7人生の目的と公認会計士という資格
公認会計士になっていなければ、私の人生は全く別の人生になっていましたので、この資格には本当に感謝しています。エンジニア職を辞めて、全く別の進路へのキャリアチェンジをするためには難関資格への挑戦がよいのではないかと思い、難関資格の中から選んだのが公認会計士資格でした。
公認会計士資格は、チャンスを広げてくれるという点においてとても優れた資格だと思います。監査法人に入れば、すぐに上場企業の管理職レベルと仕事をする機会が得られますし、その他の職場においても資格をお持ちでない方よりも高いレベルの仕事を任せられると思います。どの資格も同じことだとは思いますが、資格を持つだけで何かを成し遂げることはできませんが、その後の人生を生き抜くための発射台にはなってくれると思います。
また、公認会計士同士のネットワークもこの資格の魅力といえると思います。会計士は、監査法人だけでなく様々なフィールドで活躍しています。私の周りにも様々な進路に進んだ友人知人がおり、皆さん大活躍されています。各々得意分野が異なりますので、私も困った時に助けてもらったり、良い刺激をいただいたりすることができ、会計士になってよかったと思います。
8これから成し遂げたい事、将来の夢
会計士になったあたりから、「豊かな人生」を送るというテーマを軸にずっと生きてきました。そのためには経済力も必要ですが、健康や家族友人等との人間関係、自由な時間の確保などをバランスよく身に着けていく必要があり、いまだに模索中です。
前職エランを離れた直後には、四国に行ってお遍路巡りをやってきました。車での移動ですが88カ所の霊場(お寺)をまわってきました。お遍路巡りをやるのは定年後のリタイア世代の方がほとんどのため、40台半ばの私がやるのは場違いな感じでしたが、道中で出会ったシニアの方との会話などからこれからの人生のヒントを色々いただきました。ある方から「ワインを学ぶと人生が豊かになる」と聞き、ワインの勉強もしました(ワインエキスパートという資格を取得)。また、昨年は、自分に決定的に欠けていた教養全般やアカデミアでの最先端の研究テーマを学ぶため、東京大学EMPという社会人向けプログラムを受講しました。
向上心を持ち続けていたいので満足はしないことにしていますが、少しずつ「豊かな人生」に近づけているのかなとも思います。将来の夢をはっきり描けてはいないのですが、自分だけではなく周囲の方を喜ばせる、幸せにするようなことができたらよいなと思っています。
9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
時代も変わってきていますし、私のキャリアは特殊ですので再現性もないと思いますが、「考え方」をお伝えすることで何かお役に立てればと思います。
キャリアを決めるのはとにかく自分
同僚(先輩や同期など)の様子を探ったり、人材紹介会社からの話を鵜呑みにしたりと主体性なくキャリアを考えている方もおられるようです。あなたのキャリア選択の失敗の責任を取ってくれる人は誰もいません。有益な情報が何もしないで届くわけもありません。もし誰かに相談するのであれば、適切な相手(ポジショントークをしない人でかつ成功している人)を選ぶ必要があります。ご自身でベストと思われる判断をし、あとはその決めたことに邁進するだけだと思います。
しっかり目の前の仕事をする、手を抜かない、焦らない
短い勤務経験なのに「今の職場で学ぶことは何もなくなった」、「今の仕事を続けることはマイナス」というようなお話をされる方がいますが、わずか数年間でそのような状況になるわけはなく、まだまだ身につけられることがあるのにそれに気づいていない残念な発言に聞こえます。しっかり仕事をしていればそこでの評価や人間関係は転職をしたとしても何かしらの形で残りますが、雑な仕事をしている人は転職をする都度、評価や人間関係がリセットされていきます(良い評判がその後も残るのが理想ですが、悪評だけが残っている方もおられます)。
プラス思考・自責思考
成功者はとにかくプラス思考です。上手くいかなくても失敗ではなく、学びと受け止めます。私も若い頃はかなりのマイナス思考派でしたが、プラス思考に切り替えてから人生がかなり好転しました。今は、思った通りにならないことがあっても、なかば強引に「きっとこれでよかったんだろう」と片づける癖がついています。また、他人のせいにすることをやめ、上手くいかないときは全て自分が悪かったと思うようにしています(上手くいったときは他人のお陰と感謝します)。
学び続ける、読書(多読)をする
会計士としての専門性を高める学習ももちろん必要ですが、私はそれ以外の学びのほうが大切なのではないかと思っています。
学ぶ方法はいろいろありますが、特に読書は有効です。どんなテーマでも、深く学びたいことがあればそのジャンルの書籍を5冊くらい一気に流し読みすると、全員が言っていること(=本質・まず外さない主張)と特定の人だけが言っていること(=各論・偏った主張)を短期間で俯瞰できます。どの時代でも引き出しが多い人、新しい知識や情報を持っている人が求められますので、学び続ける必要があります。
オリジナリティを磨く、「平均」・「平凡」・「普通」から外れる
多数の方が進む人気の進路というのがあったとしても、それが本当によいのかを考えるべきです。同じようなスキルや経験がある会計士が沢山いるとなった場合、たとえば、採用をする側の目線に立つと、そのような人材はいつでも採れる面白くない会計士ということになります。ウリになる個性や特徴をまずは一つ、その後は複数身に着けていくことを意識するとよいと思います。ユニークな人材は代わりがいませんので覚えてもらえます。私も、「高専出身(元エンジニア)」、「IPO審査する側の経験がある」、「株式上場(IPO)コンサルとしても経験実績豊富」、「CFOとしてIPOを経験(東証一部も)」、「社外役員としてIPOを経験」、「ワイン好き(エキスパート資格保有)」、「東京大学EMP修了」などの特徴?のお陰で面白い存在として見ていただけています。皆がやることが正解とは限らず、誰もやらないことをやったほうがよい時もあると思います。
最後までお読みいただきどうも有難うございました。