会計士の履歴書
湯浅 和恵

有限責任 あずさ監査法人

金融事業部 マネジャー

湯浅 和恵

ゆあさ かずえ

自身の強みを見いだせる多様なキャリアパスがあるのも監査法人ならではの魅力

1980年代生まれ 東京都出身 東京都在住

大学卒

湯浅 和恵

01

キャリアサマリー

2005

あずさ監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)入社

本記事はすべてインタビュー当時の内容です。

所属・職位に変更があった場合でもインタビュー当時のものを記載しています。

高校時代に今後の進路について悩んでいたときに、ちょうど卒業研究で非正規社員と正規社員の現状の調査をしており、資格等の手に職をつけることの重要性を痛感しました。そのため、生涯活かせる資格を取得したいと思うようになりました。その際、公認会計士の資格を知ったのが、公認会計士を目指してみようと思ったきっかけです。大学卒業後、当時の公認会計士2次試験に合格し、あずさ監査法人に就職。入社後は、保険、アセットマネジメント、銀行等の金融機関の法定監査に従事する中で、J-SOX導入アドバイザリーや自己査定業務等の経験もしました。マネジャーに昇格後、1児を出産、約1年の育休を取得し、復帰しました。シニア(マネジャーの手前の役職)高年次の時や育休復帰後等何度か監査法人以外のキャリアについて考えたこともありましたが、監査法人という1つの会社に属していながらも、多様な会社の状況を知り深くかかわることができる監査の面白さ、法人で経験できる業務機会やキャリアの豊富さ、及び多様性を受け入れ、職場環境をより良いものにしようという積極的な法人の姿勢に魅力を感じ、現在もあずさ監査法人の一員として働いています。

02

監査法人に入社することを選択したきっかけ

試験合格後は、社会人としても1年目でしたので、まずは会計士としての基礎固めを行いたいと監査法人に入社しました。金融事業部を選択したのは、就活当時、会計士の先輩に「監査法人に入社したら全員が資格を持っており、その中で差別化を図るのは大変なことだ」と聞いており、より専門性のある金融事業部で経験を積み、少しでも自分のキャリアに色を付けたいと考えたからです。大手監査法人はいずれも大手金融機関をクライアントとしており、どこも魅力的でしたが、金融機関の中でもどの業種に携わりたいか特別な意向がなく当時は決められなかったので、入社後も様々な業種が経験でき、業種別にバランスよく大きなクライアントを持つあずさ監査法人に入社したいと思いました。
また、就職活動中に伺った法人にはそれぞれの雰囲気を感じたのですが、一番、様々なタイプの方がそれぞれ楽しそうに仕事をしており、柔軟性があり個人が伸び伸びと仕事ができるのではないかと感じたのがあずさ監査法人でした。
金融に強いことと、所属する方々の人柄が決め手となり、あずさ監査法人を選びました。

湯浅 和恵さん

03

監査法人での仕事の内容、特徴、キャリアパス

監査の仕事は、会計監査の知識に基づき業務を行うことはもちろんですが、知識以外にも、相手から情報を引き出す能力、論理的に説明し納得させる能力、それを文書にまとめ整理する能力、複数のクライアント業務を同時に管理し、チームメンバーの人員管理を行う能力等々、複合的な力が問われる仕事だと考えています。どれも完璧である必要はありませんが、どれか1つが欠けても業務が滞ってしまいますので、苦手な分野はあるものの必ず対応しなければならず、結果として苦手分野の力を身につけるきっかけとなっていると感じています。監査法人では、早い段階から主査などを任されることも多く、総合的な力をバランスよく培っていくことができると考えています。
監査業務は毎年繰り返しのように思われるかもしれませんが、監査法人に所属していると、数年で異なる業種やクライアントを担当し、チームメンバーも全く変わりますので、その時々で得られる知識や直面する課題、効果的な仕事の進め方は異なります。個人的には転職したような感覚になります。1つの会社の所属でこれほど様々な機会を得ることはなかなかありませんし、金融機関でも様々な業種の視点から理解することで、金融市場の理解が深まっていきます。また、金融市場は、マクロ経済や国際政治、技術の発展等複合的な影響を受けますし、金融機関では様々な業種の投融資に関わるため、世の中の動きについて幅広く理解を広げる必要があります。目の前の課題をひとつずつクリアしていくことが、結果的に自身の成長につながると考えています。
また、監査法人には、多様なキャリアの機会があります。監査の他にも、会計監査で得た知識をアドバイザリー業務に活かしたり、海外駐在や当局、金融機関への出向で外部の経験を積み、専門家としてのキャリアを拡げたり、本部経験やASBJ、会計士協会の各種委員会へ所属してその道の第一人者としてより高度な会計監査の知識を習得したりする方が多くいます。自身の強みを見いだせる多様なキャリアパスがあるのも、監査法人ならではの魅力だと思います。

