西澤正文(にしざわまさふみ) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社グッドグリーン

代表取締役CEO

西澤 正文 にしざわ まさふみ

監査法人、外資金融、コンサルティングからベンチャー起業家へと転身した公認会計士
参謀タイプ
参謀タイプ

1983年8月21日生まれ(40歳)
千葉県出身 ・ 東京都在住
慶應義塾大学 総合政策学部総合政策学科 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

現在の人生の目的は、CEOとして会社の仲間たちと一緒に好奇心を満たして充実感を得続けることであり、現在は公認会計士という資格を特段意識することはなくなっている。しかし、公認会計士の経験が現在の会社経営に活きていることは事実である。

公認会計士の監査において、”職業的懐疑心”という概念があるが、この概念は非常に重要である。1つ1つのエビデンスが強いものでない限り、複数のエビデンスを固めながら真実に近づくアプローチをとる。事業についても、核心に迫るためには複数の情報が必要で、もちろん100%に至ることはないが、情報の信頼性が低いと事業のギャンブル性が高くなる。世の中にまだ存在しない事業を創るには、エビデンス収集がほぼ不可能な中、自分の仮説を信じて突き進むことになる。他方、既存市場でやるなら先人達の経験や知恵があるから、なるべくそれらを集めようとすることに意味が出てくる。しかし、先に述べた複数のエビデンスを集めるためにはそれなりのコストが必要になってくる。この場合のコストは金銭的なものもあるが、行動量という時間的なコストがより重要であると考えている。

個人的には、行動によって事業成功の確度が1%でも上がるなら、徹底すべきだと思っている。起業家として、仮説の確度を上げることの重要性は、公認会計士時代に得たエビデンス収集がベースとなっていると考える。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

人生の目的とイコールであるが、目的は会社の仲間たちと一緒に好奇心を満たして充実感を得続けることである。特に、2018年以降は、グリーンだけでなく、”to Cではなくto B”、”モノではなくサービス”にあてはまるビジネスを展開していく(横の展開)と同時に、非効率の残る植物業界の特に上流にフォーカスしたサービス展開(縦の展開)を進めていく予定である。幸運なことに、事業開始後より順調にベンチャー企業から一部上場企業を含めて顧客数が伸びており、黒字化を早期に達成し、採用も進んでいる。ここから3年がまずは勝負のタイミングだと考えている。社員には、今後経営者を目指したいという人材も多いので、彼らに事業を任せ、株式会社GOOD GREENの事業を子会社化して彼らに社長を務めてもらうなどといったビジョンも考えている。

また、現在は観葉植物のレンタル業が中心であるが、私自身はこの事業にこだわっていない。ただ、この事業が玄関口となってその他のサービスに派生していくことが考えられる。だからこそ、植物業界に身を置くことが今後の会社の発展に繋がっていくと思うが、それ以外にも面白い事業があれば何でもするという柔軟性は大切にしたい。

引退後は、社会に何か還元していくことで”give and give”が出来る存在になり、そんな余裕がある立場でいたいと考えている。自分自身が、過去から周囲のあらゆる人々の世話になったこともあり、自分が経営者として得た知見を自社だけにとどまらず、他の起業家志望の若者にも共有して、与える存在でありたいと思う。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス:「なりたい自分になるためにマイルストーンを設定しよう」

既に試験勉強を初めてしまっているのであれば、2~3年の投資で取得出来る資格としてはROI(Return On Investment/投資収益率)が高いので、そのまま突っ走って良いかと思う。しかし、今後のキャリアを悩んでいる人であれば、そもそも自分が長期的に何をしたいのか、数か月かけてでもよいので考えた方がいいのではないだろうか。

前職で中途採用責任者を務めたこと、インターンの子達と関わっていたこともあり、キャリアに関して頻繁に相談がくるのだが、常に主張し続けているのは”明確化”である。ただ、ここに1つ極めて重要なポイントがあって、短期ではなく中長期で考えるという点である。大体、面接やキャリア相談をすると、「xxのスキルや経験を積んで…」というコメントを頂くのだが、「その先に何を目指すの?」という質問の回答は極めて漠然としていることが多い。地位や名声でも、お金でも、そこは個性であるから何でもいいとは思うが、「じゃあ具体的にいくら欲しいの?」、「どの地位に行きたいの?」の回答は、「なるべくたくさん」、「経営者」みたいな回答が返ってくる。だが、漠然としていると、マイルストーン設定も極めて難しい。寿命が千年ならこれでよいと思うが、実際は百年もない上に、年齢と共に選択肢も限られてくるので、短期的なゴールのボトムアップでキャリア形成を考えていると、突如大きな分岐路に気付いて悩む方はとても多い。

だからこそ、遠回りでも、なりたい姿から時間軸を考えて、”マイルストーン(目標)”を設定することをお勧めする。さらに長期的かつ具体的な目標を持つメリットとして、心が折れにくくなるというものがある。レンガを積んでいる人、家を作っている人、の話に代表されるように、どんなに退屈なプロセスでも、自分を支えてくれる夢があるのは大きい。意外と自分と向かい合って絞り出すことは骨の折れる作業だが、その先の効果を考えれば十分に元が取れると思う。

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