K.K. | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

PwC税理士法人

税務レポーティング・ストラテジー(TRS)

パートナー

K.K.

人とテクノロジーを繋ぐ未来志向のプロフェッショナル
事務次官タイプ
事務次官タイプ

50代
東京都出身 ・ 東京都在住
慶應義塾大学経済学部

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私は帰国子女と言いながら、英語力はネイティブレベルではなく、税務実務にも周りに抜きんでて詳しいというわけでもないと思っていましたが、税務の知識と英語力を掛け合わせ、それを自分の強みとして生かしています。メールや書面のやり取りだけではなく、オンライン会議などを駆使しながら、日本の税務を海外のクライアントに分かりやすく伝えることはもちろん、彼らのビジネスにとって最適な税務戦略を提案する際に、税務の微妙なニュアンスの伝達も含め、クライアントの視点も取り入れながら、相互に密なコミュニケーションをとりながら物事を前進させることも、私の仕事の醍醐味です。クライアントの背景やニーズに応じて、英語で柔軟にコミュニケーションをとりながら、日本の税務のプロとして信頼を築いています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

仕事をしている中で心が大きく動いた瞬間はいくつかありますが、仕事かプライベートかを問わず、自分の中で一番心が大きく動かされたのは東日本大震災でした。

当時、夫の転勤で家族は仙台に移住しており、私自身も仙台で、フレキシブルワーキングプログラムの参加者として、当時まだ珍しいリモートワークの先駆けとなる働き方をしていました。震災の日、幸いにも息子は近所の保育園で無事でしたが、夫はたまたま被災地の沿岸部にいました。津波からは辛うじて逃れましたが、消息も行方も分からないまま5日間を過ごしたのはとても恐ろしい出来事でした。幸いにも夫は無事に生還しましたが、それが叶わなかった多くの方々のことを想い、普段の何気ない日常に感謝し、一瞬一瞬を大切にすることを忘れないようにしようと心に強く刻む出来事となりました。また、世界中の友人や同僚たちから温かい励ましメッセージが届き、動揺し傷ついた心を、そっと包み込んでもらいました。中には、当時の原発のニュースを心配して、飛行機代や宿泊場所を確保するから家族全員で国外に退避するように申し出てくれた人もいました。私たち自身もできる限りのことをしたいと考え、夫も私もそれぞれの形で被災地の復興に協力するプログラムに参加してきました。

震災の後、私は子どもたちのみらいについてよく考えるようになりました。それは、自分の子どもであろうとなかろうと、すべての子どもたちのことです。私たちは彼らにどんな明るい未来を残してあげられるのでしょうか。ロボットや人工知能に簡単に代替されない、人間としての価値をどう創造していくのでしょうか。きっとまだ明確な答えはないのですが、このことを抜きに私たちの未来は考えられないですし、プロフェッショナルの在り方も、今と未来とでは、異なるものに変わっていくのだと思います。
PwCでは、「人」がリードし「テクノロジー」が支える未来を目指し、人間主導でテクノロジーを活用しながらビジネス課題を解決するアプローチを採用してきました。税務分野でもこのアプローチを積極的に推進していくべく日々取り組んでいます。
私も税務の専門家として、「人」ならではの発想力と最新の「テクノロジー」によるイノベーションを融合させ、クライアントや社会に人間性のあるプロフェッショナルサービスを提供していきたいと考えていますが、その原動力となっているのは子どもたちへの想いです。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士だからというわけではありませんが、自身の専門家としての能力に疑問を感じ、悩んだ時期もあります。本当にこの結論で良いのだろうか、ほかの選択肢もある中でこれが最善と言い切れるのだろうか、実務上の負担を考慮すると非現実的な提言になっていないだろうか、など、考え始めると頭の中で思考が堂々巡りを始めてしまい、結果として反応が遅くなり、余計に悪循環にはまり、自己嫌悪から抜け出せず、自信を喪失し続ける日々でした。

独りで抱え込むのはよくないとわかっている一方で、当時の勤務先の所属部の人数も限られており、それぞれが非常に多忙にしていたため、他の人に意見を聞いたり相談したりすることにもためらいがあり、孤独で仕事が怖いと感じる時期がありました。しかし、最終的には勇気を出して、何らかの理由により困っている同僚を見つけてまめに相談や壁打ちをさせていただくようになりました。「1人では0.6人前の仕事しかできないけど、違う経験を持った2人で足りないところを補い合って、力を合わせて3人前の仕事をしよう」と協力できるようになると、光明が差してきて、物事が一気に好転し始めました。自分1人の知識と経験には限界がありますが、人の知識や経験と掛け合わせることで、それは足し算ではなく掛け算として、大きな価値を発揮することを身をもって体感しました。当時の私を受け止めてくれた同僚には本当に感謝しています。
2017年にPwC税理士法人に入所後は、相談できる専門家集団が周りに大勢いる環境になり、より自信を持って仕事ができるようになりました。仲間がいることの素晴らしさ、品質管理体制の充実度など、大手事務所ならではの充実した環境を活用しています。

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