内山貴史(うちやまたかし) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

有限責任 あずさ監査法人

アカウンティング・アドバイザリー・サービス事業部

パートナー

内山 貴史 うちやま たかし

グローバルな環境下で高い緊張感を保持し、日々成長と新しい発見があるような時間を大切に過ごす
演出家タイプ
演出家タイプ

1971年9月6日生まれ(53歳)
東京都出身 ・ 山梨県在住
中央大学大学院 商学研究科 博士前期課程 修了

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

Diversityへの配慮、Respectに基づくコミュニケーションスキル

国内及び海外でのアドバイザリー業務経験やニューヨーク駐在時における公私にわたる経験を通じ、グローバル環境下での厳しい交渉も含め、ある程度柔軟なコミュニケーションができるようになりました。このような経験・スキルは、現在、特にクロスボーダーPMIにおける海外の買収会社の経営陣との対話、経理、その他数多くの部門との調整業務においては、特に重要なものだと感じています。
過去に国内大手保険会社が海外の同業上場会社を買収したときのことです。買収決定後、PMIキックオフミーティングの際、日本本社のメンバー5名とともに、様々な部署や立場を有する海外関係者(外部アドバイザーを含む)30名との数日間にわたるミーティングの進行役を担当しました。保険業務という特殊な業務上、より細分化された業務ごとに会社の部署や専門家が存在するため、海外訪問前の事前準備も大変でしたが、現地でのミーティング進行中にも、休憩時間を使いながら、各部署のキーパーソンとの事前調整を丁寧に行い、買収直後に想定される重要課題の対応策を協議していきました。クロスボーダー案件では、言語による制約や、文化的側面がボトルネックとなることも多く、クライアントやその他関係者の立場を十分理解・配慮しながら進めていく必要があります。当該ミーティング終了時には、参加者より大きな拍手とともに温かい賛辞をいただいたことを鮮明に覚えています。その後、海外との統合準備を進めるなかで、主要関係者との信頼関係の構築に少しは貢献できたのではと思います。

お互いの顔が見えるKPMG・社外とのネットワークの存在

日本企業がクロスボーダーM&Aを積極的に展開するなか、これまで数多くのM&A業務を通じて、海外も含め、数多くの信頼できる専門家との人的ネットワークを構築できました。世界各地で活躍しているパートナー陣が、若いころから私と一緒に成長してきた仲間です。私には彼らの心強いサポートがある。だからこそ、多国籍にまたがる難易度の高い複雑なクロスボーダーM&Aであっても、スピード感をもって、高いパフォーマンスで仕事をしていけるのだと思います。
また、日本企業に対するサービス提供体制の強化、及び、中長期的な人的関係の構築の観点から、米国、ドイツ、シンガポール、中国、タイ、ベトナム、メキシコに、私の所属しているアドバイザリー部門の若手メンバーを派遣しています。このような多様な海外派遣の機会があるのは、これまで日々の業務のなかで継続的に構築してきたお互いの顔の見える人的ネットワークのおかげです。

ポジティブな思考、建設的な行動、中長期的な時間軸

中長期的な観点から、クライアントリレーションや人財育成に注力し、忙しいながらも、常に明るく前向きに、将来への投資を自ら楽しむことができる価値観もひとつの強みかもしれません。このような価値観は、現在、M&A・事業再生チームの責任者としての仕事を担当するに際し、さらに重要性が増しているのではないかと思います。
また、私の場合、家族の理解や協力が大前提ですが、ワークライフバランスに関しても、常に仕事とプライベートを平均的にバランスさせるのではなく、中長期的にバランスを確保することを念頭においています。現在、妻と子供とは地理的にも離れた場所で生活していますが、週末半日でも家族と一緒に過ごせるとき、思いっきり密度の高い時間を楽しむようにしています。どちらかというと、これまで仕事の比重が圧倒的に高いにも関わらず、私の現在の仕事を理解し、献身的なサポートをしてくれている妻の存在が私の最大の強みかもしれません。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