監査を行うには、会計監査の知識だけでなく、携わる業種の理解やマーケット環境の把握、クライアントのガバナンスや経営戦略を含む会社の幅広い理解が求められます。監査法人という1つの会社に属しながら、様々な一流企業の状況を深く見ることができるのも、監査法人でなければ得られない貴重な経験です。
また、監査法人は、先述した先輩の言葉通り、一緒に業務する方の多くがプロフェッショナルです。それぞれが様々な分野の能力に秀でていて勉強になりますし、お互いに知恵を出しあって行った業務はとてもクオリティの高いものになり、仕事において充実感を得ることができます。
最近では、育児等で時間の制約がある職員も多くなっています。私が所属するチームにも何名かおりますが、業務の量は多少制限がかかってしまいますが、求める業務の質は変わらず、プロフェッショナルとしてこちらが想定している以上の成果を出していて、とても刺激を受けます。
私も時間の制約のある職員の1人ですが、求められる質を落とさずに業務に従事できる機会を得られたことは、自身のモチベーションを維持するため、また今後の長い会計士人生のキャリアを考える上で、とても貴重なことだと感じています。それは、周りの理解や、法人の多様性を受け入れる風土の中で与えられている環境であり、とても感謝しています。

マネジャーになってからは、チームメンバーに個人の能力を最大限発揮して業務を行ってもらうにはどうしたらよいかということを考える必要がありました。また、働き方改革のプロジェクトや、Working Women’s Networkの活動、スタッフ、シニアのキャリア相談等を担当する中で、各自の能力を発揮してもらうにあたって必要な環境は何か、ということを考えるようになりました。監査チームやあずさ監査法人に所属していて良かったと思える環境づくりをしていきたいと思うようになり、業務から人へと視野が広がりました。

04

あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性

当サイトの性格診断を実施してみたところ、編集者タイプという結果がでました。新しいものを開拓していくというよりは、現状を分析、整理し、組み立て直すことや纏めることが得意な方であるため、診断結果に納得してしまいました。入社当時の先輩が、「前年調書で疑問に思うことがあれば、自分が正しいと思う方法でやっていい」という方でしたので、たまに遠回りもしつつ、チームに相談しながら自由にやらせてもらっていました。結果、何がベストか自身の頭で考え作業する癖がつき、自身の性格も相まって、常にもっと良いやり方はないかと工夫しながら業務を組み立てています。
マネジャーになると、プロジェクトマネジメント力が求められますが、現状の課題を把握し、与えられているリソースの中で一番効率よく効果的に業務を進められるように組み立てなければなりません。最近では、働き方改革が推し進められ、長時間労働を行わない風潮がありますので、自身の強みが役に立っています。
例えば、監査は業務がルーチンワークではなく多岐にわたっており、アサインされるメンバーも日によって異なりますが、時期によって必要な業務及び現在の課題、個々が実施している作業が視覚的に分かりやすく、メンバーで簡単に共有できるようにするためのデータ化の工夫を行ったり、監査手続きの見直しを行ったりしています。従来長時間かかっていた業務が効率よく進むと、もちろん個々の力があってこそですが、マネジャーとしてチームを動かしている達成感があります。
また、自分自身時間に制約があり働いていますので、その経験が様々な制約の中働いている方の環境を考えるのに役に立っています。制約があると言っても事情は様々ですので、必要なのは制約のない方と同じで話を聞き、話し合いながら働き方を決めていくことだと考えています。キャリア面談も担当していますが、個々の事情をよく聞き、ベストな働き方を一緒に検討していくことを心がけています。少子高齢化で労働力の不足が心配される中で、一時的な制約がかかることが原因でキャリアを中断してしまうことは、本人にとっても会社にとってももったいないことだと思います。多様な事情がある方が、それぞれの能力を最大限発揮して活躍でき、あずさ監査法人に所属して良かったと思える環境を作っていけたらと考えています。

湯浅 和恵さん

05

仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間

初めて公認会計士の仕事が面白いと感じたのは、内部統制導入アドバイザリーを行った時でした。その当時はまだスタッフでしたので、私の担当はひとつの科目について複数あるプロセスの整理を行うことでしたが、会社の方に何度もヒアリングを行い、複数に分かれるプロセスを同レベルの水準で評価ができる様に整理して業務を進めていきました。入社2,3年目にもかかわらず、会社の詳細な業務プロセスについて、その業務に精通している担当者にヒアリングして議論することができる監査人は特別な立場だなと感じたと共にやりがいを感じた時でした。監査が面白いと感じたのは、職位に関わらず意見を出し合える企業風土があったことも大きいと思います。その後職位が変わっても、新たなクライアントを担当する度に同様の面白さを感じています。元々情報を整理することや、より良い方法がないかと考えることが好きなので、会社の理解から監査計画を考察し、手続きを組み立て進めていく監査はとてもやりがいや面白みを感じます。

