稲田淳(いなだじゅん) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社ブリーチ

管理部

取締役 管理部長

稲田 淳 いなだ じゅん

IPO実現に向けて推進力を発揮。業績達成責任とCFO職務を両立するバランス感覚を持つ
自由人タイプ
自由人タイプ

1982年1月18日生まれ(42歳)
埼玉県出身 ・ 神奈川県在住
早稲田大学 商学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

元々、これといった強みを持っていたわけではないが、IPOを志向するベンチャー企業に入社し、可能な限り少人数で業務を完結するという方針を掲げるCFOや取締役の下にいた経験と、私自身が自分でまずはやってみるという性格であるため、自ら課題を見つけて解決していくという実務的な部分は身に付いたと思っている。また、IPOでは全社的なプロジェクトとして推進されていくため、他部署の協力を得なければならないケースも多々あり、部門横断的にコミュニケーションをとりながら推進する方法も自分なりに見つけられたと考えている。

そのため、自分一人で完結できるものはもちろんではあるが、どんな分野であれ大抵の課題については、周囲の協力を得ながら解決していけると認識している。たとえ、違う業種に入っていったとしてもある程度はどの業務でもバリューを発揮できるのではないかと自負している。

このような考え方があるので、代表取締役とも対等に話ができている。株式会社トランザスは、オーナー会社であり、創業者である代表取締役は海外事業を推進する立場であるため、どうしても日本の状況をつぶさに観察して指示を出せないことやコンプライアンスやコーポレート・ガバナンスと相容れない指示を出すこともある。代表取締役が事業の構想や遂行の中心的役割を果たすため、やりたいことを実現するための方策を一緒に考えることや代表取締役を盛り上げることが大事ではあるが、一線を越えないことも同じくらい大事であり、超えそうな場合には職責をかけてでも止めるという判断ができている。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

IPOを仕事の中心においているため、携わった全社がIPOを実現できればいいが、当然、できた会社もあれば、残念ながら私の実力不足で上手に導くことができなかった会社もある。

IPOに向けた内部管理体制や業績管理体制の整備は、どのような会社であれ、今後の業績拡大に向けて必要な体制整備の一環であるし、業績拡大にも寄与すると認識している。しかし、バランスを上手く取りながら進めないとそれらは上手く機能しないし、ヒト・モノ・カネ・時間という限られた資源を無駄に投入していたかのような印象を後々持たれることもある。会社と一丸となってIPO支援をやってきたはずなのに、公認会計士が会社を駄目にしたというような批判をされた際には、悔しかったし、改めて勉強するきっかけをもらった。

また、私が全社的プロジェクトとして自らが主導してIPOを実現できて、経営陣、スタッフと東証の鐘を叩けた時には本当に嬉しかった。一人でやらなければならない業務もあったが、一体感を持って進めてきた業務も多く、全員で成し遂げたという達成感は大きかった。また、証券会社の中にはIPOまでたどり着くのは絶対に無理だろうと言ってきたところもあったが、その中でやり遂げることができたのは、大きな自信にもつながった。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士という資格がなかったとしても私が携わる業務や役割は遂行できるし、担えると思っている。しかし、公認会計士という資格があったからこそチャンスが多く巡ってきたのだろうし、20代のうちは公認会計士であるということに価値を見出されていたのだと思う。監査経験もろくになく、会計知識についてもブラッシュアップされていない状況でIPOの支援に入っていった当初は、何も価値を提供できていないことで深く悩み、公認会計士を名乗らない時期もあった。実際には、少ない会計知識の中でも、原則を知っていることが強みであり、その会社の会計処理や業務フローに意見を言える部分もあった。そのため、ちょっとずつ改善をしていくうちに自信を取り戻すことができたし、価値を提供できていると実感できた。

また、業績に連動する会計処理について、経営者の方針と監査法人側の考え方が異なる場合、監査法人側の考え方を推測することができるのでバランスをとることには苦労した。これまでの実績等から経営者が望ましいと思っている会計処理もある一方で、リスクを考えると別の会計処理も考えられる中でどちらを採るべきか、別の言い方をすると経営者か監査法人のどちらを説得すべきかという点である。当たり前のことかもしれないが、今では、どうしたら会社を正しく利害関係者が理解できるかという、原理原則に立ち戻って考えるようにしている。何事も原理原則に立ち戻ることで整理できることや解決できることもあり、その考え方を大事にしている。

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