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MYKアドバイザリー株式会社 他

取締役

匿名(男性)

インシデントレスポンス事業責任者として不正と対峙。デジタル・フォレンジックなどレアな経験を生かして不正予防にも貢献
リーダータイプ
リーダータイプ

40代
非公開出身 ・ 非公開在住
非公開(大学卒)

7人生の目的と公認会計士という資格

人生の目的は人それぞれであるが、仕事で成功し衆目を集め富を築くにせよ、ワークライフバランスを保った生活を送るにせよ、公認会計士という免許があるということは、プラスにしかならない。もちろんそれだけでは全く十分ではないが、自らの経験からは間違いなくあった方がよいと言い切れる。

経験や得意分野の差は当然にあるが、広範な試験科目を有する難関資格にパスしているという最低限の知識ベースをクリアしていること、制度的に下手なことをすれば資格を失うということや質を高め維持する体制を整えていることなどから、社会的に信頼ができる者であることを(少なくとも外観的には)公に認められているだけでも十分にその価値がある。実際、利害関係者が広範に及ぶような有資格であることが(実質的に)求められる仕事において、そもそも引き合いを受けるか否かには資格の有無は当然関係するが、それ以外の仕事において独立をしてからも門前払いを受けたことはない。但し、だからと言って必ずしも質の高い、クライアントにとって価値のある仕事ができるというわけではなく、それとこれとは別問題である。
 
また、現実的な問題として、仮にチャレンジをしてうまくいかなかったとしても、現在のような環境において、公認会計士資格者が何らの仕事も得られないということは考えづらく、そのような人に出会ったこともなければ、聞いたこともない。つまり、経済的な面からも心理的にチャレンジしやすいのは、会計士の有利な面といえるし、私ももしこの資格がなかったら職を変えるという選択自体持ち得なかったと思う。

どのような人生の目的を持つにせよ、少なくともその熱意や能力を発揮するためのハードルが下がるという意味においては、決して損することはない。現在の仕事に十分に満足している方以外で、もし資格維持費用が掛かる、継続的研修が負担だという理由で登録をやめようとか、試験に挑戦するのをやめようという考えをお持ちの方がいるならば、もう少し冷静に考えてみてもいいのではないだろうか。きっと、ハードルを乗り越えるための時間などのコストを十分に上回る何かが得られるはずである。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

家族や周りの方々が健やかに暮らしていくこと、これが夢である。そのためには、まず自分自身が精神的にも身体的にも健全でなくてはならない。その上で“何ができるか”である。

昨今、ワークライフバランスが叫ばれて久しいが、個人的にはあまりピンときていない。組織で就労していて、時間と労働力の対価として給与を得ているならわかるが、そもそも公認会計士をはじめとした職業的専門家は時間や労働力を提供する者ではない。経験の浅いうちはそれでも良いかもしれないが、いずれ自らを売らなければならなくなるのであるから、我々にとって本質的にワークとライフは一体であり、単に自律してメリハリをしっかりつけましょうという話と捉えたほうがしっくりくるのである。例えば、就業時間中は専門的能力を含む業務提供能力を養うこと目的に業務に専念するとしても、それ以外の時間でも自分であることには変わらないのであるから、子どもと遊んだり、旅行に行って見聞を広めたりする経験自体にも意味があるのではないか。
 
今は独立しているので、自己責任の中で納得感を持って仕事をさせていただいている。疲れたら仕事を調整して人の少ない時期に完全に休んだり、半日は運動をしたりしてリフレッシュし、より広い発想で効率的に仕事をする。反面、これは気合を入れないと、という時には数か月でも休みなく、毎晩深夜まで仕事をする。体はきついが、納得してやりたくてやっているし、相応の対価もいただけるのであるから、精神的にきついことはない(もちろん業務としての通常のプレッシャーはあるが)。このメリハリ、特に完全にリフレッシュできるというのが実は大事で、正解がなく個人の努力ではどうしようもないほど早くなっている世の中の流れの中で、業務に忙殺され続けることなく、一度立ち止まって視野や発想を広げることも重要なことである。

