
Recovery International株式会社
経営管理部 取締役 CFO
柴田 旬也
しばた じゅんや
人の人生が変わるきっかけになりたい
1982年1月26日生まれ(44歳) 茨城県出身 東京都在住
学習院大学 経済学部 経営学科 卒業

01
キャリアサマリー
あずさ監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人) 入社
Recovery International株式会社 入社
私は学生時代に将来なりたい自分を見つけることができずに悩んでいました。
友人の何人かは将来起業して経営者になることを夢見ていました。そんな友人に囲まれていたことが公認会計士を目指すきっかけになりました。
なぜなら、公認会計士は経営の実態を数値に直して見える化した財務諸表をチェックする役目を担う職業で、そのチェックの仕事を通じて、経営の進め方やあり方を経営者にアドバイスすることができるからです。
無事試験に合格し2007年にあずさ監査法人に入社、法定監査業務をはじめ、財務デューディリジェンス、IPO業務に従事しました。
法定監査においては米証券取引委員会(SEC)登録企業グループのリーダーを務め、その他100社以上の監査等コンサルティング業務ほか、デューディリジェンスなどに従事しました。
約10年間の監査法人勤務を経て、2016年にベンチャー企業であるRecovery International株式会社の経営管理部長として転職しました。
事業会社で働くことと監査法人で働くことのGAPに当初は戸惑いもありましたが、自分には監査法人よりも事業会社の方がやりがいがあって楽しいと思う日々です。
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
あずさ監査法人に入社後は国際部にて主に法定監査業務に従事しました。
監査法人での経験を振り返ってみると、社会人としての基礎を学ぶには最適だったと思います。ビジネスマナーから始まり、社会人としての集団生活、コミュニケーションスキル、小さな単位のチームマネジメント等社会人に必要な知識・スキルを学ぶことができました。
また、監査法人に入ったばかりの若手の頃から、さまざまな業種・規模・役職のクライアントの方々とお話をさせてもらえる機会があるのも良い経験でした。現在、CFOとしてVCや競合他社の経営者からお話を聞くことが多いのですが、監査法人で学んだ社会人としての基礎が非常に役立っています。
管理職や役員の方々とディスカッションをすることでビジネスマンとして成長できることは言うまでもないですが、そんな機会を入社3、4年目から得られるのは監査法人をおいて他にないと思います。
社会人としての基礎がある程度身についてくると、私は、周りのみんなに助けてもらって生きていることに気付きました。ビジネスマンとして自分1人の力で生きていくには監査法人で学ぶだけでは物足りないと考えるようになります。
ちょうどそんな思いで悩んでいたタイミングで、たまたま社内公募で新規クライアント獲得のための営業活動及びIPO業務という公募が目に飛び込んできまし。
この時、「これだ!」と思って数名の公募に応募することになります。営業活動=売上向上活動であり、売上を上げられれば、給料の原資を自分で作ることができたということになり、その給料があれば生活ができる。こう考えたとき、営業を勉強できるというまたとないチャンスだと思いました。
そして、入社時には無かった面接を無事突破して合格します。おそらく営業やりたいとか、IPO業務やりたいとか思う会計士なんて皆無に等しいレベルだと思うので、競争率はめちゃくちゃ低かったんじゃないかなと思いますが、自分が思い描いていた営業スキルアップができる現場へ異動して、営業活動を実際に行うことができる立場になりました。
他方、IPO業務は触れたくない領域でした。IPOを目指す会社はまだ会社の体制が整っていないし、優秀な人材はおらず、人材不足。欲しい情報はなかなか出てこないし、出てきた情報は欠陥だらけで使えない。結局情報作りの所からお手伝いすることもしょっちゅうです。
私も食わず嫌いもあってIPO業務は嫌だったけど、公募時点で営業活動とIPO業務の2つだったから、仕方なくアサインされたIPOクライアントを何社か担当することになりました。
しかし、この厳しい環境で新たな発見がありました。情報作りの段階からお手伝いしていくうちに、監査ではなかったようなクライアントとの仲間意識みたいなものが芽生え、CXOとよく飲みに行くようになりました。IPOを目指す会社の役員は30代が多いため年代が近いというのも仲良くなった要因だったと思います。
会計士の監査はもともと会社全体を見渡す視点で行う業務なので、CXOと同じ目線で物事を考えていることに加え、自分にも起業の経験があったため、お互い違和感なく仲良くなれたのではないかと思います。
