関口学(せきぐちまなぶ) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社ラルク

取締役

関口 学 せきぐち まなぶ

上場企業×取引所審査×監査法人の経験の掛け合わせで強みを発揮するIPO支援のスペシャリスト

1978年2月6日生まれ(46歳)
埼玉県出身 ・ 東京都在住
青山学院大学 法学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

IPOの仕事をする上で、事業会社(上場企業)・取引所審査・監査法人の3つの経験があることは、組み合わせとしての希少性も含めて強みだと考えています。

最終的には取引所の審査をクリアすることが目的となるIPO準備において、自らに取引所審査の経験があり審査の視点や感覚が分かることは、上場準備のどのフェーズにおいても有効な強みになります。また、IPO準備の過程では主幹事証券が中心となり指導を行いますが、監査法人がカバーする領域(会計処理、開示、J-SOX等)にはあまり詳しくないことが多いです。逆に監査法人もカバー領域を外れるとそれ以外の審査項目にはそこまで詳しくないことが多いため、結果としてそれぞれが得意ではない領域が生まれやすいですが、私は常に取引所審査と監査法人の両方の視点から助言や作業ができます。さらに、事業会社の経験が長いことから支援先の事業会社の社内の感覚や事情も良く分かりますし、20代を実務家として過ごしてきたので手も動かすことへの抵抗もありません。外部専門家には事業会社の感覚が分からない方、手を動かすことを避ける方もいる印象があり、そこも強みかと思います。  

ただより基本的な強みとしては、必要な知見を短期間で身に付けることができること(そのための計画立案や継続実施、成果の実現まで含め)であると思っています。就職した時点で簿記を全く知らないところからスタートし、そこから簿記、診断士、果ては会計士まで、必要と感じた資格があれば恒常的に残業が生じる仕事をしながら、職歴の空白期間無しで取得してきました。今後も世の中は大きく変わっていき、必要とされる知見も変わっていくと思います。どういう世の中になるかは予測しきれませんが、どうなったとしてもその時に必要なものに対応できる(はず)、というのは強みかもしれません。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

現在の仕事で心が大きく動く瞬間として、分かりやすいのは「クライアントのIPO達成」だと思いますが、より日常において、クライアントの方から「ありがとう」という感謝の言葉をたくさん貰えることに心が動きます。1人で複数社を担当しているため、1日の中で色々な会社・人から感謝されることが頻繁にあります。このようなことは、会計を軸とした仕事では比較的少ないことではないかと思っています。

私の会計を中心としたキャリアは最初の会社の配属という他人の意思決定により方向付けられました。結果として会計士にまでなれたのでとても向いていたことは確かで、そのこと自体には大変感謝しているのですが、私がこれまで経験してきた経理・審査・監査といった職種は「きちんとやって当たり前」という見られ方をします。どれも大変重要な仕事なのですが、他人に直接喜ばれることが相対的に少ない仕事であることは否めません。その中で、日常レベルで他者から数多く感謝される仕事にはやりがいを感じます。

心が大きく動く瞬間のもう一つは、クライアントの重要な意思決定の場に関われることです。普段は管理系の役員や部長の方との接点が比較的多く、そこでも重要な意思決定の相談を受けることは多々ありますが、クライアントの社長と話をすることもあります。社長とのMTGは内容によっては二人だけで行うこともあり、そこでは役職員視点とは異なる経営者視点・オーナー視点での意思決定に関する相談や、利害関係があるため役職員には意見を聞けない役員人事、役職員の報酬設定といった相談、場合によっては社長自身の進退に関する相談まであります。

よく「社長は孤独だ」と言われます。私も頭では分かっていましたが、実際経営者から相談を受けることを色々経験する中で、それが実感として分かってきました。会社の方向性だけでなく、人事決定などを通じて役職員の方の個人の人生にまで影響を与えることもあり自分の言動の責任の重さを感じますが、こういった誰にも言えない悩みの相談や質問ができ、結果として良い意思決定に繋がったり良い結果が出ることがあるとすれば、私が貢献できていることとしてとても嬉しい事です。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

監査業務ができるのは監査法人だけで、監査を経験するために監査法人に行くかどうかについては悩みました。

会計士試験には取引所時代に合格したのですが、取引所の上場審査部の業務経験だけでも会計士登録は可能で、監査法人勤務はマストではない状態でした。ただ「公認会計士といえば監査業務」という一般的なイメージは私の頭の中にもありました。取引所の仕事に不満があったわけではないため、取引所を辞めて監査法人に行くか、取引所で仕事をしながら1年間悩み続け、その間、知人の多くの会計士にも話を聞きました。これだけキャリアがあるのに監査法人で一から仕事をしても意味が無い、といった意見と、会計士を名乗るのであれば監査を経験した方がよい、という意見に大きく分かれました。それだけ同じ会計士の中でも監査という仕事や監査法人での経験への評価が違うことになります。

この悩みをどう乗り越えたかと言えば、監査法人に行くことに決めたということになります。最終的には「人生は有限のため後悔を残さないようにしたい」という考えのもと、「やるかやらないか本当に迷ったことがあればやってみる」ことにしているためです。
監査法人は過去のキャリアを考慮しないことから新人扱いとなり、給与も約4割減と大幅に下がりましたし、仕事の雑用も多くなりました。最初はマインドとして厳しいこともありましたが、その経験があって今があるため、あの時の決断は良い判断だったと思っていますし、あずさにも大変感謝しています。また、当時は子供が生まれたばかりで、その直後での給与大幅減の転職は常識的に考えると家族に許容されないと思いますが、一切反対せずに応援してくれた妻にも大変感謝しています。 

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