赤澤栄信(あかざわひでのぶ) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

デジタルアーツ株式会社

管理部

取締役 兼 管理部長

赤澤 栄信 あかざわ ひでのぶ

ラグビー部の副将・主将経験で“リーダーシップ”の基礎を学び、事業会社の中枢で如何なく発揮するリーダータイプの会計士
革命家タイプ
革命家タイプ

1975年9月12日生まれ(48歳)
大阪府出身 ・ 千葉県在住
神戸大学 経営学部 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

実は、小学生時代はテレビゲームばかりやっていた。かなりやり込んでいたので、あまり話したこともない学友から、「クリアできないゲームがあるのだがゲームのやり方を教えてくれ」と頼まれるほどの腕前だった。幼少期は引っ越しが多かったので、ゲームを通じて友達ができる良さはあったが、このままじゃだめだと思った。

それで中学に入ったら何かしなければと考えていたところに、たまたま顧問だった先生から声をかけていただいたこともあって、中学からラグビーを始めた。中学では副主将、高校・大学・社会人では主将を務めたことで、自信が持てるようになった。リーダーシップを発揮して、組織として目的を達成する喜びを知ったからこそ持てた自信だった。チームでリーダーシップを発揮しているうちに、今度はラグビーではなくて、CFOになって社会に影響を与えたいと思うようになっていった。当時は、最高執行責任者(COO)に就任したカルロス・ゴーンが日産を再建させたことがニュースになっていて、CFOを目指したのは彼の影響が大きかった。1人入ってもどうにもならない状況だったのに、1人でやってあのV字回復ができるなんて、ただ事じゃないと思った。CFOは、顧客も従業員も幸せにすることができる仕事なのだということも、このとき知った。

CFOという目的は比較的早い段階で決まったのだが、どうすればなれるのかキャリアパスが分からず、道のりは険しかった。そういう意味では、公認会計士という資格は、CFOになるためには不可欠な要素だった。そして、学生時代はラグビー部での主将経験が自分に自信を与えてくれていたように、現在は公認会計士の資格が自信の源になっている。また会計士という資格を持つ者として、信頼される立場の人間として、曲がったことをしてはいけないと社会的責任を自覚するための拠り所にもなっている。公認会計士というバックボーンがあるからCFOになれたのであり、事業会社に入っても組織をドライブすることができるのだと実感している。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

ドラッカーの本で好きな言葉がある。「組織の中に成果は存在しない。全ての成果は組織の外にある」という言葉だ(『ドラッカー名著集1 経営者の条件』ダイヤモンド社)。夢というなら、世の中に影響を与えたくてCFOになりたいと思った学生時代から、今も気持ちは変わらない。CFOとして社会に良い影響を与えられる仕事をすることは、今でも夢で、将来もCFOという仕事を続けていきたいと思っている。

もしこの会社のCFOになっていなくて、どういう業種のCFOになりたいかと聞かれたら、CFOとしての役割が大きく果たせる業種が良いとお答えする。これが良いという特定の業種はないが、CFOとしての役割が大きく果たせる成長企業や、技術やビジネスモデルは十分に競争力があるのにも関わらず一過性の業績不振に陥っている再生中の企業等にチャレンジしたいと考えている。

いずれにせよ、現在も将来もCFOであり続けるために、ファイナンスや会計以外の知識も身に付けながら役目を果たしていきたい。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

成功と幸せの違いは何か。

実は、成功はお金や地位の問題で、幸せは心の問題なのだが、この2つを混同している人が多い。お金や地位を得ることができたら幸せになれると思い込んでいる人が多いのである。キャリアを模索するなら、自分がどういったことに幸せを感じる人間なのか知らなければならない。もし、自分のことが分からなければ、本を読んだり映画を見たりしてみると良い。心が動くきっかけとなり、敏感に自分を知ることができる方法だ。繰り返しになるが、目先の年収やポジションに目が行きがちだが、それだけで幸せになれるとは限らない。直観に従って動くことが重要だ。

仮に、何が自分の幸せなのか気付いたとしても、雑音はある。周りに説得されているうちに、自分が進もうとしている道は幸せではないのかもしれないと迷いが生じることもあるだろう。私の場合、CFOになるために会計士を目指すという理由で日本生命を辞めたのだが、そんな理由で辞める人はいなかった。「やめたら地獄に落ちる」とまで言われた。給料が良かったし日本生命に勤めていれば将来安泰だという風潮だったので、上司や仲間からの引き留めは強かった。監査法人をやめる時も引き留めがあった。でも自分の心を知っているのは自分しかいない。いったん気付いたら、雑音に惑わされてはいけない。

自分の心がどうしたいのか何が幸せなのかは、初めからは分からないかもしれない。そういうときは、目の前のことを本気でやってみることだ。自分の場合は、日本生命で死ぬほど頑張ったから、本当にCFOになりたいのだと気付くことができた。本気でやらないと、今の仕事のどこに違和感を持っているのか、本当に自分がやりたいことが何なのかは分からない。

そして、CFOになることが幸せだと気付いたとして、どういうCFOになりたいのか考えたほうがいい。今は日本の中にお金がダブついていて、ひと昔前は見向きもされなかったベンチャーも投資対象になる時代になってきている。そういったベンチャーが、資金集めのためにCFOを募集している案件がたくさんあるが、有象無象ばかりだ。若い会計士がそういったCFO案件に安易に飛びついて、会社とともに潰れてしまうという話も聞く。

CFOを目指すなら、お金や地位で転職先を選ぶのではなく、どういうCFOになりたいのかイメージに色がつくまでよく考えてから実行に移すと良いだろう。会計士として一本筋が通ったキャリアパスを築きたいのなら、まずは今の仕事に本気でぶつかってみて、そこで感じた自分の直観に従って進むべきではないだろうか。

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