畔上裕一郎(あぜがみゆういちろう) | ページ 3 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介
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株式会社エコリング

経理部

経理部長

畔上 裕一郎 あぜがみ ゆういちろう

映画制作会社出身の個性的なバックグラウンドを持つ。自分にしかできない付加価値を提供
起業家タイプ
起業家タイプ

1986年3月4日生まれ(38歳)
長崎県出身 ・ 東京都在住
北海道大学 法学部 卒業

7人生の目的と公認会計士という資格

私の人生の目的は「地方(できれば地元)で気の合う仲間と楽しく仕事をして、家族を大切にし、今際の際にはたくさんの人が集まってくれるような人生を送りたい」である。例えるならばサマーウォーズ(映画)の栄おばあちゃんが目標(笑)。この目的・目標を達成するためのアプローチとして、例えば私は地元での起業もしくは起業をサポートできるコンサルティング兼会計事務所の設立を考えている。この計画を実現するに際して、公認会計士という資格はとても役に立つと私は確信している。

最初の会社を辞めた後、私は実家の栃木に帰った。もともと地域活性につながる仕事がしたいと思っていたこともあり、時間もあったので日中は町議会を傍聴しにいった。色々な議論が行われていたが、そこで私が得た結論は、“詰まるところ町にお金がないから活性化が上手く進んでいない”というものであった。また、地域の人々の話を聞く機会も多くあったが「就職先が見つからない」、「将来が不安」というような内容が多かった。傍から見ると無職の男がプラプラしているだけのように映っていたかもしれないが、この経験で私の考えは大きく変わった。

当時の私の地域活性のイメージは「地域が盛り上がるお祭りをやる」、「地域で映画を作る」といった華やかなことをやることであった。しかし、議会の傍聴や地域の人々の声を聞いて「まず取り組むべきは経済的な安定する基盤を作ることだ」というふうに意見が変わったのだ。経済的な不安を抱えた状態での地域活性などありえないし、楽しく仕事が出来るわけがない。これを解決するには、みんなが安心して働ける会社を私が作るか、組織に依存しなくても自分でお金を稼げるような環境を整えるかのどっちかであるなと私は考えたのだ。

みんなが楽しく稼げる環境が出来れば、町にも税金がたくさん入るので、経済的な安定性もより加速すると考える。そうなればきっとみんなの顔が自然と笑顔になり、理想の地域活性ができるのではという仮説を立てたのだ。会社を作るにしても、コンサルをやるにしても、公認会計士としての経験は大いに役に立つはずである。今私が勤めているエコリングも姫路を本社に持つ企業であり、地方に拠点を持つ企業という観点で色々と学びが多い環境である。

地域の仲間と協力しながらみんなで楽しくお金を稼ぐ、仕事の後はみんなで集まっておいしいお酒を飲む、オフの時は家族とゆったりした時間を過ごす、誰かにおめでたいことがあったらみんなで祝う、子育ては地域ぐるみでみんなでやる、困ったときはみんなで助け合って、うれしい時はみんなで喜びを分かち合う、こんな生活が私の理想である。

8これから成し遂げたい事、将来の夢

先ほど将来成し遂げたいこととして“起業”・“事務所の設立”と書いたが、他にも“教師”・“地方議員”という仕事も経験しようと思っている。“教師”になって実現したいのは、簿記の知識をもっと広めること。“地方議員”になって実現したいことは町の財政基盤の強化である。

私が公認会計士の勉強を始めたのは23歳の時であり、簿記を学んだのもこの時が初めてであるが、私は簿記の勉強をしていて「なぜもっと早くにこの知識を勉強しておかなかったのか」ということをすごく感じたのだ。それは、簿記の仕組みや考え方というのは、すごく洗練されたものであり、その知識は社会人として働く上でとても有用な知識であると感じたからだ。

だからこそ私は教師となって学生に対して簿記を教えたいと思っている。今でも商業高校なんかでは簿記を教えているが、私としてはもっと踏み込んだ本気の簿記を高校で教えたいと思っている。卒業までにとりあえず簿記2級を取るとかではなく、クラス全員が簿記1級を目指すようなクラスを作ってみたい。そして得意な人は簿記1級に留まらず、在学中に公認会計士試験を合格するような高校を作ってみたい(実際に高校生での公認会計士合格者が出ているため環境さえあれば不可能ではないはずである)。

