菅野智洋(すげのともひろ) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

マナボックス ベトナム

代表取締役

菅野 智洋 すげの ともひろ

後悔しないように「好き」を軸にする
アーティストタイプ
アーティストタイプ

1979年6月22日生まれ(44歳)
福島県出身 ・ ハノイ在住
立正大学英米文学科

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

 私の強みは①「成長マインドセット」②「グローバル言語の会計力を活かしたコミュケーション」だと思います。
 まず、「成長マインドセット」についてです。私は、決して元々の能力は高くありません。むしろかなり低いと思っています。よく言えば、謙虚な姿勢とも言えますが、悪く言えば悲観的な人物かなと(笑)。これまでの人生、自分で「頭がよくて優秀だ」など思ったことはないんですね。
 その一方で、学習する意欲は年齢を重ねれば重ねるほど強くなっています。独立してからの読書量や行動が急激に増えました。会社を継続させ、成長させるために学んで実行していくしかないという追い込まれた状況も要因になっているでしょう。ただ、単純に好きなのかもっていう感覚もありますね。
 また、どんな世代にも上から目線になることはなく学ぶ姿勢が強いところも強みだと感じます。必要のないプライドは、持っていません。
 学習の例として、ベトナムでの起業をきっかけに、セールスライティングやダイレクトレスポンスマーケティングを本格的に学びました。神田昌典氏の通称ピンク本『あなたの会社が90日で儲かる!感情マーケティングでお客をつかむ』を読んだ時の衝撃は今でも覚えています。むさぼるように読み込みました。
 合計で100万円を超える自己投資もしました。この学習を通じて、文字で表現することが楽しいなと感じるようになり、ブログが習慣化しました。内向的な私に向いていたのだと思います。かれこれもう4年くらい継続しているので、ブログコンテンツの数は、1,000を超えました。習慣化しており、文章コンテンツを作る活動は日々継続しています。
 そして、もう一つは、「グローバル言語の会計力を活かしたコミュケーション」スキルです。会計は世界共通語です。会計士は会計のプロですから、この共通言語を自由自在に使いこなせるという点が強みです。これに言語も文化も異なった海外の人とどうすればうまくコミュケーションできるか?というノウハウを付け加えることにより、よりうまくいくようになりました。
 これにより、どんな国の人とでもコミュニケーションが可能となっています。実際に「会計力」を活かしたコミュニケーションによって大きなミスを事前に防止できたことも多く経験してきました。
 現在、マナボックスベトナムは設立から6年が経過しました。現在でも課題はたくさんあります。ビジョンの言語化や組織への浸透、エンパワーメントな環境作り、サービスの品質の向上や新しい商品作りなどなど。このような課題に対して「成長マインドセット」を持って、学習し、挑戦し続けることが非常に重要だと思っています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

 私のキャリアは、大きく3つのフェーズがあります。それは、①監査法人時代②インド時代、そして③ベトナムの独立時代です。どのフェーズでも、「自分がなにか貢献できている」「仕事に意味がある」という瞬間が心が大きく動いた瞬間です。これを感じることができる相手の心のある言葉が、私の心の琴線に触れました。例えば、監査法人時代では、「うちの会社のビジネスのことをとても理解していますね」と言われたことは今でも覚えています。また、腐りかけていた時「監査はお客様のためにしなきゃだめだ」と熱く教えてくれた先輩のメッセージも覚えています。
 インド時代では、「現地の経営管理を改善してくれて助かりました」とかインド人の仲間に「菅野さんと一緒に働けて本当によかった」と言われたときは感動しました。そして、ベトナムでもそれは同じです。何か大変なことをチームでやり遂げて「いつも背中を押してくれたり、励ましてくれてありがとう」と言われた時にはやっぱり生き甲斐を感じます。現在、マナボックスベトナムのメンバーの大半は、23歳くらいの若い子です。教育というとおこがましいのですが、書籍で勉強したこととや実体験で試してみて「これはよかった」という知識を毎週、英語でプレゼンしています。そんな時「いつも楽しみにしている」とか、実際にメンバーの行動が変わった時には嬉しく感じますね。
 誰かの人生を好転できるようになにか貢献できた時に、心が大きく動き、私の人生も豊かになると感じています。そのためには、私自身が、もっともっと学んで成長し、得意分野の専門知識を活かして周りの人に貢献できるようなりたいです。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