そして何よりCXOからは社内では感じることのない、1人で生きていく力を感じました。私にとっては副産物だったIPO業務から、IPOを目指すベンチャーで働いてみたいという思いが強くなり、縁あってRecovery International株式会社へ転職します。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
私は現在、訪問看護サービスを展開するRecovery International株式会社で取締役CFOとして仕事をしています。
ベンチャー企業のCFOというのは面白いもので、経理面だけ強ければこなせる仕事というわけではありません。私は一時期訪問看護の顧客獲得のための営業活動なども行い、新規顧客獲得数を従来に比べて150%増という成果を出しました。
また、看護師向けのメディア「ナーステートhttps://nurstetho.com/」を立ち上げ、執筆活動なども行っています。
多様な仕事をこなしながら、IPOに向けて監査法人や証券会社に対応し、公開準備を進めています。
ベンチャー企業で働くと、1人何役もこなすことができ、悪戦苦闘しながらも成果を出すことで、1人で生きていく力が磨かれていきます。
今後は、IPOを実現することで、上場企業のCFOとしても実績を積み、自分の成長過程を広く伝えていきたいと考えています。
04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
私の強みは、実行力だと思います。
ベンチャーでは、会社の業績向上のために、CFOの枠にとらわれず企画立案から実行まで携わることが多いと思いますが、業績向上という成果を出すためには『企画力×実行力』が必要です。
私の企画力は、特に会計士の専門性が活かせない分野での提案はプロフェッショナルとは言えないレベルだと思います。しかしながら、上述したように新規顧客獲得150%を達成するというのは、実行力が高いからだと考えています。
実行力を高めるために日々意識していることは以下の3つです。
①他責をしないこと
②経営者視点で常に考えること
③悩むより行動してみること
他責をしないというのは、今ある環境のせいにしないこと、人のせいにしないことです。例えば、1日の時間は24時間と決められていて、自分では変えることができないので、今ある環境です。仕事が進まないことを「忙しくて時間が無いからできない」と言ってしまったら、それが他責をしている状態です。1日24時間という時間制限をいかにうまく効率的に使って、仕事をこなしていくか、と考えていれば、それは他責をしていない状態です。
人は他責をしてしまった瞬間に考えることを止めると思います。「忙しかったからしょうがない」と考えてしまうと、それ以上考えずに頭の中が整理されてしまうからです。
経営者視点というのは、「高い目線」とか「長期的視点」と言われますが、より実務視点で言い換えると、自分の部署や役割を超えて見る視点ということです。経営者は部署も無く役割も全方位です。「自分は経理だから」とか「自分はスタッフだから」と考えている状態は経営者視点ではありません。
人は部署や役割で括ってしまうと考えることを止めてしまいます。「自分は経理だから」とか「自分はスタッフだから」と考えると、そこで他部署のことは他人事、自分の役割以外は他人事になり、それ以上考えずに頭の中が整理されてしまうからです。
考えるのを止めたというのは、どうすればできるか?どうやって行こうか?という努力や工夫のスタートラインに立てていない状態です。努力や工夫をしない人は成長できません。
人は、成長を続ける人に憧れ、ついてくるものだと私は考えています。私の実行力はこうした日々の意識から培われているものだと認識しています。
上記3つのポイントについて、より詳細に見たい方はこちらをご覧ください。
【訪問看護ベンチャーCFOが実践する3年で『個の力』を劇的に高めるためのアイスバーグ理論】
https://nurstetho.com/home-visit-nursing-cfo-individual-skill-improvement-practice

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
上場前のベンチャーはなかなか優秀な人は入ってきません。
経験・スキルの乏しい人をリードしながら成長させていく必要があります。
上述した3つの大切なこと①他責をしないこと②経営者視点で常に考えること③悩むより行動してみることを日々伝えていく中で、『柴田さんについてきて良かった!』『もっと柴田さんのマネジメント教材で勉強したいです!』『こうやって会社は大きくなっていくんだなっていうのが実感できました』と言われたときは、大切なことを伝え続けてきて良かったなと思います。
こういう人を1人でも多く輩出できれば、当社の生産性は上がり続けると思うし、伝播していけば日本全体の生産性も上がっていくと思います。
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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
