乾隆一(いぬいりゅういち) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社ブイキューブ

経営企画本部

経営企画本部長

乾 隆一 いぬい りゅういち

東京実務補習所副委員長も勤めた学者肌の会計士 。CFOの仕事で大切なのは人とのつながり
革命家タイプ
革命家タイプ

1975年7月15日生まれ(48歳)
東京都出身 ・ 東京都在住
慶應義塾大学大学院 商学研究科 修士課程修了

7人生の目的と公認会計士という資格

人生の目的と言われると難しいのですが(笑)。ただ、これは池波正太郎氏の歴史小説に書かれていた死生観なのですが、人は生まれたからには死に向かって進んでいると思っています。そして、死の瞬間に悔いのない人生にしたいと思っています。

会計士になってまもなく20年経ちます。人生のほぼ半分を会計士と呼ばれて生きてきました。今後も人生の大半を会計士として過ごすことになるでしょう。そのため、“死の瞬間に悔いがない”ということは、“会計士で良かった”と思うことと同義ではないかと思っています。会計士という道に進んだことで多くの友人達と出会うことができました。そのことでより豊かな人生を歩めていると思っています。人生の目的ではないですが、会計士という資格をとったことで人生をより楽しめていると思っていますし、今後もそのように過ごせるよう、一会計士として研鑽していかなければと思っています。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

これから成し遂げたい事や将来の夢というのは、現時点では特にありません。

ただ、3年前に長女そして去年は男女の双子に恵まれて5人家族となった現在、仕事の時間だけでなく家族との時間も大切にしようと心がけています。子どもが大きくなれば、家族との時間も減っていくと思っています。子どもが手を離れた時に、そこから先の夢や成し遂げたい事を明確に持てるように、今は体力や健康を維持することや、新しいことを経験し続けて自分自身を成長させられれば良いと思っています。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

何を目指すにせよ、興味があるキャリアがあればキャリアを歩んでいる人の話を直接聞きに行くのがベストだと思っています。それもOBよりは現役の人に会って、ナマの業界の声を聞きに行くのが良いと思っています。知り合いがいなければ、紹介してほしいと知人に声をかけて、つながりができるまで諦めないことが大切です。最初に話を聞くときは、1対1でも良いし、セミナーなど集会で話を聞いても良いと思います。

そもそも、どのキャリアを目指していいか分からないのであれば、セミナーさまざまなキャリアの人たちの話を聞く機会を見つけて、何に興味があるのか自分の心に問いかけるのも良いと思います。そして目指すものが定まってきたら、そのキャリアの人と1対1で話を聞いてみる。2回でも3回でも、1年でも2年でも納得いくまでじっくりと話を聞いてみるようにすると良いと思います。

自分も海外にMBAを学びに行くか迷ったとき、監査法人の先輩から、当時ロンドン大学のMBAスクールに通っていた同期の会計士の方を紹介してもらいました。日本に帰国するタイミングを見計らって、1年間で数か月おきに4回ほど話を聞かせてもらいましたが、とても参考になりました(結果、海外MBAには行かずに母校の大学院で会計学を学び直したのですが)。私としては次の約束をしていたつもりだったのですが、その方は、帰ってくるたびに呼び出すなんて変な後輩だと思っていたそうです。当時は話を聞くのに必死でそんな風に思われていたことに気付きもしませんでしたが、最近また話すようになって当時そう思っていたのだと教えてもらいました(笑)。

人の経験談を聞きたいけど自分から提供するものがないので、遠慮して声を掛けられない人もいると思います。また会計士はのんびりとした性格の人が多いので、そのうちチャンスが来ると思って待っている人もいるかもしれません。でも悩んでいるなら、手でも足でも口でもアクションを起こさないといけないと思います。起こせないなら、それはキャリアを模索しようという気持ちがまだ本心じゃないのです。本当に悩んで切羽詰まって、冷や汗かいて、追い詰められたら、逃げ出したくて動きたくなる。でも、できればそうなる前にキャリアは模索しておきたいですね。模索しておけば早く実現できますから。

監査法人からの転職のアクションを起こすタイミングは、いつでも良いと思います。修了考査が終わった頃やインチャージ(主任)を数年経験した後に転職する人が多いですが、これは会計士という資格制度の構造上の話しで、修了考査やインチャージ経験がジョブチェンジを考える一つのタイミングになっているにすぎないと思っています。仮にパートナーになれずに定年退職することになっても、会計が好きで監査が好きなら何年でも監査法人にいれば良いのであって、転職の時期は人それぞれだし、適齢期というものはないと思っています。

パートナーになって数年で、「俺向いてないから」と言って監査法人をやめてしまった先輩がいます。アムステルダムでの駐在から帰ってきて数年でパートナーになったにも関わらず、40歳前後であっさり辞めてしまったのですが、辞めた理由が分かりませんでした。当時は「オランダでは仕事時間が短かったから、日本に帰ってきてからの激務に嫌気がさしてしまって辞めてしまったのでは」と思いましたが、はたしてそれだけで退所まで決断するだろうかという疑問もありました。

でも、周りの人から見ればもったいないと思うようなこの出来事も、その先輩にとってはアクションを起こすタイミングだったのだろうと思います。何か目指したいものが見つかって本気で悩めば、アクションを起こしたくなる。そのときが転職あるいは独立のタイミングになるという良い見本だと思っています。

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