礒村奈穂(いそむらなほ) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社サイバー・バズ

常勤監査役

礒村 奈穂 いそむら なほ

ゴルフのキャディーのように信頼される監査役に。従業員と対話を深め働きやすい風土づくりにも尽力
アナリストタイプ
アナリストタイプ

1986年1月8日生まれ(38歳)
宮城県出身 ・ 神奈川県在住
横浜国立大学 経営学部経営学科 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、数字で表すことができる実績で言えば、IPOの部署ではなかったにも関わらず上場を何社も経験したこと、効率化に成功し、働き方改革が叫ばれる前の労働環境が過酷な時代に、監査時間を3分の2にし、繁忙期も残業ゼロにしたことです。これはベンチャー企業でコンパクトに、ガバナンスを保つか、さまざまな事象に動じないか、また、労働時間が長いと言われる営業部署の効率化提案に役立っています。また、ソフト面で言えば、ゴールを見せて誰が何をすれば良いか、それをすると自分たちにどんなメリットがあり成長できるのか、という組み立てが得意です。ベンチャー企業は良い面もたくさんありますが、全ての制度が整っているわけではなく、大変なこともあります。そういう混沌とした状態を整理し、じゃあ私はここに向かって走れば良いのか、という筋道をつけることが強みですので、監査役というよりは半分アドバイザーのような心構えで業務を行っています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

大きな何かを成し遂げたとか、チームでやり切ったとか、そういうときにほっとすることもありましたが、日常での学びやかけられた言葉の方が大きく自分の人生に影響しているように思います。かけられた言葉や大切な教訓がたくさんあるため一部しか書けないのですが、例えば「あなたの代わりはいくらでもいるということを理解しなさい」という言葉をかけていただきました。これは、私が入社してすぐに仕事のバランスが取れなくなった際に言われたことです。一見、冷たいようですが、大量の仕事を抱えたまま倒れても迷惑がかかるだけだということを、身をもって経験し、効率化や後進の育成を徹底するようになりました。

また、「本当のリーダーとは、多くの事柄を成し遂げる人ではなく、自分をはるかに超えるような人財を残す人だ」という言葉がありますが、これを当然のことだと思えるようになったのは、最初の言葉があったからだと思っています。

「あなたはどうしたいのか?あなただからクライアントに伝えられることは何かを考えなさい」。この言葉は、先ほどの言葉とは逆になりますが、何社もの会社を抱えた状態で、効率的に品質を保ったり、人材育成をしたりということに注力していた結果、意見の調整役や現場の管理としてうまくこなすだけの状態に陥っていました。そんなときにこの言葉をかけられました。その時は戸惑いましたが、人の意見や方針に目が行って、自分自身のことは置き去りになっていたことに気付かされました。「○○すべき」が多くなりがちな仕事の中で、この言葉をかけてヒントを出してくださった上司には感謝しています。ここから自分の声も、相手の声もどちらも大切に聴くことを心がけるようになりました。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士という資格を利用するために資格を取ったにも関わらず、資格に縛られていた時期がありました。自立をして、自由に生きる選択肢を拡げるためのはずが、会計士として監査法人に勤めている間は法人の中でのキャリアのみに視野を狭めてしまっていました。結婚や出産のタイミングももちろんですが、気付かないうちに小さな行動一つにも自分で制限を設けていました。乗り越えたきっかけは、出産をきっかけに目の前のことから距離を置き、俯瞰したことです。出産直前に挨拶をしたパートナーの方から、「この機会に社外のことをもっと学んでは?」とアドバイスを受け、講座を受講したり、育休後のキャリアが不安でセミナーやイベントに参加したりしました。

実際にキャリアカウンセリングやコーチングも受け、セミナーなどで登壇された方や参加された方との意見交換を繰り返しているうちに、自分の視野が狭かったことや、世界はこんなに広いのだ、ということを実感しました。監査法人で様々な経験ができた私は恵まれている、持っているものは当たり前に思い、ないものねだりで不満を持っていたけれど、有難いことなのだ、ということを綺麗ごとでなく理解できたことも大きかったです。それがきっかけとなり、フラットな状態で自分のキャリアを見つめなおし、私がもがきながら歩んできた監査法人での経験は、会計の知識だけではなく、しっかりとした路として後ろにできていていたこと、そしてこれからの路も自分で自由につくって歩んでいくのだと、気持ちの上で乗り越えられました。

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