公認会計士という仕事に関連して悩んだのは、やはり監査法人時代です。
最初はいろんな監査現場に赴き、受験時代に学んだ監査手続きにも触れて、とても刺激的であったし楽しかったですが、監査業務は3年もやればある程度モノにできます。
そうなると、その後の成長曲線は鈍化していき、監査だけやっていてもビジネスマンとして物足りないのではないか?と悩むようになりました。上述した、1人で生き抜く力が足りないと考えるようになりました。
それをどのように乗り越えようとしたかというと、ベンチャー企業への“転職”でした。監査法人は大企業のようなもので、年間数%成長程度の組織です。ベンチャーは少なくとも年間30%の成長を求められます。スピード感、1人でこなす役割の多さ、やりがいは監査法人では実感できないものです。
監査法人時代とは違い、1つ1つの自分の行動を定量的な成果に落とし込むことで、成功や失敗が視覚的に把握できるので、達成感も監査法人時代の何倍にも感じられます。
特に日々の仕事の達成感は成功体験へとつながっており、たとえ目標であるIPOができなかったとしても、今積んでいる経験が絶対にビジネスマンとして役に立つと実感できます。
転職も人間関係や環境のせいにしての動機では後ろ向きですが、自身の成長に目を向けた転職は前向きでポジティブな結果に繋がっていくと思います。
07
人生の目的と公認会計士という資格
私は人生の目的として『人の人生が変わるきっかけになりたい』と思っています。人生の目的を達成するために、公認会計士という資格はとても役に立っているように感じています。
理由は、まず、公認会計士の肩書を持っていると、ビジネス上「どこの馬の骨かもわからない人」ではなく、公認会計士の先生と見られるため、会社社長やキーパーソンと会える確率が高くなります。人生の先輩や人生の成功者と会って成功体験や失敗談をインプットさせていただくことを増やすことで、自分が人に対して人生を変えるきっかけを与えることができるようになります。
また、三大国家資格である公認会計士試験を突破したという成功体験は自信につながっていて、「あれだけ大変な試験を突破できたんだから、これからやろうとしている大変なことも自分にはできる」と思えます。人が大変だと思うことも、自分にはできると信じることができるため、人より半歩前に出ることができます。自分が半歩前にいることは、人の人生を前進させることに繋がると考えています。
以上のように、私の人生の目的を達成するのに公認会計士という資格はなくてはならないものになっています。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
自身の成長を続け、会社としても成長を続け、目先の目標としてはIPOしたいと考えていますが、前述の⑦のとおり、人生の目的として『人の人生が変わるきっかけになりたい』と願っています。
ベンチャーという事業会社に転職して積み上げている経験や監査法人勤務だけでは見えなかった外の世界は今後、人生の目的を達成していくうえでなくてはならないものだと思います。
自分の積んできた経験をもとに、自分に関わった人の人生を明るくするようなことができるのなら、将来はそういうことやっていきたいなと思っています。
その形が独立起業なのかもしれないし、他の何かかもしれませんが、そのイメージが根幹にある上で選択肢として起業というものに行きつけば起業もしたいなと考えています。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
キャリアを模索する会計士の方、会計士受験生へ:他責をせず、悩むよりもまずは行動を意識しよう。
人それぞれ目指すものは様々だと思います。ただ、目指すものを手に入れる、達成するために大切なことは共通であると私は考えています。それが「他責をせず、悩むよりもまずは行動」することです。
他責をしてしまっている時とはどういう時か?下記に具体例を列挙します。
〇給料が低い、給料が上がらない
〇自分は正しく評価されていない
〇××(人・環境)のせいでうまくいかない
・なぜ、こんな人を採用したんだ
・××さんが休んでしまったからできなくてしょうがない
・部下が動いてくれないから
・上司が決めてくれないから/上司がそう決めたから
・ルールがないから/そういうルールになっているから
〇忙しいから今は難しい
〇これは私の仕事じゃなくて××さんの仕事でしょ
〇これは会社・経営陣のやることでしょ
上記の状態に陥った時、人は考えることを止めてしまいます。つまり、思考停止状態に陥るということです。人は考えがあって初めて行動できます。
人にはそれぞれ目指すところがありますが、Goalに向かって進まずに、自ら歩みを止めてしまうということです。
他責をせずに、今ある環境で自分は何ができるかと考え、悩まずに行動しましょう。そうすれば必ず目指すところに近づくことができます。