机の上で勉強するだけではつまらないので、勉強して身につけた簿記の知識を使って、文化祭の出店で大きく稼ぐにはどのようにしたらいいかをクラスみんなで討論しても面白い。もしくはクラスみんなで株式会社を作って授業と並行して商売をしても面白い。上手くたくさん稼げた学年はそのお金で修学旅行を豪華にしてもよいと思う。それを見た後輩たちが俺らはもっと稼ぐぞとさらに頑張る。そんな高校生が世の中にたくさん出てきたら世の中はきっともっと面白くなるのではないだろうか。そしてそんな教え子の何人かが卒業して数年後、私に連絡をしてくるのである「畔上先生、僕たちが作った会社最近大きくなってきたので是非監査役をやってくれませんか?」と。よく教師の人が、教え子が20歳になったら一緒にお酒を飲みたいということを言ったりするが、教え子と一緒に会社を経営して世の中を良くしていけたらこんなに楽しい教師人生はないと思う。

後半は少し妄想が入っているが(笑)、この段階まで来たら是非“地方議員”をやってみたい。地方議員になることをゴールとするならば、今でも本気で頑張ればなれないことはないと思っている。しかし、今の私が議員になってもやりたいことを実現することが難しいのではと考えている。仕事もそうであるが何をやるにも一人の力では大したことは出来ない。みんなが協力しあうから大きなことが出来るのである。起業(又は事務所設立)、教師というキャリアによってたくさんの仲間を作り、満を持して地方議員になる予定である。やりたいことがてんこ盛りであるが、人生100歳時代、やりたいことは年齢に関係なく挑戦していくつもりである。

9キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

“そっちの方がいい人生”をモットーにとにかく行動すること!

“そっちの方がいい人生”というのは佐藤尚之さん(通称さとなおさん)という方のブログ記事の言葉で私のすごく好きな言葉である(『www.さとなお.com』http://www.satonao.com/archives/2011/02/post_3119.html)。公認会計士試験に落ちたとか、監査法人の面接で落ちたとか、その瞬間は人生の大きな節目のように感じるが、それ自体は自分の人生がいいものになるかどうかとは全く別問題であると私は考えている。それにも関わらず、試験の結果や面接の結果について重く考えすぎる人が多いのではと感じることがある。もちろん試験にしても、面接にしても最大限の努力をして臨むべきだし、その努力が報われたらやはり嬉しい。しかし、最大限努力をして結果が出なかったのであればそれは仕方のないことであって、それ以上でもそれ以下でもない。

私は短答式試験に合計4回落ちている。落ちている期間は辛かったし、早く受かりたいと思っていた。しかし、今振り返ると4回落ちてよかったなと思っている。なぜならば私は監査法人の同期に非常に恵まれたと思っているからだ。これは結果論であるが、私がこの同期と同期になるには、私は4回短答式を落ちる必要があったのだ。もう少し早く受かっていたら今の同期は後輩になっているはずである。先輩後輩という人間関係と同期とはまったく違う人間関係だと思うので、私は今のメンバーと同期になれて本当に良かったと感じている。

就職についても、実は私は最初の職場は会社都合で退社している。いわゆるクビである。その宣告を受けた日が私の誕生日だったので当時のことは今でも鮮明に覚えている(笑)。その瞬間はとてもつらかったし、もう人生終わったと思った。しかし、そこでクビになったからこそ今私は公認会計士なれたわけである。おそらくあのまま映画の仕事を続けていたら年収は今よりだいぶ低かったであろう(笑)。

私たちは神様ではないのだから、試験の合否や就職の成否が人生にどう影響するかはその時には分からない。試験に合格することや希望の監査法人に内定がでることが、必ずその人のいい人生に繋がるとは言い切れない。場合によっては不合格の方がいい人生になる場合もある。それであれば、結果についてあれこれ考えるよりも、結果は結果として受け止めて素早く行動した方がよっぽど有意義である。監査法人就職時にどこの監査法人にするか悩む人も多いと思うが、私としてはどこがいいかなんてその時には分からないのだから直観でさっさと決めてしまうのが一番よいと思う。内定が出たあとにどっちにしようか時間をかけて迷っている試験合格者と、内定が出た瞬間に内定承諾を出して、他の試験合格者が悩んでいる間に監査法人のパートナーとコミュニケーションを取り、熱意を伝えている試験合格者であれば、どちらが監査法人に大切にされるかは明らかであると思う。

公認会計士試験でも、考えて分からない問題は飛ばすのが正解だが、人生の決断においても考えても分からないものは直観で決めてよいと思う。悩んで決断を遅らせるよりも、早く決断し、下した決断が結果的に良かったねと思えるように最大限行動する方が、結果自分の人生がいい方向に向かう可能性は高いからである。この文章を読んでいる人は公認会計士、公認会計士試験合格者、公認会計士試験受験生、公認会計士試験を諦めた人等、色々な人がいると思うが、きっとほとんどの人が何かしら会計に関わる仕事をするのであろう。同じ会計人として共にいい人生を歩んでいきましょう。

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