合格するくらいに勉強が出来て努力を継続することができる人たちが、明確な目的意識をもって社会のために積極的に取り組んだら、日本は間違いなく今よりよい国になります。でも、実際はそういう状態になっていないのはとても勿体ないことだと感じたのです。

次に沸いてきたのは、何故そういう事態になっているのだろうという疑問でした。ただ自分自身の経験を振り返ってみても、私自身も自分の将来をそんなに明確に描くことができていませんでした。生まれ育った環境や子ども時代の原体験など、人それぞれ理由はあると思います。でも、一つ言えるのは、“よい大学に入って、3年生になったら一斉に就活を始めて、優良企業に入って”ということに何の疑問も抱いていませんでしたし、そういうものだと思い込んでいた自分がいることに気付きました。これって何かおかしい。自分で進路を決めるまでの教育課程のなかで、もし自分の人生について十分に考える機会や人生を変えるような運命的な出会いがあれば、きっと変わっていたかもしれない、自分の夢に向かって挑戦したりチャンスが広がっていたかもしれない、そう考えました。

原因は日本の教育にあるんじゃないだろうか。少なくとも教育課程のなかでキラキラとした出会いがあれば、たとえそれが100人に1人の人生だったとしても良い方向に変わるんじゃないかと思うようになり、教育に携わっていくことを決めました。

現在は、仕事とは完全に別で、公認会計士協会の“ハロー!会計”という事業に、東京会広報委員会のハロー!会計担当副委員長という立場で関わらせてもらっています。参加者を公募してイベントを実施することもあれば、小学校や中学校に訪問して授業をすることもあります。そのほか、コンテンツを開発したり、学習塾の経験を活かしての講師育成や、地域間のネットワーク連携に取り組んでいます。

“公認会計士”として、教育というフィールドで“世の中を明るく”できるように尽力しています。

また“ハッピークリエイター”は教育の領域に留まりません。組織内会計士協議会のネットワーク構築専門委員として、交流イベントの企画やオフィスツアーの企画を通じて会計士同士をつなぐことで、世の中に価値を生み出したり、公認会計士経営懇談会の幹事として、経営について学ぶ場の企画・運営を通じて人や企業を救済できる会計士を増やしていけるような活動もしています。

“ハッピークリエイター”という人生のコンセプトに沿って、“公認会計士”としての自分にできることを考え、行動に移しています。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

“公認会計士”というタグを、『平林元之』という一人の人間の沢山あるタグのなかのほんの一つに過ぎないと考えているので、あまり参考にならない答えかもしれませんが、何よりもまず“家族を幸せにすること”が私の夢です。

“ハッピークリエイター”として、“たくさんの人の心に笑顔の花を咲かせる”前に、自分自身が、そして家族が幸せを感じていなければ元も子もないことを、過去の様々な実体験を通して痛感しました。一番身近な人を幸せにすることがどんなに難しいか。たった一人の人を幸せにすることがどんなに大変か。家族、特に妻には大変な苦労をかけた時期もあり頭があがらないという思いとともに、感謝の気持ちを伝えても伝えきれません。だからまずは、家族を幸せにしたうえで、たくさんの人を笑顔にハッピーにしていきたいと考えています。

また、趣味で『Liaison(リエゾン)』というアカペラグループを組んでいるのですが、東京都のヘブンアーティスト(東京都の審査に合格すると、都内の所定のストリートで演奏活動ができる、それなりにすごい資格)になりたいと真剣に考えています。そして、2020年の東京オリンピックにアーティストとして関わりたいと本気で思っています(笑)。もともと音楽が大好きで、小さい頃はプロミュージシャンになりたい!と夢見ていました。SHOWROOM等の動画配信サービスが出てきているなかで、音楽活動でごはんを食べていくことが難しいとしても、アマチュアでもプロ意識をもってパフォーマンスをして、エンターテイナーとしてオーディエンスに楽しんでもらえるような活動を志していきたいと企んでいます。

そして、“公認会計士”として、『ハロー!会計』を世の中に広めたり、教育のフィールドで世の中を明るくしていく。そのほかにも、世界中を旅して自分の眼で耳で世界を感じたい。コミュニティを運営したい。将来的に起業・独立したい。そんな想いや野望を抱いています。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

これからの時代の生き方として、“掛け算思考”でキャリアを考えて、居心地の悪い場所に身を投じることが大切になってくると考えています。

2012年頃に自由大学という学び場で“アメーバワークスタイル”という講義を受講しました。当時、“ノマドワーカー”という言葉が流行っていて、これからの働き方を考えようと思ったのです。講師のなかで特に印象的だったのは、出版社に勤める傍ら、プロミュージシャンが発行するフリーペーパー制作に取り組んでいたSさんで、“同時勃発的に動く”ということを教わりました。その働き方を知ったときに、“一つの会社に勤めなければならない”という固定観念がひっくり返りました。いろいろな働き方ができるし、やりたいことがあれば、自分さえ行動すれば、仕事以外の場でいくらでもできると考えられるようになりました。

いまの日本の社会でも、副業解禁だとか、複業だとか、パラレルキャリアだとか、働き方自体に多様性が認められてきていると感じます。会計士は、監査法人やコンサルファーム、個人事務所に一般事業会社と、働く場所や仕事の仕方も様々ですよね。でも、一般的には大多数の人が会社に就職して働いているのではないかと思います。これが150年遡って江戸時代にどんな職業があったかというと、一人相撲をとって銭をもらう職業があったり、文字通り水を売る職業があったり、目を疑うくらいにたくさんの職業があって、それぞれの職業がとても個性的でした。これは完全に私の予想ですが、将来の職業像を考えたときに、会社員のような一様なものから多種多様で個性の強いものに変化していく、江戸時代のような職業の在り方に再びなっていくんじゃないかと考えています(もちろん、会社というものがなくなるとは思っていませんが)。だから、“Only One”のキャリア形成が必要であり、そのためには、専門性の“掛け算”で考えていくべきだと思います。

こういった考え方は、少し前に流行した『Life Shift -100年時代の人生戦略-』という本でも取り上げられていますし、元リクルートの藤原和博さんも“希少性の高い人材=レアカードになれ”ということを提唱しています。マイクロソフトのエバンジェリスト、西脇資哲さんも「点と点がキャリアを創造する。3つ以上の点をつないだ面積が広い(隣接領域ではなく、全然違う領域に点を増やす)ほど、その人の価値が高くなる」と仰っています。例えば、監査法人には会計・監査の専門家はうじゃうじゃいるけれども、その人が別のフィールドに出ていったらそこに“希少性”という価値が生じます。“会計×○○”という公式で、私は“会計×教育”というフィールドを選択して飛び込みました。

“会計×○○”の○○を決めるときには、自分がどう生きたいか、何を大切にしたいか、を言語化してみるとよいと思います。自分自身のよいところ、よくないところを含め、等身大の自分に向き合ってみて哲学してみる。以前、お寺で座禅をする機会があって、そのときに和尚さんが「生きつつあるということは、死につつあるということ」という言葉を説法してくれました。自分の人生の最後を思い浮かべて、納得のいく人生だったと思えるように、いま何をするのか。そういった“死生観”を持つと、自分の心の根っこの声に耳を傾けることができるのではないかなと思います。

自分が進もうとする方向性が決まったら、あとは飛び込んでみるしかないです。“当事者”にならないと見えない景色がありますから。失敗したっていいんです、それで人生が終わるわけじゃない。諦めずに継続すれば、道は開けます。

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