坂本大輔(さかもとだいすけ) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社農業総合研究所

経営企画室

取締役 経営企画室長

坂本 大輔 さかもと だいすけ

農業ベンチャー初の上場達成。俯瞰的な視点から農産物流通システム拡大に貢献
先生タイプ
先生タイプ

1978年5月17日生まれ(46歳)
茨城県出身 ・ 東京都在住
上智大学 経済学部経営学科 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

公認会計士を目指したのは、大学卒業後に事業会社で営業職をしているときの些細な出来事がきっかけだった。業務処理の中で無駄、あるいは簡略化できそうなものがあり、それを事務方のマネージャーに話をしてみたところ興味深く耳を傾けてくれた。一瞬だが会社の仕組みに能動的に関わったことで、“会社の中にいるのに、その会社が縛られているルールを知らずに働いていては、言われたことをただこなすだけ”になってしまうと考えるようになった。スポーツ観戦するとき、どんなにハイレベルな試合であってもルールがわからなければ楽しめないのと同じように、仕事をするのに世の中のルールがわからなければ面白くない。ルールがわかっていれば、改善提案もできるし根回しなどもしやすい。そして、より的確で効率的な仕事ができるに違いないと思った。そこで、会社を縛っているルール(=社会・経済・経営に関するルール)とは何かと考えるようになり、どうやら会計士なら体系的に学べそうだということで、勉強を始めた。会計士の仕事に興味を持ったというより、会計士の勉強をすれば少しは世の中のことがわかる人間になれるのではないか、そう思ったのが会計士への入り口だった。

このようなきっかけで会計士を目指したこともあって、会計士という資格にはこだわっていない。最近は会計士“らしい”仕事からも離れているが、会計士になることで身につく知識や考え方というのは、自分の中にしっかりと根付き自信にも繋がっている。これが最も大事なことで、これからの人生においても絶対的な基礎として自分を支えてくれるものと感じている。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

自分がやっていること、あるいは知識や経験が誰かの役に立てれば嬉しい。会計士を目指したのも、今務めている事業会社に転職したのも、そういう想いがベースにあったからだ。自分の夢のため、というより、誰かの夢の実現をサポートするため汗をかくことのほうが性に合っているようだ。

ただ、事業会社での今の立場からすれば、周りの人からサポートしたいと思ってもらえるような、会社としての夢を描いていかなければいけない。様々な情報を取り入れながら、最大限想像力を働かせて将来像を議論する作業は、責任重大だがとても楽しい。しばらくは、会社の夢が自分個人の長期的な夢・目標にリンクすることになりそうだ。

遠い目線の先に目標ができたなら、あとは粛々と仕事をするだけである。目の前のことをコツコツやる中で自然と見えてくる目標やミッションは、比較的短期的で、具体的で必要性や実現可能性が高いものばかりだ。これらをこなしていった結果として今の自分があり、将来リタイアするときに、人や社会に好影響を与える仕事ができたと振り返ることができたら幸せだ。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

監査法人から事業会社に転職したとき、知人から「よくそんな思い切ったことしたね」と驚かれたりもしたが、自分自身は周囲が思っているような心配はほとんどなかった。これは、監査法人を辞めた会計士とも話していることだが、「転職先がダメになっても、最悪食っていけるぐらいの仕事はできる。そういう意味では転職リスクはない」のである。会計士の専門分野は実に応用範囲が広く、様々な職種や立場で力を発揮することができるのだから、やりたいと思ったことはどんどんやればいい。万一失敗したって、他で必ずうまくやれる。それぐらいの資格であると思う。(ただし、だからと言って生半可な気持ちで転職しては成功しない。特にベンチャー会社に転職する際は骨を埋めるつもりで行かれたい)

こんなことを言えるのも、私の場合は監査法人で7年経験を積ませてもらったからであり、監査法人には心から感謝している。離れて改めて感じたことだが、監査法人には優秀な人材が本当に多い。クライアント先でも経営者・役職者の方々の能力の高さを痛感した。

数年前、AIに代替される職業に会計士が挙げられていたが、非専門的な雑務・作業は早々にAIに代替させ、より専門性の高い創造的な業務に集中するためAIを積極的に活用していくことは、当然の傾向である。その意味で、これから監査業務を担う会計士にとって、AIの発展は全く悲観的なものではなくむしろ歓迎すべきことであろう。創造性や協調性が求められる、より高度な監査判断の機会が増えていくことは、専門知識などのハードスキルやコミュニケーション能力、分析力などのソフトスキルの向上とともに、両スキルをまたぐ経験知のような習得も益々期待できる。

そのような環境で仕事ができるのは実に恵まれている。今監査法人に勤務されていて、法人外でやりたい仕事が明確にないのであれば、この恩恵を存分に使ったほうがいい。また、会計士を目指そうか検討されている方がいるならば、受験勉強は長丁場で、社会人であればそれなりのリスクもあるが、それを目指す価値を是非知ってもらいたい。万一合格まで辿り着けなくても、受験で学んだことは間違いなく役立つし、20代のうちならキャリア的にもリカバリーできる。会計士、おススメである。

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