橋本和也(はしもとかずや) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

橋本和也公認会計士事務所

代表

橋本 和也 はしもと かずや

問いで組織を動かし、挑戦に、確信を。
リーダータイプ
リーダータイプ

1982年(44歳)
群馬県出身 ・ 東京都在住
立命館大学経営学部

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

自分の強みを一つ挙げるとすれば、異なる立場の人たちの間に入り、「問い」を通じて対話を生み出すことだと思います。公認会計士として企業を外側から見る立場、アドバイザリーとして支援する立場、事業会社の中で内部監査を担う立場。それぞれを経験したことで、同じ事象でも、立つ場所によって見え方や優先順位が大きく異なることを実感してきました。
監査の世界では、正しいことを見極め、伝える力が求められます。しかし実務では、正しさだけで人や組織が動くとは限りません。相手が置かれている状況を理解し、なぜそれが重要なのかをともに考え、次の行動につながるところまで対話する。そこでは「答えを示す力」と同じくらい、「良い問いを立てる力」が重要になります。
経営、現場、監査役等、それぞれが持つ視点をつなぎながら、組織が自ら答えを見つけられる状態をつくること。これまで異なる立場を経験してきたからこそ培われた、自分らしい強みだと考えています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

仕事をしていて心が大きく動くのは、自分たちの働きかけをきっかけに、相手の表情や言葉が変わり、組織が自ら動き始める瞬間です。内部監査は、ともすると「指摘する側」と「指摘される側」という構図になりがちです。もちろん、問題を的確に捉え、改善すべき事項を明確にすることは重要です。
しかし実務を重ねる中で、私の記憶に強く残るようになったのは、指摘事項の数や内容よりも、監査をきっかけに現場との対話が深まり、「せっかくなら、この機会にここまで変えてみよう」と相手自身から前向きな言葉が生まれた場面でした。そのとき、監査の成果は報告書の中だけにあるのではない、と実感しました。
また、内部監査について講演や外部発信をする中で、「内部監査に対する見方が変わった」と言っていただくことがあります。自分が実務の中で考え、試行錯誤してきたことが、自社を越えて誰かの仕事や組織を少しでも前に進める。その感覚が、今も実務と発信の両方を続ける原動力になっています。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

内部監査に携わる中で深く悩んだのは、「正しいことを伝えること」と「組織が実際に変わること」の間には、想像以上に距離があるということでした。
公認会計士として仕事をしていると、事実を整理し、論理的に問題点を示し、妥当な結論へ導くことを大切にします。ところが実務では、どれほど論理的に正しい指摘であっても、それだけで相手が納得し、行動に移してくれるとは限りません。「これだけ明確に伝えているのに、なぜ動かないのだろう」と考えた時期もありました。
しかし、対話を重ねるうちに、相手には相手の事情や優先順位があり、監査側の論理だけで組織を動かそうとすること自体に無理があるのだと気づきました。それ以降、指摘する前に相手の話を聞き、「何が問題なのか」だけでなく、「どうすれば一緒に前へ進めるのか」を考えることを意識しています。
正しさを捨てたのではありません。正しさを、相手が受け止め、行動できる形へ翻訳する。その視点を得たことが、私にとって一つの大きな転機でした。

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