前田恭平(まえだきょうへい) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社グローバル・パートナーズ・コンサルティング

執行役員

前田 恭平 まえだ きょうへい

受け身を超えて、挑戦の伴走者へ
革命家タイプ
革命家タイプ

1986年10月31日生まれ(39歳)
北海道札幌市出身 ・ 東京都在住
中央大学商学部会計学科

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私は、現場に足を運び、対面でコミュニケーションをとることをとりわけ大切にしています。PC画面越しでは、相手が本当に納得しているのか、苛立っているのか、表情の裏にある心の動きまでは見えません。直接会えば、「この人は本当に売りたいのだな」といった本音が伝わってきます。工場の現場も同じで、どんなに配置図が立派でも、整理整頓された会社と混乱した会社の差は現場に行けば一目で分かります。だからこそ私は、北海道から東南アジアまで、必ず現地に赴き、自分の目と耳で確かめ、相手と対話を重ねています。
この姿勢はクライアントが期待する「常駐価値」としても表れます。リモート型の支援が増えるなか、顔を突き合わせ、ともに汗をかくことで醸成される安心感や、喫煙所での雑談、現場での小さなやり取りが信頼関係を深め、長期的なパートナーシップに結びつくと考えています。海外案件では、完璧な英語が話せなくても、勇気を出してぶつかれば必ず相手は心で受け止めてくれます。王道の対面コミュニケーションは時に遠回りに見えるかもしれませんが、長期的にクライアントに選ばれ続けるコンサルタントであるための基盤だと思っています。
移動の多さは体力的に楽ではありませんが、旅程そのものを楽しめる性格もあり、出張を通じて文化や人に触れることが大きなモチベーションになっています。現場で顔を合わせ、その場の空気を感じながら信頼を築いていくことこそが、AIやテクノロジーでは再現できない私の強みだと考えています。今後も双方にとって最良の着地点を見出すための伴走を続けていきたいと考えています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

コンサルタントとして最も心が震えるのは、クライアントから「ありがとう」と言われた瞬間です。その言葉が「またあなたにお願いしたい」という未来につながる信頼の証として響くとき、大きな喜びと誇りを感じます。単発のDDや内部統制整備から始まった関係が、IT導入や別のプロジェクトへと広がったとき、自分が真に価値を届けられたのだと実感しました。
一方で、依存関係に甘んじて居座り続けることが望ましいとは思いません。PMIは「うまくやれば永遠に入り込める」性質を持つ業務ですが、クライアントが自走できる体制を整えることこそがPMIの正しい成果だと私は考えます。「もう私たちでやっていけます」と自信を持って言っていただけたときの、去り際に残る達成感こそ、何物にも代えがたいこの仕事ならではのものだと思います。
特に印象深いのは、地方企業を支援した案件です。私自身が地方出身ということもあり、東京のスピード感や合理性一辺倒の文化だけでは測れない、地方独自の価値観を肌で感じてきました。地方企業では「仕事が人生のすべてではない」という空気が強く、案件に関与し始めた当初は態度がそっけなかったり、ぎくしゃくしたやり取りもありました。それでも何度も現場に通い、一緒に汗をかきながら調整を進め、最後に「ありがとう、来てくれて助かった!」と言われた瞬間の喜びは格別でした。その言葉は、単なる感謝以上に、自立に向けた一歩を一緒に築けた証だと感じたからです。
私にとっての「ありがとう」は、未来への信頼と自立を支えた証。その一言に、この仕事の価値のすべてが凝縮されているのだと思います。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

監査法人時代に最も悩んだのは、「この指摘は本当にお客さまのためになっているのだろうか」という葛藤でした。見つけた誤りを、どう改善に結びつけていくかの伝え方もあったはずですが、当時の私は職業上の責務として、誤りを伝えることに終始してしまう局面が少なくありませんでした。それが相手のためどころか、むしろモチベーションを下げてしまうのではないか、と感じることも多々ありました。また、監査はクライアントにとっても義務付けられたものであるため、得られる報酬に相手の感謝や手応えが必ずしも伴わないというもどかしさがありました。
その後、コンサルティングの世界に飛び込んだことで、大きな転機を迎えました。コンサルは監査と違って義務ではありません。価値を提供できなければ次の仕事はなく、「来なくていい」と言われればそこで終わりです。背水の陣ともいえる環境に身を置いたからこそ、「どうすれば本当に役に立てるのか」を一心に自問自答し続けるようになりました。
単に誤りを指摘するのではなく、その背景にある経営者の悩みや目指す方向性を理解し、具体的な道筋を示す。時には、外部への説明に耐えうるストーリーまで一緒に描く。そうした働きかけを通じて、初めて感謝と手応えの伴う報酬をいただけることの尊さを、全身で実感しました。
クライアントにとって、監査は「必要だから行う」仕事ですが、コンサルは「価値を感じてもらい選ばれる」仕事です。その違いを身をもって経験したことで、私は単なる指摘者から、解決への道をともに考える「伴走者」へと成長できたのだと思います。

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