乾隆一(いぬいりゅういち) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社ブイキューブ

経営企画本部

経営企画本部長

乾 隆一 いぬい りゅういち

東京実務補習所副委員長も勤めた学者肌の会計士 。CFOの仕事で大切なのは人とのつながり
革命家タイプ
革命家タイプ

1975年7月15日生まれ(48歳)
東京都出身 ・ 東京都在住
慶應義塾大学大学院 商学研究科 修士課程修了

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

何でも聞ける友人を多く持っていることが自分の強みだと思っています。気軽に聞ける先輩・後輩・友人・家族が周りにいてくれることで、自分の知識と経験だけでは解決できないような課題や問題であっても取り組んで乗り越えていくことができ、その経験が自分をさらに次のステップに高めてくれます。

現在勤務しているブイキューブは、私が入社した2013年10月から今までの約4年半で、マザーズ上場、東証1部上場、構造改革による大幅な特別損失計上という大きな変化が相次いで起こり、ジェットコースターのような動きをしてきました。当然、そのような動きに対応して、いままでやっていたやり方を変えたり、あるいはやったことがない管理手法を導入したり、今までは気づきもしなかったような視点からの分析をしてみたりしています。少し大げさに言えば、数日前まで私にとって常識だったことを覆していく日々です。このように変革・改革・改善が必要な状況では、いままでの自分の経験や見識だけではなかなか対処しきれません。

そこで、具体的な会社の状況までは説明できないものの、他社ではどのような取り組みや管理手法を用いたり分析をしたりしているのかについて友人達から教えてもらい、会社に貢献することができています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

心が大きく動いたというか、ショックを受けたことならあります。

小学校から中学・高校、そして大学や会計受験生時代と色々なバックグランドを持った人々と出会ってきました。ところが監査法人に入ると、当然のことながら先輩も同期も会計士で優秀な人ばかり。社会人経験がある同期も多くいたので、社会人1日目にして「私なんて同期の中でも下から数えた方が早いのだろう」と感じました。正直、かなりショックでした。

また、同じ監査チームには優秀な先輩がひしめきあっていて、さらに超優秀な先輩もいたりするわけで、監査法人に入ってからショック続きでしたね(笑)。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

監査チームで一緒になった方で、私よりも1年先に監査法人に入っていた榎本征範さんという超優秀な先輩がいました。今は新日本有限責任監査法人の品質管理本部でパートナーをされています。榎本さんのすごいところは、私と1年しか年次が違わないはずなのにもっと上の年次の先輩たちと何ら遜色なく仕事をしていて、しかも何でも知っていて考察が深いのです。こちらが3手先まで検討している間に、少なくとも10手先まで進んでいるような桁違いの感じでした。榎本さんと私には圧倒的な差があり、経験という言葉で片づけらなないものだし、真似したところで簡単に身につけられない何かがありました。子どもの頃からの習慣の違いというか、私が今から努力しても追いつくことはできない何か。監査法人ではこういう人がパートナーになっていくのだと思いました。榎本さんを知ってしまった私は、1年目(J1)ながら監査法人での自分の将来を案じるようになりました。

それでも2年目(J2)になれば私も榎本さんレベルになれるかもしれないと、微かな希望を持っていました。ところが、自分がJ2になってJ1から質問されたときに、自分は榎本さんとは違うと気づいてしまいました。J2になっても榎本さんのような深い考察ができるようにならず、ざわざわした不安が胸に広がりました。榎本さんの同期には松浦さんという同じくらいすごい先輩もいて、そんな先輩たちと比べられて監査の知識や経験で監査法人に残っていくことは自分には無理だし、特徴を生かして出世することも難しいということに気づきました。

その不安に突き動かされるように、つてを頼りながら監査法人退職後のキャリアについて監査法人OBの人たちに相談しに行きました。いまから考えても、かなり危機感を感じたのだと思います。しかし自分の場合は心が動かされて、2年目から監査法人以外の会計士の道を知るべく行動を起こしたからこそ、今につながる会計士としての道を進めることができたのだと思っています。

海外にMBA留学して帰国したばかりの先輩、官庁や証券業協会に出向した先輩、独立した先輩、事業会社や金融機関に転職した先輩などいろんな先輩会計士に会いました。中には、監査法人で体を壊して退所したあと、100円ショップや居酒屋をやっている会計士の方もいました。そのような出会いの中で、会計士という資格があるからといって監査している人ばかりではないということを知りました。資格は苗字と同じで自分を特徴づけるものの1つであって、「資格があるからといって監査という特定の仕事に縛られる必要はない」と積極的に感じることができました。これが公認会計士という仕事に関連して、監査について深く悩んで、そして乗り越えたエピソードです。

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