 監査法人時代に遭遇した壁・悩みは、2つです。
 1つ目は「困難なタスクに遭遇したこと」で、2つ目は「自分に価値はないのでは?」って感じたことです。端的にどう乗り越えたのかを申し上げると「向き合って乗り越える」と「環境を変える」です。
 監査法人時代には、たくさんの困難なタスクに遭遇しました。具体例をあげると、税金の4点セットには苦労しました。税率差異のプルーフテスト(法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間に生じる差異を合理的に説明すること)が完了できない時には、冷や汗をかきながら徹夜したこともあります。このような苦難については、向き合って必死に勉強し、諦めずにやり遂げるしかありません。困難に向き合った時は誰もがストレスを感じるはずで、一般的にストレスはネガティブなイメージがあるかもしれません。しかし、大きな感動や成長、幸福のために苦難に関するストレスが深く関わっています。このような困難なタスクというのは、私達の成長・幸福に必要不可欠な要素のようです。
 2つ目は、「自分は価値を提供できてない」という点です。監査法人の5年目を過ぎたあたりから感じていました。自分には価値がないと感じていたんですね。もちろん、素晴らしい環境や優秀な人からの学びにより成長できたことに感謝しています。それは絶対に否定できません。それでも、自分の価値ってもしかしてないのでは?と感じるようになった頃は、とても辛い思いをしました。正直に告白するならば、自分で必要と感じない手続きのために顧客とコミュニケーションを取らなければならない状況になったり、上司から「お前の意見なんて聞いてない。クライアントの前では黙っておけ」と言われた時は、悲しい思いをしました。それで、どう乗り越えたかを今一度考えたのですが、答えは、「逃げる」「環境を変える」だと思います。
 「逃げる」という言葉からは、ダサい、かっこ悪い、弱虫、と言ったどうしてもネガティブなイメージがあるかと思います。しかし、それは違います。「逃げて環境を変えて」新しい挑戦をするというのは、立派な克服方法です。公認会計士の資格があれば、それだけで様々な選択肢があるので、いろんなフィールドで挑戦してみることで新たな自分と出会えると思います。
 監査法人を退職し独立後の悩みはたくさんあります。共同出資者同士の意見のすれ違い、喧嘩、資金繰りの問題や現地マネジメントなどなど。多すぎてここでは全部お話しできません。
 そんなことがあったからか、脳科学的な観点での幸福について学ぶようになりました。幸福には、セロトニン的幸福(健康であること)、オキシトシン的幸福(人との繋がり、愛情)、ドーパミン的幸福(会社の成長や報酬の増加)の3つがあるという考え方ができるようです。このバランスが重要だということを学びました。セロトニン、オキシトシンやドーパミンというのは脳内物質のことです。
 例えば、3つの幸福のうち、ドーパミン的幸福だけを追い求めても本当の幸福にはなれないということです。具体的にいうと、報酬や肩書きだけにとらわれてしまうとそこだけに依存してしまい、無理して健康を壊してしまったり、良い人間関係が構築できず、その結果、不幸になってしまう可能性があります。
 そのため、幸福にはバランスが重要なんだと科学的に考えるようになりました。今現在、習慣化しているのは、運動と感謝です。運動は最強のようです。運動することによって、セロトニン、ドーパミン及びノルアドレナリンという、脳に良い物質が分泌されるからです。また、感謝することによって、オキシトシンが分泌されるようですし、ストレスにも強くなるみたいです。つまり、今は「運動」と「感謝」で困難を乗り越えています(笑)。
 これに加えて、自分のクロノタイプを学んでそれにあわせた生活をすること、そしてサウナですね。クロノタイプとは人間の睡眠のパターンのことです。すなわち、朝型・夜型人間というのは遺伝子的に決まっていて、朝型だけでなく夜型人間も一定数いるのです。どうやら私は夜型なのでそれにあわせて仕事をするようになりました。なので飲み会の回数は極端に減りました。また、サウナのメンタルへの効果も計り知れないので、実践しています。正直なところ、大抵の悩みは吹っ飛びますよ。

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