森大輔(もりだいすけ) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社SMASH HD 他

代表取締役(SMASHグループ代表)

森 大輔 もり だいすけ

“人生のレギュラー”として挑戦を続ける
革命家タイプ
革命家タイプ

1983年9月13日生まれ(41歳)
愛知県出身 ・ 東京都在住

革命家タイプの特徴
  • 内向的
  • 臨機応変型
  • 大局タイプ
  • 個人主義
  • 伝統型
  • 外向的
  • 計画管理型
  • こだわりタイプ
  • 集団主義
  • 革新型
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  • このタイプの割合
    回答者全体の
  • 21.9%

自身の仕事に対して情熱を持って取り組む傾向にある。
また高いコミュニケーション能力を活かして、周囲と協力しながら物事を進めることができる。
知的好奇心も強いため、新しい考えや意見を取り入れることをいとわない。
物事を抽象化して考えるため、大局的な判断力を持つ。
ストレスを感じても過敏に反応することなく的確に対処ができるため、周囲からは誠実かつ落ち着いて見られることが多い。

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1キャリアサマリー
2008年
あらた監査法人(現 PwC Japan有限責任監査法人)入所。(なお、合格年次は2007年だが、世の中放浪すること1年。)
2014年
PricewaterhouseCoopers LLP(PwC米国法人 シカゴ・ピオリアオフィス)
2019年
PricewaterhouseCoopers LLP(PwC英国法人 ロンドンオフィス)
2022年
株式会社SMASH HD 代表取締役就任(SMASHグループ 代表)
森大輔公認会計士事務所(MD C.P.A Office)開設 代表
2023年
SMASH国際会計事務所 開設 代表
2024年
SMASH国際アドバイザリー合同会社 設立
SMASH国際監査法人 設立 代表社員 就任

 幼少期から税理士事務所を経営していた父親の背中を見て育ちましたが、幼稚園から小学校低学年の頃はスキー選手に憧れ、小学中学年から高学年にかけてはプロ野球選手を目指していた私は、父の仕事の内容を理解することはありませんでした。中学に進学すると、地元の進学校が甲子園に出場したことをきっかけに、「この高校で絶対に甲子園に行く!」と意気込むようになりました。しかし、甲子園に出場したことで愛知県内の怪童たちが集まり、結局、3年間はボール拾いやスタンドからの応援に回ることに。高校2年と3年の夏に愛知県大会決勝で敗れ、あと一歩というところで甲子園への夢は終わりました。
 ふと立ち寄った本屋で、イチローさんの出身高校の元野球部監督が、グラウンドに立てず、レギュラーをサポートする部員に「野球でレギュラーになれなくとも、人生のレギュラーになれ」と言った言葉に感銘を受け、高校卒業とともに野球に決着をつけることを決めました。高校までは年間360日、朝から晩まで野球漬けで勉強していなかったものの、大学入学後は一転して、公認会計士を目指して勉学に励みました。父が税理士、兄が公認会計士という影響もあったかもしれませんが、会社に属して仕事をするよりも、自分の時間を自由に使いたい、人生を自分でリードしたいという思いが強く、困っている人々や企業、社会を支えられる仕事をしたいと考えるようになりました。税理士と公認会計士で迷ったとき、幼少期に父親がぼそっと「これからの時代は公認会計士だろうなぁ」と言っていたことを思い出し、公認会計士を目指すことに決めました。
 大学在学中に公認会計士論文式試験に合格し、その後、監査法人への就職活動はせず、1年間の国内外での放浪生活を送ります。この1年間が、その後の人生を大きく変えることになります。山奥でのアルバイト生活や地方の会計事務所でのアルバイトの中で、オーストラリアのシドニーを訪れました。人生初の海外で、オシャレなバーや高層ビルが立ち並ぶ港で見た4大会計事務所(Big4)の圧倒的な存在感とカッコよさに一目惚れし、将来はここで働こうと決意しました。当時、野球選手やサッカー選手が次々と海外で活躍している時期であり、海外で働くことへの憧れが強くなりました。自由でフランク、でも仕事には厳しそうなイメージがあり、憧れの海外で働くチャンスもありそうだと感じたため、PwC(当時のあらた監査法人)に入所しました。
 シカゴ・ロンドンへの赴任期間を含むPwCでの14年間を過ごした後、「国際業務に強い会計事務所」と「日本一の会計事務所を作りたい」という思いを胸に独立を決意しました。個人の公認会計士事務所を開業し、同時に6法人を統括するホールディングス会社の代表取締役に就任しました。その後アドバイザリー合同会社と監査法人も設立し、現在に至ります。

