会計士の履歴書
湯瀬 幾磨

株式会社人材開発

代表取締役CEO

湯瀬 幾磨

ゆせ いくま

課題解決の優先順位の見極めはベンチャー企業存続にかかわる重要事項。豊富な経験でコンサルティングサービスを提供

1981年9月4日生まれ(45歳) 愛知県出身 東京都在住

早稲田大学 政治経済学部経済学科 卒業 2005年合格

湯瀬 幾磨

01

キャリアサマリー

2005

エスネットワークスに入社 CFO派遣という名目で、各業界の様々な会社にコンサルタントとして常駐しながらファイナンス・経理・経営企画等の側面から業務支援を行いました。常駐支援を基本スタイルとしていましたので、所謂コンサル業ではなく経営者(CEO・CFO)の視点から会社の意思決定に関わる環境に身を置きながら働くことができると言う貴重な経験をできました。

2014

リノベる株式会社に取締役CFOとして参画 ベンチャー企業の第二創業期にCFOとして業務に従事し、主に資金調達(借入・株式)からIPO準備を担いました。それまでのコンサルティングという軸足から完全にインサイダーとして身を置くことで、事業会社特有の組織作りの難しさや、意思決定の困難さに直面しつつも自分を大きく成長させる機会を得ることが出来たと思います。

2017

株式会社人材開発 代表取締役CEO

02

監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ

2005年公認会計士2次試験合格後のTAC主催の就職説明会で、エスネットワークスという会計コンサルティング会社の「CFO派遣」という経営理念に共感して、監査法人には行きませんでした。2次試験終了直後から、会計士という資格試験を通じて得た知識は、会計監査というフィールドだけでなく、むしろ企業経営の現場にこそ高いパフォーマンスを発揮できると感じており、そのことが最初の就職活動でコンサル会社を選択したことに繋がったと思います。この選択と、その後のコンサル業を通じて出会う顧客との課題解決のプロセスには、多種多様な課題があり、それぞれタフな環境に身を置きながら自身が「CFO」という役割を目指す思考をまとめるきっかけになりました。

具体的に申しますと、会社を取り巻く環境は様々ありまして課題も様々あります。課題の内容もさることながら、組織とこれを構成する人員の質も様々あります。「そもそもの経理の経験が不足している人」「上場企業の水準の経理実務経験と能力を保有する人」「経理実務経験はあってもマネジメント能力に欠ける人」「財務経理のスキル経験を申し分なくとも経営視点を持つことができず、他事業部との衝突をしがちな人」等と組織は様々なメンバーから構成されます。コンサルティングサービスのプロセスの過程で課題やソリューションが導き出されたとしても、課題に第一次的に直面する組織人員の問題で課題に立ち向かえないクライアントを多く見ました。社会的に求められることは実際に課題抽出の後にこれを遂行する人材の提供までを実施することが求められると実感した次第です。クライアントに「CFO」という機能を自身でCFOになることで提供したり、クライアントのCFO業務の一部を補完するサービス(人材派遣等)を提供しております。

湯瀬 幾磨さん

03

今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス

今は自身でバックオフィス全般を対象としたコンサル会社を経営してます。
これまでの経験を活かし、かつより多くの企業成長のエンジンとなれるようなCFOや財務経理のミドルマネジメント層等の経営人材を輩出できるようクライアントへ課題解決の環境提供を目指しております。当社のクライアントの多くは、ベンチャー企業であり、組織も未熟であり財務・会計・組織等の全てに課題を持っている会社が大半です。クライアントの多くはベンチャーキャピタル等のプロの投資家から最初の資金調達(シリーズA)を目指すステージです。

このステージの会社ではCFOという職種の経営人材がいないことが大半でありますが、目の前の資金調達にかかる資本政策立案やこれをベースにした投資家等との条件交渉や3年後のIPOのための課題整理を進めるにあたっての経営者関与取引の整理等のCFOが対処すべきような課題が経営課題の大きなウェイトを占め始めるタイミングです。弊社のクライアントでは、アドバイス業務やソリューションのみを提供するコンサルティング業務では、組織人員の未熟さからあまり効果を発揮することはないと考えております。

弊社では、CFO業務に係る課題抽出・ソリューション提案から実務の代行及び人材の派遣等を通じてクライアントの経営人材として立場を担うことで価値を提供してまいります。また、経営視点から課題を解決するために、事業領域や手法は問わずに、取り組むことを目指すために幅広い人材を採用教育して行きたいと考えます。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

私の強みは、必要なことから逆算して課題解決に取り組むことができることだと思います。
ベンチャー企業の経営リソースは常に限られています。人もお金も稼働出来る時間も、極めて限定されたリソースを活用していち早く安定成長期に入らないと倒産してしまいます。このステージの会社のCFOに身をおいていた経験で、「対処すべきこと」をすべきではあるが優先順位を決めるに当たって「対処した方が良い」事象も検討土台にあげてしまい課題処理の優先度を見誤るケースが多くあります。アーリーステージの会社においては、資金調達と営業キャッシュの黒字化が最優先課題ではありますが、IPOを目指すことから同時に規程やフローチャート等の内部統制対応を同時に進めてしまい本来遂行すべき目的にリソースを割けずに経営が沈んでいってしまうことがよくあります。これは、「対処した方が良い」事象も「対処すべきこと」事象と同じプライオリティで対処してしまった結果と考えます。私は、特にベンチャー企業の経営を取り巻く環境において「対処すべきこと」事象のみを抽出して、経営リソースを集中させる術に強みがあり、現在のコンサル事業においても、この強みを大事にしております。

