匿名 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

某証券株式会社

企業公開部

シニアコンサルタント

匿名

証券会社でベンチャー企業向けの上場支援業務に従事。高い環境適応力で成果を上げる

1982年9月14日生まれ(42歳)
千葉県出身 ・ 千葉県在住
慶應義塾大学 経済学部 卒業

1キャリアサマリー
2005年に大学卒業後の短答式試験であっけなく不合格となり、1年間の浪人生を経験。
2006年8月の論文式試験では租税法でありえないミスを犯し、不合格を確信していたものの、なぜか合格してしまう。試験後真面目に就職活動もしていなかったことから予備校時代の友人に誘われるがままPwCあらた監査法人入社。同監査法人の第3金融部に所属し、監査業務に従事。
2014年からはデロイトトーマツコンサルティング合同会社(以下DTC)に入社。Post M&Aユニットに所属し、大手製造企業子会社の売却取引等のM&Aを支援。
2016年 岡三証券株式会社に入社。企業公開部に所属し、未上場企業向けの上場支援活動に従事している。
2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

2006年の公認会計士試験合格後に、あらた監査法人に入社、当時は部署希望も聞かれず、金融部に所属。当時は中長期のキャリアプランは全くなく取り敢えず、会計士受験浪人生活が終わり収入も良かったので特に何も考えず従事。
仕事内容は証券投資信託、J-REIT、特定目的会社の法定監査に従事。通常の監査は1企業当たり数か月かけて実施するものだが、証券投資信託の監査は30分で1本監査手続きが完結するという普通の会計士は経験しない奇妙な業務である。一方で普通の会計士が経験するj-sox対応、四半期レビュー対応は経験しないという、今考えても将来先細りな業務選択をしていた。

その後、リーマンショックにより大幅な監査報酬の減額請求をクライアントからされたり、監査業務が海外ファームに外注されたり、会計士資格を保有していないアシスタントが一部業務を行うようになったりした。定型業務を行っていては将来ジリ貧になることが容易に想像でき、より付加価値の高い業務を提供する人材にならないと将来厳しいなと感じ、転職を決意。特に監査法人に勤務していて同僚と比較すると、自分自身に会計士としての適性があるとは思えなかったので、会計士のいない、もしくは、少ない業界や企業を選択した方がキャリア選択上優位になると思い会計士が少ないDTCに転職した。

DTCでは“選択と集中”を行いたい企業への経営コンサルティングとしてM&Aに関する知見、支援を提供するPost M&A部門に所属し、主に大手製造企業のノンコア事業子会社の売却取引に従事した。単純なM&Aディールに関するファイナンシャルアドバイザーではなく、ノンコア事業子会社の売却取引に向けた準備、M&Aディール、統合手続きを一気通貫で対応を行っていた。プロジェクトメンバーには会計士が自分ひとりのみであったため、売却に伴う会計、税務的影響や監査法人への説明など、自身の知見を活用することでプロジェクトに対して付加価値を提供していた。一方でM&Aやプロジェクト推進に関する手法を学ぶことが出来る上に他のプロジェクトからの会計的な影響や監査法人対応に関する質問を受け付けていたので部門内においても稀有なポジションを獲得することができた。
入社1週間後よりクライアントが大阪にあったことから、月曜の始発で大阪に移動し、平日はホテル暮らしを続け、金曜の終電で帰宅する状態であった。プライベートでは子供が生まれても会えないこと、午前9時半~午前3時半までの勤務スタイルに嫌気が差したことが相まって再度転職を決意した。今度は家族が傍にいる東京で、ワークライフバランスの整っている企業に従事したいと考え岡三証券に転職した。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

今現在の仕事は岡三証券の企業公開部に所属し、ベンチャー企業向けの上場支援業務に従事している。主な業務内容はメディア情報や業界関係者からのヒアリングによる有望な未上場企業の発掘、主幹事証券会社として指名されるように営業活動を行い、主幹事契約後は証券会社審査、東証審査をクリア出来る様会社内の体制整備について指導を行う。業務上指導先企業が会計士資格を保有したCFO、管理部長を欲しがれば人材紹介の手当てを行い、また監査法人に監査契約の紹介を行うこともある。営業先、支援先の管理部長、CFOは会計士資格を保有している方々も多く、ご相談を受けるケースも多い。

転職後1年目は、ベンチャー企業の発掘に係る営業活動に従事した。関係金融機関からの紹介もあるが、電話営業、飛び込み訪問も「証券会社に所属する会計士で営業やっているのは私くらいだろうな」と考えながら貴重な経験ができたと思う。監査法人やコンサルティング会社では大企業のみ支援したが営業活動により数百社のベンチャー企業と関与し、様々なビジネスモデルを拝見することが出来た。
上場準備支援は、ベンチャー企業に対して監査法人、証券代行、印刷会社、証券会社の複数のプレーヤーが関与する。大抵のベンチャー企業は成長性が著しい一方で、内部管理体制については手つかずになっていることが珍しくない。労務管理や予算管理など監査範囲以外の部分の支援が中心となる。

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