06

公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか

監査法人に属する方は殆どの方がプロフェッショナルなので、あらゆる分野で敵わないなと思う方ばかりです。その中で自分の無力さを感じ悩んだこともありました。大きなチームに所属することになった時に、よりそのことを感じました。一方で、大きなチームでは全てを自分1人で行う必要はなく分業されていて、メンバーが沢山います。自分で力不足のところもたくさんのフォローを受けました。監査はチームであり、様々な分野のプロフェッショナルが周りにいることは本当に恵まれていることだと実感しました。大きなチームに属しているかに関わらず、事業部内には沢山の専門的な知識がある方がいて、見識を伺うことができます。そのような方々が身近にいること、また一緒に働けることは、刺激を受けますし、大変勉強になります。監査では色々な機会を与えられ、それぞれが複合的に力を身につけていきますが、それでも足りないところは補ってもらえる安心感と、チームの中での自身の役割を意識して業務を行うことの大切さを感じました。

07

人生の目的と公認会計士という資格

大きな目的はありませんが、人生においてできるだけ社会の役に立てたらと思っており、私にとってそれが一番実現できるのが仕事であるため、長く仕事を続けていきたいと思っています。そのうえで、資格があることは自分に多くの機会や経験を与えてくれていると思います。私は積極的なタイプではないですし、人前で話すのはいつまで経っても苦手意識があります。育児をしていて時間も制限されています。おそらく、資格がなければ任せられる仕事の幅は狭まると思いますし、自分自身も色々とチャレンジすることを諦めてしまっていると思います。資格があることで、時間に制約があっても信頼してもらい、仕事を任され、成長に繋げることができると感じています。人生100年時代といわれていますから、一時期の制約で早々にその後のキャリアへの道を断ってしまうのはもったいないことです。私も、資格があることで様々なライフイベントがあっても、成長を感じる仕事が続けられ、今後の人生に繋げられる安心感があります。

湯浅 和恵さん

08

これから成し遂げたい事、将来の夢

入社以来金融機関の監査をしていますが、経済環境や世界情勢の変化、技術の発展等に伴い、クライアントのビジネスは変化しますし、会計監査上の論点や課題も常に変化すると感じています。金融市場は環境変化の反映が早く、監査を通じて世の中の動きを肌で感じることができます。そのように変化し、また、年次が上がり仕事の幅が広がる中で、スキルや知識も監査を通じて身につけていきたいと思うことがまだまだ多く、監査法人で経験を積み、会計監査のプロフェッショナルとして自身の力をつけていけたらと思います。
また、最近は働き方改革が注目され、長時間労働の見直しだけでなく、多様な働き方を受け入れる風潮にあります。子育てをしている女性も当法人では多く活躍されています。今後は、子育て中の女性だけではなく、介護や自身の病気等の様々な事情で制限がある中勤務される方が増えてくると思います。私自身、制限がある中で仕事を続けられる環境にあることはとてもありがたく感じています。監査法人に所属する様々な方が、制限の有無にかかわらず、働きやすい環境づくりに貢献をしていけたらと思います。

湯浅 和恵さん

09

キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス

会計士受験生の方へ

受験生は、もちろん試験に合格されることが目的だと思いますが、会計士試験で勉強する内容は、仕事をするうえにおいてとても役に立つものばかりです。合否に関わらず勉強で得た知識をその後の仕事に活かして活躍されている方が沢山います。今勉強している一つ一つが着実に今後のあなたのキャリアを拡げるための力になっていることを忘れずに、受験勉強に取り組んでいただければと思います。
会計士試験合格後のキャリアに悩んでいる方は、まずは監査法人で会計監査の経験をすることをお勧めします。会計士は会計監査のプロフェッショナルである以上、最も必要とされる会計監査の能力が身につけられる場所だと思いますし、1つの会社に属しながらも多様な会社を見ることができ、若いうちから複合的な力を身につけることができます。その経験はあなたの今後のキャリアに大いに役立つと思います。

キャリアを模索する会計士の方へ

やりたいことが現在の職場にはなく他のキャリアを模索する方の他、やりたいことが見つからないという方もいらっしゃると思います。仕事をする中で、自身の向いている業務というのは段々分かってくるようになります。やりたいことが見つけられない方は、自分の特性を知り、それを強みとして伸ばすようにしてみてください。それはきっとあなたに対するニーズと一致し、今後のキャリアへつながっていくと思います。
生活との不一致や業務環境への不満から、他のキャリアを考える方もいらっしゃると思います。もしそうであれば、あなたの働きかけで変えられるものがないか考えてみてください。現在は、技術の発展や多様性の尊重から、業務環境が大きく変化している時期だと思います。何かを変えるには、まず現状に関する情報が必要ですが、意外と当事者でないと気付かないことが多いものです。まずは情報を発信するだけでも、その後のコミュニケーションに繋がります。当事者である方の情報は些細なことでも大いに貴重なものです。あなたの働き1つが、自身の環境のみならず、周りの業務環境をより良くすることへつながるかもしれません。どうぞ受け身にならず、積極的に自身の能力がより発揮できる職場づくりに取り組んでみてください。