新井成道(あらいなるみち) | ページ 2 | 会計士の履歴書 | 活躍する会計士たちの仕事やキャリアを紹介

株式会社オトバンク

コーポレート本部

取締役CFO

新井 成道 あらい なるみち

公認会計士として磨いてきた能力と幅広い経験をベンチャー企業CFOの立場で昇華させていく
調査官タイプ
調査官タイプ

1981年10月27日生まれ(42歳)
埼玉県出身 ・ 東京都在住
中央大学 商学部 卒業

4あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

独自とまでは言えないと思いますが、公認会計士の中では幅広く業務を経験していることが強みかなと思います。一般的に公認会計士の業務領域は他の資格よりも広いといわれていると思いますが、実際に経験している人は少ないように感じます。

私の場合、監査業務、税務業務、IPO(資本政策から上場審査まで)、企業再生(私的整理・法的整理)、財務DD(中小企業から上場会社まで)、ファンド運営(ハンズオン、ファンド決算、LP対応等)、事業会社CFO(ファイナンス、管理業務等)を経験しており、公認会計士の力が発揮できる多くの業務を経験できているのではないかと思います。

また、監査業務やコンサル業務で培った経験のすべてが現在の仕事に活きていると感じています。例えば、資金調達1つにしても、エクイティファイナンスが良いのか、デットファイナンスが良いのか。エクイティファイナンスでもエンジェルが良いのか、VCが良いのか、事業会社やCVCが良いのか。VCの場合、どのタイミングで行うべきか、注意すべきポイントは何か。等をこれまでの経験からシミュレーションし、当社にとって適切と考えられる案を出すことができます。

現在の仕事がベンチャー企業のCFOなので、日々何らかの課題・問題が発生します。その時々で適切な意思決定を行うためにこれまでの経験は活きていると思います。

また、企業再生とIPOという企業のステージとしては相対する仕事の経験があるため、柔軟な考え方やストレスに対する耐性が身についたと思います。

5仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

これまで監査業務、IPO支援業務、企業再生支援業務等、色々な業務に関わり、色々な人に出会ってきましたが、「心が大きく動いた瞬間」として思い返してみると、その出来事は共通しているように思います。

それは、お客様の経営陣とお話ししたときです。自分にはない素晴らしい才能・能力を持った方が多く、その方々の話に心を揺さぶられ、感動し、時には自分自身を見つめ直すきっかけになったりと、「心が大きく動いた瞬間」に巡り合えていたと感じています。

その中でも最も印象に残っているエピソードであり、CFOを目指すきっかけとなったのは、ある上場会社のCFOと話したときでした。その方は、「CEOが語る夢や未来を1つも嘘にせず実現させてあげたい」、「各々独立した個人を自分が潤滑油になって組織化し、組織の中でさらに個々人を強くしたい」ということをおっしゃるのですが、その考え方に非常に共感しました。

私は自分が経営者に向いているタイプではないと自覚しているのですが、一方で経営者に近いポジションで経営者を支える仕事にやりがいや楽しさを感じるタイプなので、監査業務やコンサル業務よりもそれを感じられる仕事としてCFOは合っていると思います。

公認会計士の知識と経験を活かし、私の性格を考えた時に、高い目標ではありましたが、CFOを目指したいと強く思えた瞬間でした。

6公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

深く悩んだことでいうといまが一番悩んでいるかもしれません(笑)。

監査法人や会計コンサルティング会社では「会計」を軸に仕事をしてきたため、知識と経験や上司と同僚の助けにより解決できることが多かったように思います。もちろん、その時々では深く悩み、それを乗り越えるために思考を巡らせ色々なことを実行していたとは思いますが、いまの状況と比較すると大した話ではなかったと思います。

現在の悩みというか課題としては、一言でいうと、「公認会計士としてのキャリアでは経験してこなかった組織の課題について、いかに企業価値の最大化になるように解決するか」ということになります。経営上の重要な意思決定や組織全体のマネジメントに関してはまだまだ力不足であると痛感しています。

また、監査法人やコンサルティング会社から事業会社に転職すると、最初は考え方・価値観の違いや事業会社の仕組みに戸惑うのではないでしょうか。頭の中で色々シミュレーションをし、マインドセットを切り替えて転職したつもりでしたが、事業会社マインドに慣れるまでに1年近く要したように思います。

課題については現在進行形であり、この先も尽きることはないと思いますが、それを解決するために、内部の視点と外部の視点を持つように意識しています。

具体的には、まずは私自身のこれまでの経験や会社内部の情報(蓄積されたデータや役員・従業員から得た情報)に基づき、自分の中で答えを出すようにしています。ただ、この内部の視点だけで解決法を導き出した場合に陥る問題として、当社のこれまでのやり方や考え方が正しいという前提に立ってしまいやすいため、客観的に見た場合にその解決法が正しくない可能性があります。そのため、外部の視点でも検討する必要があり、いまは経験豊富な監査役や前職の先輩方や知人に相談することで解決することが増えています。

内部の視点だけでもダメで外部の視点だけでもダメ。それぞれの視点を結びつけて「企業価値の最大化にとって最良の解決法は?」という基準で判断していくことにより課題は解決されるものと考えています。

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