しかし、自分が認識する「対処すべきこと」事象が必ずしもクライアントが認識するものと一致することはなく、この点のコミュニケーションの取り方は相手によって千差万別で難しさとやりがいを感じるポイントでもあります。

湯瀬 幾磨さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

コンサル時代に、とある商社で常駐しながら倒産処理をいたしました。クライントの某商社の経営幹部と毎日密なコミュニケーションを取りつつ、倒産するとしても熱意を持って仕事に取り組む人々の姿にとても感銘を受けました。仕事とは、会社を成長させることだけでなくそこで働く人々の家族や尊厳を守ることにも繋がるという実感は、20代だった私自身にはとても素晴らしい経験でした。

この経験の元になった商社の案件で商社の社長を勤めていた方は、その後に刑事事件の容疑者として逮捕されることに至るので詳細なことは記載できず残念なのですが、私自身は、この会社の社長は逮捕される直前まで、課題解決に誠実に全力で向き合う方と信じていたので、その事実を知ったときのショックは大変大きなものでした。経営とは総合格闘技のようなもので、どんな手でも利用できるものは利用するということについては否定のしようがないのですが、犯罪とされてしまうことが実は身近にあることを知った忘れられない案件でした。もちろん、自身やクラインアントにも超えてはいけない一線を持つことを強く意識づけさせられた次第です。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

公認会計士の独占業務である監査業務は実はした事がないです。一方で、経営者になるということはどういうことかについては、主に20代はずっと悩んでました。その後、30歳過ぎでベンチャー企業の取締役という役割を担った際に経営者という仕事に初めて触れていきました。わかったことは、経営には意思決定をするために考えるべき要素は常に複数存在していて、時間とともに意思決定の正解は変わるということです。この点の悩みは今もずっと考えつつ、これからも乗り越える事がない悩みとしてお付き合いすることと理解してます。

07

人生の目的と公認会計士という資格

人生や経営には、不確定要素や定性的な判断が多く存在します。これを可能な限り数字で表現し、可能な限り表現の合理性を証明しようという公認会計士という資格はとても尊いものだと思います。
 会計士が携わる機会の多い業務として予算の作成プロセスはとても「不確定要素や定性的な判断を可能な限り数字で表現」することだと思います。

あるファンドが出資した投資先で経営企画の一員として出資後の予算編成業務に従事したことがあります。ご存知の通り、予算の作成には複数の事業部や経営者からミドルマネジメントまで関わります。ある事業部の責任者は普段の経営会議では強気な発言をしていても、予算の作成においては自分の達成責任を明確にするという側面もありますので普段よりも弱気な保守的な立場に急に変わったりします。また、新しい株主であるファンドの担当者が経営会議等で経営執行側に投げかける言葉のニュアンスと、それを受ける投資先の現場サイドでは全く違うニュアンスで伝わったりします。予算の作成プロセスにおいて自分がその意見調整をしながら予算数値に落とし込みつつ、経営に携わる多くのメンバーの目線合わせに繋がりました。
予算編成に関わらず経営には一旦、「可能な限り数字で表現」することで解決できることは多くあると実感しています。
 最終的な人生の目標は、まだまだ雲の中ですが、これから先の人生やクライアントの課題解決の場でも迷った際は「可能な限り数字で表現」することで局面を打開できるとん考えております。

湯瀬 幾磨さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

コンサル業だけでなく、日頃温めている事業プランを素敵なチームメンバーと立ち上げて行きたいと思います。日本とアジアにおける労働市場にはビジネスチャンスが多くあると信じております。働く意味の変革や労働の効率性の向上と同じスピードで働く場所も大きな変遷を迎えることになると思います。まずはこれからの日本やアジア諸国の移民との向き合う過程でビジネスをしたいと準備しております。こんなビジネスプランについてお酒を飲みながらも酔いがさめても実際に共に進められるようなノリと堅実性を兼ね備えたメンバーを少しづつでも増やしながら歩んでいければと思います。

湯瀬 幾磨さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

本気で取り組んだ仕事や経験は、「心の純資産」に蓄積されて行きます。会計士試験を目指している人も既に終えた方も、きっと”心の純資産“はしっかりと蓄積されているはずです。心の純資産とは、修羅場を乗り越えた等のハードな経験・自信やこの経験を通じて得られた周りからの信頼です。目に見えないけどオーラの様なもので、見る人が見ればきっと感じることができるものです。「心の純資産」が蓄積されると相手や仲間からきっと尊敬の念を持って接してもらえるでしょう。
しっかりと自信を持って一歩を踏み出せばきっと何かワクワクする事が待っているはずです!
キャリアを模索する会計士は、経営リソースのないベンチャー企業でCFOをやってみて欲しいと思います。私はそういう方にCFOをやれる環境をセットすることが仕事と思ってます。
会計士受験生の方も合格したら周りが監査法人に就職するかもしれませんが、あえてベンチャー企業に飛び込んでみて、周りの受験生仲間とは違うキャリア形成を目指してみてもいいかもしれませんね!