世戸口逸人(せとぐちはやと) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介
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はてなベース株式会社

代表取締役

世戸口 逸人 せとぐち はやと

会計とテクノロジーで、士業の常識を変える
演出家タイプ
演出家タイプ

1996年6月15日生まれ(30歳)
愛知県出身 ・ 東京都在住
慶應義塾大学商学部

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私(というより会社)の強みは、「会計の専門性」と「ITの実装力」を一人の中で統合できることです。
公認会計士(2026年7月時点で登録申請待ち)として会計基準の知識を持ちながら、自らプログラミングを学び、実際にコードを書いて業務を自動化してきました。
この組み合わせは、現在のバックオフィスDX市場において稀な方であると感じてます。
SIerやIT企業は会計業務の本質的な理解が浅く、逆に会計事務所はシステムの実装力に乏しい。その間に立ち、双方の言語を翻訳しながら最適な仕組みを設計できるのが、私たちの競合優位性の源泉です。
この強みは、監査法人時代に「もっと効率化できるのに」と感じた原体験と、ベンチャー時代にGASやPythonを独学で身につけた経験の掛け合わせから生まれました。監査法人では会計の素養を、ベンチャーではITの実装力と事業運営の当事者意識を得た。どちらの経験が欠けても、今の事業は成立していません。
また、クラウド会計研修事業においても、「会計を知っている人間が、テクノロジーの言葉で教える」ことの価値は大きいと感じています。単なるソフトの操作説明ではなく、「なぜこの仕訳が必要なのか」「このデータの流れがどう経営判断に繋がるのか」を伝えられることが、研修品質の差別化要因になっています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

最も心が動いたのは、資金繰りの危機を乗り越えた瞬間です。
2024年の夏、取引先の一社との契約が突然終了し、想定外の支出も重なって、キャッシュフローが一気に逼迫しました。「本当に潰れるかもしれない」と初めて思った瞬間でした。社員には言えない不安を抱えながら、日頃から関係を構築していた金融機関に相談し、借入枠の活用で何とか乗り切ることができました。
この経験から得た教訓は明確です。どれだけ良いサービスや技術を持っていても、キャッシュが尽きれば事業は終わる。お金の流れを感覚ではなく数字で把握し、常に一定の余力を確保しておくこと。公認会計士としてクライアント企業の財務を見てきた経験があったからこそ、日頃から金融機関との関係構築や資金管理を怠らなかったのだと思います。
もう一つ、強く心が動いた瞬間がありまして。
個人では到底成し得ないような協業先ができたり大きな金額が動き、その結果として社会に貢献していると実感する仕事ができているときです。最近では会計ベンダーの皆様と協業し、静岡県、兵庫県の自治体と連携することで、全国の経理人材を募って弊社が制作に関わった研修を提供し、BPO会社への雇用創出をするという取り組みをしているのですが、「世戸口逸人」ではなく「はてなベース株式会社」という組織だからこそ実現できたという感覚は、モチベーションを爆上げするきっかけになりました。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

最も深く悩んだのは、「公認会計士の資格に依存してしまうのではないか」という恐怖です。
起業を決意した際、周囲からは「失敗しても会計士に戻れるから安心だね」と言われました。しかし、その言葉に強烈な違和感を覚えました。資格をセーフティネットとして捉えた瞬間に、本気で事業に向き合えなくなるのではないか。「会計士だから」という枕詞で語られる自分ではなく、「はてなベースの創業者」として社会に認められたい。その葛藤は、起業前後で最も自分と向き合った時間でした。
乗り越え方は、あえて資格に逃げない環境を自分で作ることでした。監査法人に戻るという選択肢を心の中から排除し、少ない資金で会社を立ち上げ、背水の陣を敷いた。結果として、全責任が自分にある環境だからこそ全力で走れました。恐怖心よりも好奇心が勝ったという感覚です。
今振り返ると、この悩みの本質は、資格や肩書きといった「外部の評価軸」に自己実現を委ねることへの抵抗だったのだと思います。偏差値、試験合格、監査法人——常に誰かが用意した尺度の上で評価されてきた。自分自身の事業で社会に価値を示す。それが、私にとっての「公認会計士」という資格との健全な距離感です。

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