7人生の目的と公認会計士という資格
私は人生の目的(≒将来の夢)として、“自分の子どもたちにより良い社会を残す”ことを掲げている。それを成し遂げるのに最も効果的かつ効率的な方法をとっていきたいと考えている。その意味では、公認会計士という資格はとても役に立っているように感じている。
理由は3つある。
一つ目は、公認会計士が現状は適材適所で活躍しきれていない状況が多いが、それを解決することで日本経済の発展に寄与することが出来、ひいては私自身の目的である“自分の子どもたちにより良い社会を残す”ことに繋がるということを認識出来たのは、まさに自分自身が公認会計士だったからだ。
二つ目は、対外的信頼性である。ビジネスをする上で、採用企業や採用企業を紹介してくれる方々(監査法人、証券会社、印刷会社、IPOコンサル、銀行など)からの信頼は非常に重要である。そんななかで、“公認会計士”という資格があるだけで信頼してもらいやすいのは肌身で感じる。
三つ目は、仲間である。公認会計士は人数が4万人に満たず少ない。また、その性質としてはとても真面目で誠実で情熱的な人が比較的多いように感じる。そのため良い活動をして共感を得られれば、その善意の輪はとても広がりやすい。弊社PCPは転職エージェント会社ではあるが、目先の利益に捉われずに長期的な視点で活動し、会計士業界を盛り上げ、そして日本経済を発展させていこうという気概をもっていることが伝わっているからこそ今回の『会計士の履歴書』も100人以上が賛同してくれたものと感じている。
以上のように、私の人生の目的を達成するのに公認会計士という資格はなくてはならないものになっている。
8これから成し遂げたい事、将来の夢
前述の⑦のとおり、人生の目的として「自分の子どもたちにより良い社会を残す」ことを掲げている。それをもっとも効果的かつ効率的に実現するために私が取り得る手段としては、“会計士が適材適所で活躍できる基盤”を構築し、それを“将来キャリアについて考えるすべての会計士に利用してもらう”ことが必要だと考えている。
まず“会計士が適材適所で活躍する基盤”については、まさにご覧いただいている『会計士の履歴書』が第一弾である。また、このサイトには大学との共同研究の末に開発した『性格診断ツール』があるのでやってみてもらいたい。この『性格診断ツール』は、ビッグファイブ理論という性格を分類する心理学のなかでも最も信頼性が高いと言われている理論に基づいており、大学准教授の監修下で開発したものである。ここで自分自身がどんな属性タイプかを認知することにより、同じタイプのロールモデルを『会計士の履歴書』内で検索できる仕組みにしているので、ぜひ有効活用してもらいたい。
『会計士の履歴書』は今後ももっと掲載者を募り、2020年12月末までに500人以上の会計士が語るようなサイトにしていきたいと考えている。また、『性格診断ツール』については実施者が増えれば増えるほどツールの精度はより精緻になるのでぜひご協力いただきたい。現状は800人程度の方々が実施いただいているが、2020年12月末までに4,000人以上になること(2020年に会計士全体で4万人になっている想定なので、全体の10%に該当)を目標としている。そして、『会計士の履歴書』および『性格診断ツール』ともに人数の増加に伴って、クロス分析を実施して広く一般にその分析結果を公表していきたいと考えている。
つぎに“将来キャリアについて考えるすべての会計士に利用してもらう”ことであるが、そのためにはこれまでの個人ベースでの草の根活動では限界があると感じている。いまこそ監査法人や公認会計士協会などとともに協力し合っていかなければならないと思っている。弊社は転職エージェントであることに違いはないが、ただそれだけで敬遠しないでほしい。今までのPCPの活動内容を見ていただいたら単なる転職エージェントでないことは分かっていただけると思う。もしこの文章を監査法人や公認会計士協会の方がご覧になっておられたら、ぜひご連絡をいただけると嬉しい。
9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
キャリアを模索する会計士の方へ:目的意識をもって毎日を送ろう
弊社では年間約1,000名の会計士の方に対して、セミナーや個別面談などでキャリア支援させていただいている。そんななかでよく感じるのが、目的意識をもって働いていない人がいかに多いかということだ。もっと言うと、会計士として将来どうしていきたいのかが明確でないために、現在の職場で目的意識を持てずに仕事をしているのである。当然、目的意識をもって働くかどうかで得られる知識や経験は大きく差が出てくる。もちろんそれは将来的な報酬にも如実に差として現れてくる。では、どんな目的意識を持てば良いのかをここでは少し具体例を挙げたいと思う。
・自分はどんな人生を送りたいのか(どんな夢を持っていて叶えたいのか)
・その送りたい人生を実現するために今の仕事はどう役立っているのか
・今の仕事は何のためにやっているのか
上記は単純ではあるが意外と難しい。ただこれらを日々意識して考えて行動するだけでも見えてくる世界は変わってくるはずだ。ぜひ実践してみていただきたい。
会計士受験生の方へ:公認会計士になってどうしたいのか?を考えてみよう
受験勉強がうまく進んでいる場合は、そのまま最短で合格出来るよう真剣に勉強を続けてほしい。一方で、受験勉強がうまく進んでいない場合は、一旦立ち止まって何のために勉強をしているのかを思い出してみてほしい。『会計士の履歴書』に掲載されている多くの会計士が語っているように、“公認会計士”という資格はツール(手段)にすぎない。つまり、受験勉強をした先に得られるのはツールにすぎず、それを使ってどういう人生を送るかは自分次第なのだ。
受験生なんだから“公認会計士”になったら何をやりたいか考えなくても良いという人もいると思うが、私はそうは思わない。むしろ、“公認会計士”というツールを使ってどういう人生を送っていきたいか、なにを実現していきたいかが明確にならずして合格してしまうのは非常に危険だと思う。想像している以上に監査法人は忙しく、立ち止まってゆっくり考えている時間はほとんどない。「公認会計士になってどういうことをしたいのか?」ぜひ自分の心に問いかけてみてほしい。