玉木諒(たまきりょう) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社SmartHR

取締役 監査等委員

玉木 諒 たまき りょう

経験と情熱が交差する挑戦と成長の会計士
チャレンジャータイプ
チャレンジャータイプ

1982年(42歳)
宮城県出身 ・ 東京都在住
京都大学文学部卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、強いて言うならばポジションや名誉にこだわりがほとんどなく、考えが柔軟であるところだと思います。私は、監査法人からコンサルやベンチャーキャピタルへの転職を経てきたため、「CFOに向けて虎視眈々とキャリアを歩んできたんですね!」と言われることもありますが、実際にはそんな考えはありませんでした。「WILL(やりたいこと)、CAN(できること)、MUST(求められること)の3つの円の重なる部分がなるべく大きくなるようにキャリアを描きましょう」と言われることがありますが、私は「CANとMUSTをいかに最大化するか」を重視してきました。自分が何をしたいかよりも、求められることに貢献しているという実感が私にとっては重要で、自分が最も価値を発揮できることであれば、どんな仕事でもやりたいと考えています。「こういう仕事じゃないと嫌だ」「自分の仕事じゃないからやりません」といった好き嫌いはなく、一般的には変わっていると思われるようなことや、リスクのある仕事にも抵抗なく取り組む柔軟性が私の最大の強みだと考えています。
私はSmartHRに入社してから6年間の大半をCFOとして仕事をしてきました。入社当初は比較的大きな資金調達の仕事があったものの、それが終わってしばらくはファイナンスのような大きな仕事が常にあるというわけではありませんでした。その後、入社当初は兼任と外部委託でやりくりしていた経理などのバックオフィス業務の内製化を進めて行く中で、会社を回していくためのマストな業務の体制を構築できるまでは、自分の専門外の領域でも積極的に巻き取っていました。例えば、新入社員向けの会社貸与の機器のセットアップやGoogleアカウントの作成などの情シス業務をやっていたのは今となっては貴重な経験でした。一通り業務の体制ができると次の課題は、例えば経理に詳しい人が1人いれば経理業務は回るのですが、その人が病気などで不在となると一気に業務が滞ってしまうため、属人化予防の観点から業務を「チーム化」することを進めました。そうなると次は各チームにリーダーが必要になるため、マネジメントする人を据えて、「マネジメントする人をマネジメントする」経験を積むことができました。
SmartHRは現在、関東だけでなく関西・東海・中四国・九州に拠点を持ち、1,000人規模の会社に成長して、会社のフェーズや認知度も大きく変わりました。個人的にはスタートアップのCFOの仕事は、過去の経験を直接活かせるのは1割くらいで、9割くらいはほぼ未経験の仕事だと感じています。過去の成功体験だけに固執せず、新しいことに柔軟に対応し、ミッションを達成するために努力する必要があります。そのためにも、公認会計士の資格は、仕事で必要な場合には出すべき一つの武器ですが、必要がない場合にはあえて出す必要のないものと考えています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

正直「この瞬間心が大きく動いた」というのはあまりありません。ですが、3.で過去に上昇気流の中で仕事をしたいと思ったことがあると述べましたが、それを日々の仕事の中で実感することはあります。例えば、私が入社した2017年末から2018年初頭にシリーズBの資金調達がありました。投資家に説明するための事業計画を経営陣で作ったのですが、この事業計画は当時の私たちにとって「これ、いけたらかなりすごいぞ」という非常にポジティブなものでした。そうなのですが、今当時の事業計画を振り返ってみると、実績はその計画を優に超えています。―自分たちが過去想像していた以上の場所に辿り着ける、日々予想外のことが起こり刺激的で、希望を持って仕事をしていける、自分の仕事を通じて新たなサービスが社会に広がっていっていることを実感できる―これがまさにスタートアップで働く醍醐味だと思います。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

「悩んでいる暇があったら自分で調べたり人に聞いたり、アクションを起こした方がよい」というタイプなので、正直なところ過去を振り返って「あの時は大変だった」という記憶がありません。たとえば3年前を振り返ると、当時は大変だと思う瞬間はあったと思うのですが、それが今までで1番大変だったかと言われると、その後にもっと大変なことがたくさんあり、振り返ると忘れてしまっている、越えなければならない壁がどんどん高くアップデートされていく、というような感覚に近しいかもしれません。
業務的に知見がないことにぶつかったら、「悩み」になる前のタイミングで、それを知っていそうな社内・社外の方々に話を聞くことが多いです。自分たちより先のフェーズの会社にいる諸先輩方や、その道の専門家の方々にお話を伺うなど、ノウハウで解決できるところはそれで済んでしまいます。
また、個人的には「自分の悩みは、他人からすると大したことではないのかもしれない」という前提で捉えている節はあります。たとえば、家に帰って家族に自分の悩みを少し抽象化・一般化させて話し、意見を聞いてみます。すると、すぐに「こうすれば解決じゃない?」と返ってきて、あっさり解決してしまうということもあります。他人事であればストレートに解決策が言えたりするものなので、自分の悩みや課題も客観的な意見をもらえるようにすることも大事だと思います。

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