専門外に対してのリスペクトと学ぶ気持ち

パートナーとして、複数のクロスボーダーPMIを担当していたときのことです。海外買収企業が深刻な業績不振となり、数カ月にわたり、日本本社メンバーと共に日本と欧州を往復し、現地事業の立て直しを支援する、難易度の高いプロジェクトがありました。そのとき、一緒に担当した戦略・ビジネスチームのパートナーから次のようなフィードバックをもらったことをよく覚えています。
「常に同じところにとどまらず、常に専門外の領域を学び、人に対するRespectを忘れない。積極的にオーナーシップを発揮し、クライアントも巻き込みながら、仕事を楽しんでいる。常に投資し、結果も出す。仲間やサポーターを累積的に増やしていく」。
上記プロジェクトにおいて、私は日本本社及び現地経営陣とのコミュニケーションを担当し、戦略・ビジネスと会計の混成チームがビジネス調査や事業計画の見直し検討を進めていました。日頃、自分が何人いてもできないような品質の高い業務をチームメンバーと一緒に達成できたとき、「今回の仕事は本当によかったな」と感じることが多いです。私自身にとっても、チームメンバーにとっても、新しい気づきがあり、一緒に試行錯誤した経験が成長の機会となったと実感するからだと思います。本件は、まさにそのような結果を生み出すことができたプロジェクトでした。もちろん、現在でも彼は信頼できる仲間の一人です。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

ニューヨーク駐在当初の3カ月間

2007年11月、ニューヨーク事務所のM&Aチームでの勤務が始まりました。それから3カ月間、仕事はゼロ。現地ではリストラを検討している時期とも重なり、「着任早々、海外赴任者のうち、本国に戻す海外赴任者リストにも挙がっていたんだよ」と後日聞かされました。私自身も焦りがあったのかもしれません。体重も自然と減少していました。
そんな厳しい状況であっても、常に自分ができることを模索し、できるだけ前に進んでいく気持ちだけは強かったと思います。このデジタル社会において、敢えて日本のインスタントカメラを持参し、ホリデーシーズンに開催されていた様々なパーティーに参加しました。その際、出席者リストを片手に、当日お会いした人の名前を一緒に確認しながら写真を撮り、後日、簡単なメッセージとともに、現像した写真をプレゼントして回った記憶があります。今考えると、ずいぶんおもしろいことをしたものだなと思いますが、ユーモアをもって、誠実に積極的にコミュニケーションをしていたのだと思います。「なんで現像しているの?データをメールに送っておいて」といった反応もありましたが、総じて好意的に受け取ってくれたようです。その後、すぐにアサインが増えることはありませんでしたが、このことが契機となり、ニューヨーク駐在中に困ったことがあると親身にサポートしてくれる仲間を作ることができました。私の試行錯誤の様子を見て、上司である米国パートナーが日本での上司のパートナーと協議の上、無事アサイメントが行われ、現地チームと一緒に継続的に業務を担当することができました。
赴任当初、困難な状況であっても、その時点でできることを真剣に模索し、現地での良好な人間関係を日々構築していったことが、結果として、実際の仕事を一緒にする段階になって、急速にポジティブに仕事が動き始めたのだと思います。おかげ様で、当初予定の任期である1.5年間から現地要請により3年間に延長することができました。今では、当時の現地の仲間はそれぞれパートナーに昇格し、海外で再会するとき、当時のやりとりを懐かしく思い出しています。また、私は、上記のような上司や現地同僚からの配慮やサポートを一生忘れることなく、後進のメンバーに対して最大限のサポートをすることにより、少しでも恩返しできればと思っています。

何とかする覚悟があれば

今、深刻な悩みはありません。いずれも解決できると信じているから。何とかする覚悟を持っているから。引き出しの多さもあるし、これまで自分だけではどうにもならないことも、ちゃんと乗り越えられてきたので。常に明るく、仲間を信じて、冷静に誠実に対処する。そんな根拠のない自信や覚悟だけはできていると思います。今、特に重視していることは、大事な局面で常に的確な判断ができるように、心身ともに健康で、自分がどのような環境であるのか、客観視できるようなバランス感覚や感度を高く保つことです。週末は思いっきり家族と森を駆け回り温泉に浸かる。平日は、早朝か夜、時間を見つけて、事務所の近くのスポーツクラブで水泳をして、体調を整える。いい仕事のためには、そういう時間が欠かせないと思っています。

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