桜井和哉(さくらいかずや) | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

Global Gateway Advisors Pte. Ltd.

クロスボーダーM&Aアドバイザリー部門

アシスタントマネージャー

桜井 和哉 さくらい かずや

数字で世界をつなぐ、挑戦のゲートウェイ
先生タイプ
先生タイプ

1994年5月17日生まれ(31歳)
福井県出身 ・ シンガポール在住
中央大学商学部会計学科

先生タイプの特徴
  • 内向的
  • 臨機応変型
  • 大局タイプ
  • 個人主義
  • 伝統型
  • 外向的
  • 計画管理型
  • こだわりタイプ
  • 集団主義
  • 革新型
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  • このタイプの割合
    回答者全体の
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仕事に対してまっすぐに向き合い、責任感を持って物事にあたることができる。
また周囲に対する思いやりが人一倍強いため、協調性を持って業務に取り組むことができる。
その一方で状況の変化に対して過敏に反応するところがあり、刺激に対しストレスを抱えたり不安になったりしがちである。
またルールや決まりごとを重視した行動をとることが多いが、革新的な意見や新しい考えに対しては壁を作ってしまうこともある。

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1キャリアサマリー

福井商業高校出身で、高校時代に簿記の学習に早くから触れたことをきっかけに、大学進学と同時に公認会計士を志した。数字を通じて物事を整理し、努力が成果に直結する世界に魅力を感じたことが、その原点である。
2016年度に公認会計士試験に合格し、2017年に有限責任 あずさ監査法人へ入所。当時は「就職氷河期」と呼ばれる時期はすでに終わっていたが、大手監査法人の不祥事が発覚した直後でもあり、一部で厳しい雰囲気が残っていることを肌で感じた。 国際監査事業部に所属し、金融商品取引法監査やIFRS導入支援、IPO支援、内部統制監査など幅広い業務を経験。四半期対応を含めて一通りの監査ロールを担い、上場企業のインチャージも任された。 年数を重ねるにつれて監査そのものへのモチベーションは低下していった。コロナ禍の収束を機に「リスクをとるなら若いうちに」という判断が背中を押し、海外転職を模索。縁あって2023年よりGlobal Gateway Advisors Pte. Ltd.に参画した。現在はシンガポールを拠点に、クロスボーダーM&Aを中心とした日系・現地ローカル企業向けの財務・税務デューデリジェンス、ファイナンシャルアドバイザリー、バリュエーション、業務ソーシング、契約交渉、クロージング、PMIなどを一気通貫で担っている。異なる文化や商習慣に直面し、時には二重帳簿や非公式手数料など現地特有の慣行に向き合うこともあるが、それこそが現地に身を置くからこそ味わえる醍醐味である。

2監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

有限責任 あずさ監査法人では、国際監査事業部に所属し、IFRS導入支援やIFRS適用企業に対する金融商品取引法・会社法監査、内部統制監査などに従事した。また、IPO監査業務にも関わり、上場準備企業に対して監査実務を提供する中で、監査に求められる要件や期待値への理解を深めた。 当時担当したのは、数万人規模の大企業である。表面的には整っていても内部では多様な意見が飛び交い、正論をぶつけても簡単には組織は動かない。その現実を20代前半で体験できたことは大きな財産であった。質問票が厳格に管理され、10年前のやりとりを引用して回答が返ってくるような場面もあり、机上の勉強では得られない「人を動かす力」を磨く機会となった。先輩の姿を見て学んだのは、正論を言いつつも、必要に応じて複数のルートを使って情報を取りにいく柔軟さである。この経験を通じて、ロジカルシンキングやヒアリング力を実践的に身につけた。特に「どのように質問するか」で得られる情報が変わることを体感し、傾聴力と応対力を鍛えることができた。これはまさにトライ&エラーの繰り返しであり、実務を通じて徐々に習得していったスキルである。 また、法人内のリクルート活動にも関与し、採用の難しさや人材を見極める責任の重さを実感した。面接や候補者との対話を通じて、相手の意図を引き出すための質問力や、限られた情報から適切に判断する力を磨くことができたのも、この時期の重要な学びである。 監査法人での経験は、たとえその後のキャリアを別の分野に進めたとしても決して無駄にはならない。組織を理解し、人を動かし、ロジックを組み立てて説明する力は、あらゆる場面で応用可能な普遍的スキルである。一方で、監査という職業は「誤りを見つければ見つけるほどクライアントから嫌がられる」という構造的な矛盾を抱えていた。努力がポジティブに評価されにくく、「自分は何のためにこの仕事をしているのか」という疑問を抱くようになった。そうした思いから、企業の挑戦や成長に直接関わる分野で力を発揮したいと考えるようになり、M&Aアドバイザリーへの転身を決断した。

3今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

現在はGlobal Gateway Advisors Pte. Ltd.において、シンガポールを拠点にクロスボーダーM&A案件を初期のソーシングからクロージング、PMIまで包括的に支援している。案件ごとにFA(ファイナンシャルアドバイザー)、デューデリジェンス実施者、評価担当者、PMIリードなど複数の役割を担いながら、日系企業および現地企業の双方をサポートしている。
業務の哲学として大切にしているのは「三現主義(現場・現物・現実)」である。近年、現地に人員を置かず、デスクトップで資料だけを眺めてDDレポートを作成する“なんちゃってクロスボーダー”の事例が増えている。中には担当者が現場に行ったこともなく、経営陣と一度も対話せずに数百ページのレポートを提出するケースすらある。数十億円単位の意思決定を行う買い手企業にとって、こうした形だけの支援は大きなリスクであり、クロスボーダー業務の信頼性を損なうものだ。
私はそのような手法に強い危機感を覚えており、必ず現地に足を運び、経営者や従業員と直接対話することを重視している。文化や言語、働き方の違いを肌で感じ、それを評価やレポートに落とし込むことで、クライアントの意思決定に資する本質的な情報を提供できると考えている。
さらに、報告は最終的に日本語で完結させることにこだわっている。依頼主が日本企業である以上、情報を正確かつ納得感のある形で届ける責任があるからだ。現場で得た情報を自分の目と耳で確かめ、日本語で伝える――この一貫性こそがGlobal Gateway Advisorsの強みであり、自らのプロとしての矜持でもある。
キャリアパスの観点から言えば、近年は海外でキャリアを築くことを志向する公認会計士が増えている。特に、現地に居住しながら業務に直接従事する経験は、日本国内では得難い最新の市場感覚、商習慣、言語的・文化的な理解を身につける貴重な機会である。これらは日系企業から高い信頼を得るための基盤にもなる。国内にとどまっていては触れられない知見や人脈を、現地で生活し働くことによってこそ獲得できる。これからキャリアを模索する会計士にとって、現地に根差した経験は長期的な差別化要素となり得るだろう。

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