2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

PwCに入所後は、ひたすらがむしゃらに働きました。正直、監査法人で将来これをやると明確に決めていたわけではありませんでした。自分の実力に自信がなかったからかもしれませんが、監査法人のキャリアの中で何が自分に合うかを見つけていく感覚でした。しかし、会計士試験の勉強をしている際に、ふと立ち寄った本屋で、海外で活躍するスポーツ選手の特集を見たときに感じた「自分もこんなふうになりたい」「海外で実力を試したい」「どうしてもあのカッコいい事務所で働きたい」という思いはずっと心の中にありました。当時2008年頃は大量採用の影響もあって人が余っていたので、そのような環境で海外赴任のチャンスを得るために実力をつけなければならないと一心不乱に業務に取り組みました。社内を歩き回って先輩に会う度に何か仕事ありませんかと営業し、部署内で一番行きたくないとされていた監査チームに自ら志願し、そのチームは米国人パートナーやディレクターがいるチームで、会議や監査調書はほぼすべて英語で行われ、PCAOB監査のため、監査のレベルは最高級の厳格さでした。上場会社や外資系企業、国内非上場企業の財務諸表監査に多く関わりましたが、大手の監査法人としては比較的小規模な会社(売上高1,000億円や100億円以下)を担当することが多かったです。外資系企業については、おそらく日本の監査法人の中で私より多く関与した人はいないのではないかというほどの数を経験しました。並行して、毎朝出勤する前に、欠かさず英語の勉強をしました。そのおかげで少しずつ海外赴任に必要な英語力を身に着けることができました。今考えるとそのようなメリハリのきいた生活が送れる時代の運に恵まれていたとは思いますが、繁忙期でもこの学習スタイルだけは、自分に対するルールとして絶対に貫きました。
入社4年目に念願の海外派遣の話が来たものの、会社の事情で実現せず、翌年再び海外派遣の話が来て、無事にアメリカに赴任することができました。アメリカでは、SEC上場の米国企業に対する監査業務を担当し、PCAOB監査やUS-SOX監査を経験しました。
2年間のシカゴ赴任を経て日本に帰国し、財務諸表監査以外のアドバイザリー系業務やリクルート活動、事業部運営など幅広く担当しましたが、海外赴任という入社前の大きな目的を果たした後、次第に業務へのモチベーションが低下している自分に気づき、そろそろ潮時かと思った矢先、今度は会計の聖地ともいえる英国・ロンドンへの赴任の話が舞い込みました。迷わず赴任し、現地の日系企業を中心にエンゲージメントマネージャーとして、世界中から集まった多国籍集団をまとめました。赴任から半年後にコロナによるロックダウンが発生し、2年間のロンドン赴任を終え、再び日本に帰国しました。
家業は元々親族承継を考えていた組織ではありませんでしたが、イギリスから帰国後、父が幼少期に言っていた「日本一の会計事務所にしたいなぁ」という言葉を急に思い出し、「父に代わって私が国際業務もできる日本一の会計事務所を作りたい」という気持ちが芽生えました。ちょうどその頃、税務中心の会計事務所を運営していた家業において創業者が引退し、その後の混乱や勢いの弱まりを聞きました。当時、既にシニアマネジャーになっており、PwCが好きだった私は、PwCでのキャリアとの間で揺れましたが、大組織の中ではスピード感を持って即決即断ができないという限界を感じていた面もあり、自分の好きなことや成し遂げたいことを経営者として実現するため、最終的に独立を決意し、同時に愛知県で事業を展開しているSMASHグループにジョインすることにしました。
監査法人で海外での仕事を経験できたことは大きな財産ですし、監査法人でのキャリア後半で、内部監査や内部統制に関するアドバイザリー業務も経験できたことが、独立後に監査以外の業務を広げるうえで大いに役立っています。独立するには税務や経理の業務経験が必要だと言われますが、私はほとんどそのような経験をせずに独立しました。一方で、心の中で「事業を起こしたい」「会社を経営するんだ」という強い意識があったため、比較的小規模な企業を担当する中で、経営者が何を見て、考え、どのように意思決定をしているのか、また何が問題なのかを常に意識しながら監査していたように思います。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

