齊藤公彦(さいとうきみひこ) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

南富士有限責任監査法人

代表社員

齊藤 公彦 さいとうきみひこ

クライアントニーズに応え、クライアントの成長に貢献する会計士でありたい
チームビルダータイプ
チームビルダータイプ

1978年4月15日生まれ(46歳)
東京都出身 ・ 神奈川県在住
慶應義塾大学経済学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私独自ではないかもしれないが、クライアントの様々な方々(経営者、CFO、経理部長、経理部や事業部の担当者、等々)とコミュニケーションを取り、彼らが何に困っていて何を求めているかを把握して、問題の解決へ導くことができることが私の強みであると認識している。

今現在の仕事は、過去に仕事でご一緒させていただいた方からのご依頼やご紹介を受けて受注に至ったものがほとんどである。当時ご一緒させていただいて私の強みを理解していただいている方が、自分に直面している課題の解決のために私に依頼をして、私がサービス提供し、結果として課題の解決につながっている。まさに、目の前にいるクライアントが何に困っていて何を求めているか、それを解決するためにどうすれば良いかを実践した結果であると自負している。専門家として当たり前のことだと言われるかもしれないが、特に大手監査法人に在籍して監査業務に特化してきた公認会計士の中にはこれができない方が一定数いる中で、私はトーマツ在籍時からこれを徹底してきた。このように私の強みが、最終的に今現在の仕事において、クライアントの課題解決に貢献し、クライアントから感謝を受けるに至っている。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

トーマツ在籍時に、私はあるIPO準備企業の監査業務の現場責任者を担当していた。内部管理体制は適切に構築され業績も順調に伸長しており、上場は間近に迫っていたものの、ある取引先との間で訴訟案件を抱えており、最終的にそれがネックとなり上場を果たすことはできなかった(主幹事証券会社は審査で承認したものの、ジャスダック証券取引所に上場申請した際に承認を得られなかった)。現在は、証券取引所に上場申請してそれが却下されることは珍しくないが、当時はほとんどそのような事例はなく、残念なことにその稀な事例となってしまったのだ。
その企業はその後に別の事業会社に買収され、それをきっかけに監査法人も交代することになったのだが、その当時の経理部長とはその後も個人的に飲みに行く関係となった。その元経理部長と当時の話で盛り上がった際に、「齊藤先生、当時は本当にありがとうございました。今でも感謝しています。」と言っていただいたことは、今でも鮮明に覚えている。
最終的に上場という目的を果たすことはできなかったため決して良い思い出ではないのだが、そこに至るプロセスにおいて、私は監査をしつつも最大限クライアントをサポートし、そのことをクライアントである元経理部長から最大限の評価をしていただいたのである。今まで自分がやってきたことは決して間違いではなかったのだと確信した。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

「2. 監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ」にも記載しているが、2014年~2016年にあるクライアントの監査業務において、株式上場後に数年間で気の緩みから内部統制が崩壊し、それを原因として不正が発生した事例に遭遇した。毎日夜遅くまで大変な思いをして膨大な量の不正対応手続を実施したものの、残念ながらその苦労がクライアントに伝わることはなく、むしろクライアントとの関係はどんどん険悪になっていった。一度不正が発生してしまうと、発覚したこと以外に不正は発生していないのか、そのことをどうやって確認したのか、等々を詳細に調査する必要があり、膨大な調査や資料の準備を強いられる立場としては、クライアントが監査法人へ対して嫌悪感を抱くことも理解はできる。
ただ、クライアントとコミュニケーションを取り、彼らが何に困っていて何を求めているかを把握して、問題の解決へ導くことを信条としている私としては、目の前のクライアントと険悪な関係となり、徐々に意思疎通を図ることが困難となっていったことは非常に悲しいことであった。

これは監査(金融庁の審査対象となる金商法監査や準金商法監査)の限界であると悟り、私はそこから離脱する(トーマツを退職し、監査業務への関与をやめる)ことで乗り越えた。このことがあって、現在の南富士有限責任監査法人では、金商法監査や準金商法監査は受注しない方針である。

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