朴賢大(ぼくよしはる) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

のびしろ会計事務所

所長

朴 賢大 ぼく よしはる

数値解析とITを武器に、クライアントの「お金」と「時間」の最大化を追求する、発明家タイプの会計士
事務次官タイプ
事務次官タイプ

1979年11月3日生まれ(44歳)
福岡県出身 ・ 福岡県在住
東京大学 工学部電子工学科 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私独自の強みは、公認会計士として監査法人で積んだ経験と、電子工学出身であることだと思います。
会計という“結果”の立場を理解しながら、数値解析や統計学の基礎、プログラムの初歩や情報機器の使い方をある程度理解することで、“結果”につながる過程を定量化できることが現在の仕事に生きていると思います。

キャッシュ・フロー最大化プログラムと言うと大変立派なものかのように聞こえますが、きっかけは「来年の役員報酬、いくらにしたらいいかな」というお客様からの問い合わせでした。最初の回答は、翌事業年度に限った2案の比較でした。退職金も考慮するために、翌事業年度だった計算を退職までの事業年度に伸ばし、2案じゃわからないということで、案を数千通りに増やして極大値を求められるようにし、今の形になりました。院長と奥様の役員報酬を変えれば、社会保険はこうなって、法人税はこうなって、所得税はこうなって、退職金原資はこうなって、最後に残るお金はこうなる、という理屈はわかっていますので、この理屈をプログラムで定量化していきました。

また、医院開業には立地や新患数、リピート率、単価、人員配置、診察時間など様々な成功要因があると言われていますが、その中でどの因子が最も強く利益に貢献するのかははっきりと答えられませんでしたので、多変量解析を使って定量化しました。医師も理系ですので割と受けがよく、開業を目指す先生方へのアドバイスとして利用しています。

ほかには、書類をすべて入力する会計データの作り方は手間がかかるし属人的に感じ、銀行やクレジット、レジなど、すでに存在するデータベースを効率よく加工して効率よく会計データを作ることができないかと考え、クラウド会計を積極的に使うようになりましたが、中々進みませんでした。お客様に聞いてみると、原因はパソコンに触るのが面倒というご意見でしたので、スマートフォンやスキャナーを組み合わせて使うことで、お客様がパソコンや会計ソフトに触らなくても、事務所側に必要な情報がすべて集まり、帳簿や申告を完了することができるような仕組みを作りました。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

監査法人に勤務していた頃に実際の不正事例を経験しましたが、色々と考えさせられました。不正事例が決着するまでおよそ1年かかりました。通常業務が終わった後に、不正事例の調査や審査資料の作成等進めることになり、どうしても時間がかかりました。なんで自分がこんなに大変な思いをしなければならないのかと、最初は実行者への恨み節もありましたが、審査資料を何度も作り直すうちに、この人だけの問題ではなくて許した仕組みが悪いのかもしれない、という考えに至りました。当事者は憔悴の果てに病院に通っており、周りの人間は事後対応に追われ、関わった人は誰も幸せではありませんでした。このことが、数字を作る側に行こうと思うようになったきっかけの一つかもしれません。もっと前の段階で止めることが大事なことではないのか、と考えるようになりました。

また、お客様に喜んでもらった時はとてもうれしく感じます。税務やコンサルティングサービスは需給関係が直接的で、感謝がストレートに伝わってくるという点でやりがいを感じます。前よりもお金が残るようになった。融資がついて開業できるようになった。事業の先行きが見えるようになった。去年より税金が減った。記帳作業が楽になった。やることがはっきりして気持ちが楽になった。様々な理由がありますが、自分のやったことに対して感謝されることは単純にうれしいです。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

独立を決意して監査法人を退職したときは悩みました。当時は結婚して2人目の子供が生まれたばかりでした。今でこそ、退職してからも色々な仕事があることを体験しておりますが、当時はそのような確信もなく、ただ、自分の思うことをやってみたい気持ちは抑えきれずにおりました。
収入の目途も立っていない状況でしたので、周囲には反対されました。2年間かけて結果的に税理士事務所を経ることで周囲の了承を得ることができました。

いざ独立しますと、漠然とした不安感がつきまといました。第一にお金の不安がありましたし、世の中から隔離されたような、自分が必要とされていないような不安もありました。月に1日位、先のことを考えながら堂々巡りになって夜が明けることもありました。税務顧問はお客様を問わずなるべく引き受けましたし、税務署の応援、セミナーの講師など、断った仕事は無かったと思います。とにかく余っている時間をお金に変えて、社会とのつながりを持ち続けるために、何でもやるようにしていました。不安を意識しなくて済む位にがむしゃらに努力することで開業当初の不安を乗り越えました。

『BridgeConsulting』など独立支援の窓口もありますので、周囲の理解を得るためにも、このような窓口を積極的に使って収入面の不安など解消しておくことをお勧めします。

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