万野裕人(まんのゆうと) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

万野公認会計士事務所

代表

万野 裕人 まんの ゆうと

まずは考えを行動に移す。行動の継続が習慣となり、習慣は人格を形成する。そして人格は運命となる
事務次官タイプ
事務次官タイプ

1980年7月16日生まれ(43歳)
奈良県出身 ・ 大阪府在住
京都大学 経済学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私はコンサルタントの要件として、技術・論理・情理の3要素が高い次元で調和していることが重要であると考えており、日々これらを高めるために自己研鑽を重ねています。
私がコンサルティングファームに転職して最初にぶつかった壁が、「会計バカからの脱却」でした。
中小企業の経営者と話をする時に、監査法人時代の癖で「会計的には・・・」という枕詞が口癖になっており、結局経営者の方に何ら刺さることができない状況が続いていました。
この理由は明確で、会計テーマの背景にある様々な事象を論理的に整理し、本質的な論点を押さえることなく会話に臨んでいたことと、そもそも経営者がどういう心理で、どういうバックグラウンドがある中で今私との会話をされているのか、ということに全くアンテナがたっていなかったことにあります。

コンサルファームでの経験を通じ、自身のスキルをより増幅させるのも、殺してしまうのも、その土台にある論理と情理であるということを学びました。
特に、情理という点において、唯一無二の正しい答えを追求することよりも、経営者と同じ目線に立ち、経営者の長所も短所も受け止めながら一緒に答えを探すことが大切であると考えるようになりました。

今私は中小企業の経営者の方々と一緒に仕事をしておりますが、クライアントへの価値提供のベースにはこの技術・論理・情理の調和があり、これが私自身の強みであると考えています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

仕事をしている中で私が自分の存在意義を感じることができる瞬間は、やはり私が関与することで顧客の課題解決を実現し、顧客と達成感を共有することができた時ですが、私の場合はこの最たるケースは「企業再生」です。

企業再生の仕事は企業が破綻の危機に瀕する中で、ビジネスモデル及び収益構造の再構築と資金繰り・債務バランスの安定化を通じて事業と雇用を守ることが仕事の意義であると考えています。
この局面ではまさに生きるか死ぬかの瀬戸際にある経営者とともに活路を見出していくことになりますが、無事に企業再生を果たすことができた時に、世の中の役に立っているという実感を得ることができます。
また、再生局面という経営者にとって非常に苦しい時期を伴走し、乗り越えることで経営者や社員の方々との絆が強まり、その絆は一生ものの財産になると実感しています。

社員の方、そしてその家族の方からも「万野先生がいなければ今頃私たちはこうして安心安全な生活を送れていませんでした」という言葉を頂いた時は、心の底からこの仕事を誇らしく思う気持ちで満たされました。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

あまり深く悩んだことはありませんが、敢えて挙げるならばコンサルティングファームへの転職当初に公認会計士資格者という第三者からの期待値と自分の実力とのギャップにストレスを感じる日々が続いた、ということでしょうか。
監査法人時代の周りが皆公認会計士という環境から、ノンタイトルのコンサルタントを含めて様々なバックグラウンドの専門家が混在するコンサルティングファームに転職し、タイトルは無いものの自分よりも遥かに仕事ができる方々と接することになりました。
環境の変化に刺激を受けつつも、「公認会計士という稀有な存在にも関わらずバリューを出せない」という焦りやプレッシャーの方が大きく、毎朝通勤電車の中で腹痛に襲われる時期が続きました(笑)。

私は公認会計士という資格は自分が成し遂げたいことを実現するための手段に過ぎず、公認会計士は会計や財務の専門家であるという既成概念に囚われないということが大切だと思っています。
コンサルティングファーム時代には公認会計士に限らず中小企業診断士や税理士など様々な専門家がおり、それぞれがそれぞれの得意分野を生かしながら顧客価値提供のために創意工夫し、日々チャレンジしていました。

このような環境の中で、私自身は会計士として培った財務・会計スキルを軸にしつつも、仕事の幅を広げるために、「会計×●●」という独自のポジションを確立することに注力してきました。
企業再生のシーンでは「会計×金融知識」、成長企業の中計策定シーンでは「会計×環境分析・戦略策定スキル」、管理職育成シーンでは「管理会計×人材マネジメント」など、会計と様々な経営スキルを掛け合わせることで、自分なりの独自性を打ち出してこられたのではないかと考えています。

ここに至るには日々のインプットとアウトプットを習慣化するなど、それなりの努力はしてきたのかなと思っていますが、継続する中で自然と朝の腹痛に悩むことはなくなりました(笑)。

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