堀哲也(ほりてつや) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社マネーフォワード

Group Management Solution本部

プロダクト戦略部部長

堀 哲也 ほり てつや

会計×ITで業務の幅を拡げていく会計士
チームビルダータイプ
チームビルダータイプ

1979年9月4日生まれ(44歳)
千葉県出身 ・ 埼玉県在住
早稲田大学政治経済学部卒

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

自分の強みは、会計やITのスキルではなく、①計画性、②継続性、③空気を読む力、だと思っています。

計画性
監査法人インチャージ時代から、監査の年間計画を綿密に立てて、自分や周囲のメンバーの休みをキープすることにアタマを使っていました。
監査の年間計画は事前にちゃんと考えている人が少なく、特定のヒト、時期に出張が偏ったり、直前になってリソースの取り合いが発生してしまうといったことが多いのですが、事前にしっかり計画しておいて「旅行計画を死守する」というモチベーションで調整していたと思います。
この計画能力はプライベートの旅行計画スキルにもつながっていて、割と色々な人たちを巻き込んでスキーやキャンプに行きました。
感覚的には公私ともに約半年後の生活をイメージしておいて、3ヵ月前に必要なアクション(仕事なら、アサインや開発投資意思決定、プライベートならオンライン予約や同行メンバーへの調整開始)を実施、あとは直前の状況に応じて変更などの調整をするイメージで行動しています。

継続性
「継続は力なり」だと思っています。ただ、闇雲に継続するというよりかは、①着実に積み重ねていくことで効果が出るとわかっていること、②現実的に継続可能なこと、を見極めて匍匐前進する感じです。
システム導入の仕事をしていると「X社分の設定やらないと~」とか「500科目の変換設定しないと~」というような議論が発生することが多々あります。
そのたびに「誰がやりますか~」というボールの押し付けあいが発生するのですが、正直、議論している時間のほうがもったいないので「ゴールイメージ」、「作業精度の落としどころ」の折り合いだけつけて、さっさと匍匐前進を始めてしまうことにしています。
自分で作業に没頭してしまえば、作業はいずれ終わります。
そして、こうゆう匍匐前進仕事を厭わずにやることに誠意を感じていただけることのほうが多いので、個人的にはこうゆう地道な仕事は好きな部類に入ります。
なお、科目変換の仕事が大量にある職場(連結会計システムなので)で、この匍匐前進ワークをやり続けた結果、「全世界の会計システム事情」に詳しくなり、「何語の勘定科目でも何となくわかる」ようになってきて、「科目変換はAIで相当程度大体可能」と思うようになり、クラウド連結会計にAIを搭載する発想につながっていたりします。
そして、今はプロダクトマネージャーの仕事をしていますが、この仕事の特徴に「巻き込む関係者が多い」、「各担当者に全体感を認識して貰うのが難しい」といった課題があると感じています。
そのため、毎週、今週のトピックスを継続して書き残して週次会議で共有していくようにしています。この仕事も「継続は力なり」の仕事の典型だと思っています。
この週次報告資料をあとになって見返すと「プロダクトを作るうえで、いつ、どんな作業が必要だったのか」を振り返ることができるようになっていて、作っている途中の共有効果だけでなく、後続の方々のキャッチアップ材料としても使えるようになっています。

空気を読む力
自分は会計士としてのスキル(特に監査、税務)とかでは同僚の会計士の方々には既にかなわないです。また、ITスキルにおいても高度なプログラムを書けるわけではないので、専門スキルとしては人の上に立てるようなスキルは持っていないです。
その代わり、経理担当者の課題感、経営者の期待、監査人の立ち位置、プロダクトベンダーのやりたいコト/できないコトを理解する能力に長けていると思います。その中でも特に「自分に期待されている役割」を理解する能力で仕事を任せて頂けていると思っています。
なお、会計士ながら一般事業会社のサービス提供部門で製作側の仕事にかかわっていくという、先行例の少ないキャリアを選択しているので、書籍やHP等の一般的な情報源からやるべきことを学べるという機会は少なかった印象です。
そのため、「専門知識のある人間にどういう動き方をしてもらいたいのか?」を常に確認しながら行動していて身に着いた能力なのかな、とは思っています。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

実は仕事をする前に、心が大きく動いた瞬間がありました。
大学生の頃、漠然と「英語でも勉強して国際的な仕事でもするかな」程度の適当なことしか考えておらず、その適当な心のまま1ヶ月程度のホームステイに行った時なのですが、ホストファミリーにいた高校生に「英語を勉強して、何をするの?」と聞かれた時に、何も答えられない自分に気付かされました。
この時に「伝えるべき何かをまずは身に着けないと、遊びに来ているヒトと変わらないな」という想いになり、そこから、「言語を超えてでも伝えるべき内容」を身に着けるべく、会計士の勉強を始めたという会計士生活を始める前の序章がありました。
仕事をしている中でも何回か「印象的だったな」と思える瞬間はあるのですが、「心が動いた」といえば、やはり会計士受験を始める前のホストファミリーの何気ない一言を思い出します。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

「監査の仕事の収益構造」に深く悩みました。監査の仕事はクライアントから報酬を頂くのですが、下手に頑張ってしまうと逆にお客様に嫌われるという構造的な矛盾があります。
投資家や債権者のため、という話や社会の公的な仕事としてのやりがい、という話はあると思うのですが、如何せん、報酬はクライアントから頂いています。
なので、極論をいうと、クライアントからすると「早く監査報告書下さい」というのが要望になりがちです。
マネジメントクラスになると、「内部統制の充実のためにあるべき論を言ってくれるヒト」としての理解等もあるとは思うのですが、特に現場の経理レベルの方と監査を進めている時にはこの報酬構造の問題がとても難しく感じました。

そして、自分はこの壁を「乗り越える」というよりかは、立場を変えることで解決しました。「頑張ることが直接にクライアントの利益になる仕事」にシフトしたのです。
システム開発や導入、コンサルタントの仕事であれば、「良いモノをつくり上げる」、「良いサービスを提供する」という感張りに対する報酬をクライアントに払っていただけるという構造になりますので「収益の構造に対する違和感」を感じずに働けるようなりました。

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