今現在の仕事には、大きく二つの柱があります。一つは、会計士が行う財務諸表監査(リファーラルやAUP含む)、内部監査アドバイザリー、内部統制&J-SOX関係の支援、IPO支援やM&Aに関する財務DDといった実務面の柱、もう一つは、会社、そしてSMASHグループのマネジメントという柱です。SMASHグループはもともと父が愛知県で創業しました。コンサルティング会社、税理士法人、社会保険労務士法人、行政書士法人、不動産会社を、私が社長を務めるSMASH HDが統括しています。このSMASHグループのネジメント業務には、経営全般面、採用(新卒・中途)、営業、商品・サービス開発、インフラ整備、各種関係組織との関係構築、金融機関とのお付き合いなど、幅広く含まれます。最近はSMASHグループとしてのブランド構築に力をいれています。私が代表に就任してから、パンフレットのデザインをすべて私が再考して刷新したほか、広報の一環で元メジャーリーガーの川上憲伸さんと「信頼と挑戦とグローバル」というテーマで対談したりもしました。今年の7月には役員を全員集め、将来このグループをどうしていったらいいのか、1人1人に聞いたんです。彼らは普段は愚痴ばかり言っているんですけれど(笑)、このときは結構夢があることを言ってくれたので、だったらもう業界でナンバーワンのブランドを目指しましょうということを役員全員で決意したところです。
このSMASHグループと緊密に連携を取りながら、専門サービスを提供するのがSMASHアソシエイツです。SMASHアソシエイツは法律事務所や社会保険労務士事務所の他、東京を拠点にし、私が代表を務める森大輔公認会計士事務所、今年(2024年)9月に設立したSMASH国際監査法人並びにSMASH国際アドバイザリー合同会社からなります。ここでは私自身が実際に手を動かし、アドバイザリーや監査といった専門業務にあたっています。国内企業の案件も受託していますが、多くは外資系企業やクロスボーダー案件です。最近出版した書籍にも関連しますが、海外子会社の内部監査やガバナンス関係のお仕事を受嘱することが増えてきています。自ら独立し、法人を設立し、経営しているのは、元々会社経営を経験していない者が経営のアドバイスをすることに、昔から違和感があったことにあります。自ら事業を拡大させ、色々と経験していくことで初めて会社経営者の気持ちが分かり、寄り添うアドバイスができると実感しています。監査業務については、独立してから再度監査業務をやる方は多くないと思いますが、私は公認会計士業務の王道である監査を通じて、企業価値の向上に少しでも役立つということに、公認会計士としての意義を感じています。監査業務に対する価値観がこのように変わったのは、監査法人時代の後半に内部監査のアドバイザリー業務をしたことがきっかけだったと考えています。
月の3割ほどは愛知県でSMASHグループのマネジメント業務にあたっています。愛知の拠点には会計士がおらず、実は私が会計士第一号なんです。例えば財務デューデリジェンスや企業再編におけるPMIといった業務は全くやってこなかったので、今まさに少しずつ愛知に会計士のサービスを新たに開発しているところです。リクルートにも最近は私自身が積極的に関与するようにして、何千人という学生が来る大手人材紹介会社のイベントに企業ブースを出すなど、新卒採用を積極的に行っています。税理士法人を主体とするSMASHグループの従業員は約100名おり、全国ランキングでも100位に入る規模なのですが、税理士試験に合格した途端に職員が退職してしまうというリクルートの難しさを感じています。だからこそ法人のリクルートでは、「ご縁あるところすべてに特別な毎日を届ける」というSMASHグループのビジョンに共感してもらえる人に入社してもらいたいという思いで、私自身が会社説明を行っています。税理士業界は傍から見ると「先細り」とか「ブラック」というネガティブなイメージがあるようなんですが、会社説明会では、それは誤解であり、ITやDXを使いこなせたり、国際業務に対応できる会計事務所はむしろこれから伸びるんだという話をします。「税理士」とか「申告業務」という言葉に対し、「コンサル」という言葉は学生から非常にポジティブに捉えられるので、コンサルティング業務の魅力を特に意識してアピールするようにしています。愛知での事業は地域のインフラを支えるという側面もあるので、雇用を含めしっかり地元に貢献したいです。
2年前に私がSMASHグループにジョインしたとき、所信表明演説で「日本一みんなが働きやすい会社にしましょう」と言いました。SMASHという名前の由来には、「ボールを打つスマッシュのように、お客さんとご縁を互いに打ち合って、良い関係を築いていきましょう」という裏の意味もあるのですが、SMASHという言葉を構成しているそれぞれのアルファベットには私たちのビジョンが込められています。このうち「H」は「Human」を表しており、これがまさしく、「従業員が日本一働きやすいと感じる会社を実現する」という目標です。所信表明演説の時のことを従業員に聞いたら、「あんなゴリゴリしていそうな人が、こんなやわらかいことを言うなんて信じられない!」と、当時は衝撃だったそうですが(笑)、最近になって多くの従業員がこの共通のビジョンを、自分たちから話すようになってくれたことを実感し、大変嬉しく思っています。SMASHグループは、2028年で創業50周年になりますが、まずは内部から従業員にビジョンを浸透させ、そして今、次第に外でもブランドを構築し始めているという段階です。なんとか2年やってきたので、もうあと1年、まずは3年頑張ってある程度形にしたいですね。

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