恥ずかしながら、何十年も先のことを具体的にイメージしているわけではない。ただ、初心のまま、これから成長していく企業を支援したいという想いは変わらず、むしろ企業に限らなくなってきている。私はたまたま公認会計士であるだけであって、一人の人間として、近くに求める人がいるならば求められるものを少しでも還元し続けたい。結果として、地域に何か貢献したね、と言われるようであればそれで十分である。そして、50歳なら50なり、60歳なら60なり、70歳なら70なりに、いてくれてよかったと思われる人間になれれば、夢の実現に近づくのではないだろうか。そのためには、どのような選択をすれば可能性が高まるか、常にそれだけを考えている。2018年に事務所を開設したのも、その一つである。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

キャリアを模索するということは、選択肢があるということだと思う。そのこと自体、幸せなことだと気付いてほしい。私は、非常勤時代の経験もそうであるが、何より様々な不祥事の現場に遭遇し、そこで働く人間の本音の一端を垣間見ている。共通して言えるのは、みな個人レベルではこうしたいとか、こうあるべきとか、これはおかしいとか、自分の意見を持っているにもかかわらず、それを押し殺し、発露できていないということである。それでも能力がある人間は昨今の労働環境の変化も相まって、転職など他の選択をすることができているが、それも一握りである。多くの場合、現実的な問題から、そのような思いを隠して、組織のためという免罪符に救いを求めて、割り切った日々を過ごし、いつしか染まっていくほかないのである。

そう考えると、どう生きたいのかを考え、それを実現させることができる可能性がありつつも、漫然と無為に時間を浪費して可能性を狭めているような状況であれば、動いた方がいい。反面、どのような環境においても学ぶことはいくらでもあることも事実であろうし、私もそうであったが、これまでのキャリアから外れることには相当の勇気がいる。しかし、実体験から言えば、動かないで一生どこかに悩みを抱えつつ過ごして後悔することや、動かずにいたために年月ばかりが過ぎ、他の選択肢しか残らない状況に追いやられることの方が、よほど怖い。何の責任も負えないが、上述⑦のように、もし失敗しても何とかなると思えるのであれば、なおさらである。人の想像力には限界があるので、実際経験してみないと真に理解はできないだろうし、やってみないと何が起こるかわからない。人間万事塞翁が馬、少しでも動いたら周りが動き出し、思いもよらない結果がでるというのはこの数年に限っても何度も経験している。

キャリアを模索する上で最も大事なのは、どのように生きたいか、何が幸せと感じるかを内観し、自分にとっての成功とは何かを正しく理解することに尽きると思う。何が成功かは人それぞれであるが、私を例にとれば、自分にとって成功は内面的なもの、心の問題であるから、仮に運よく他人から見て成功と言われるような財産や地位を得ても、(もちろんその方が望ましいけれども)そのために自分にとって大事なものを失うようでは本末転倒、長続きしないだろうと思うのである。失敗するかどうかということではなくて、幸せではないから、しんどくなるのは目に見えており、夢の実現が遠のく。そもそも、財産や地位については満足の水準も人それぞれであるところ、私の場合はあまりこれらに頓着しないので、結果として後からついてくる。

他人から見れば一見私の決断は理解しがたいようで、最初にチャレンジをしてからもう何年も経つが、つい先日もなぜこのような道を選んだのかと問われたところである。本人としては極めて筋の通った決断であり、何より幸せなのだが、それでいいのではないか。自分や周りが不幸で何が成し遂げられようか。

色々な“できない”や“制約”を取り払い、まずは是非、自分に素直になってほしい。決断の結果、色々な経験をして、また環境も変わって、将来言っていることが変わるのも当然であるので、あまり難しく考えず今の自分と向き合えば十分である。

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