
ギリア株式会社
常勤監査役
奥山 成美
おくやま なるみ
新しいビジネスモデルを求めてベンチャー企業の常勤監査役へ。IPOコンサルで培ったスキルで経営者を支援
1979年8月12日生まれ(47歳) 山口県出身 東京都在住
ビジネス・ブレークスルー大学 経営学部 卒業

01
キャリアサマリー
新卒として三菱電機グループの事業会社に就職。
有限責任あずさ監査法人へ入所。
自身の会計事務所を設立(現職)。
株式会社エルテス常勤監査役に就任、2020年に任期満了退任
ギリア株式会社常勤監査役に就任
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
私は、スタートアップ企業やベンチャー経営者をお手伝いできる存在になりたいと思い、そのためには知識が必要であろうと考え、公認会計士試験を受けることにしました。監査法人では、上場支援を行う事業部を選んだのですが、リーマンショックの影響もあり、残念ながら関与させていただいた会社さんが上場する場に立ち会うことはかないませんでした。しかし、監査チームメンバーや上司に恵まれ、約8年半、忙しくも充実した監査人生活を送っていました。
監査法人にも昇進という制度がありますが、新たな役割を期待されるであろうタイミングが迫ってきたとき、それはとても有難いことですが、期待に応えるためには時間がかかります。そこでこのタイミングで、叶えられていなかったベンチャー支援やIPOのお手伝いをしてみたいと思い、退職して独立することにしました。
この時点では、まだ自分がどのような形でスタートアップ企業やベンチャー経営者のお役に立つことができるのか、漠然としていました。しかし、いつか監査法人から卒業することは意識しており、それはこのタイミングだと感じたのです。

03
今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
独立後、上場準備中であった、前職の株式会社エルテスにご縁をいただき、コンサルタントとしてIPOに向けた社内整備をお手伝いしていました。その後、打診をいただいて常勤監査役に就任したわけですが、私の中で一貫しているのは、自分にできること、ご依頼いただいたことに対し、最大限努力して応える、ということです。スタートアップ企業やベンチャー経営者を支援したいと思っていますので、そのための関わり方や役職は多様になり得るのです。
常勤監査役は、会社法上求められている責任も権限も軽くはないですので、大変な側面もあります。しかし、マネジメントの一員として、組織の課題に一緒に取り組むことは得難い経験ですし、ベンチャー特有の若さ、スピードの早さ、といった環境に刺激される経験でした。
現在は、ギリア株式会社にて常勤監査役を務めさせていただいています。同じ役割であっても、会社が違うと、様々なことが違います。オンライン化が進む環境変化も相まって、新しい環境や経験にワクワクしながら取り組んでいるところです。
04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
自身の性格として認識していることをあげると、柔軟性、観察力、コミュニケーション力、自律性、責任感でしょうか。また、イノベーションや新しいビジネスモデルへの興味が強く、常に学び続けることを楽しいと思う価値観、常に新たな出会いを求める前向きな姿勢は、ベンチャー業界に合っていると考えています。
また、役割柄、会社全体に目を配ることを意識しているのですが、もともと長女気質のお節介で、“人”が好きな性格ですので、60歳代の社外役員から20代前半の新入社員まで、バックグラウンドや価値観の異なるメンバーとコミュニケーションすること自体を楽しんでいます。

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
仕事をしていると、思いもよらない新しい発見があり、嬉しくなることがあります。私は昔から、学校の先生にはなれないタイプだろうと自己評価していたのですが、企業で働くようになって社内研修で講師をするような機会があり、人に何かを教えることを楽しいと思っている自分に気付きました。受講する方の理解度を想像して、どんな資料で、どんな言葉を選んで説明すれば正しく理解してもらえるか、飽きずに聞いてもらうためにはどうすればよいのか、実務に照らした例を出すなら何がいいか、時事ネタを取り込むなら何かな……など色々と考えるので、準備にとても時間がかかるのですが、その作業自体も楽しんでいる自分がいます。“心が大きく動いた瞬間”とは違うのかもしれませんが、日々の新たな発見や、人と接することにより生じる化学変化に心を躍らせながら仕事をしています。
06
公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
そうですね……、私の場合、キャリアについてでしょうか。誰しも、人生の岐路のような、意思決定を行うタイミングがあると思います。私は今までに2度ほど、何を仕事としたいのか、どのような環境で、どのような仕事をして生きていきたいのかを立ち止まって考えました。この時、自分と向き合い、深く考えて意思決定しました。私の場合は、周囲の方に話を聞かせていただいたり、私自身より私の性格を理解していそうな人に相談してみたり、キャリアコンサルタントの方に壁打ち相手になっていただきました。この時、どんな仕事をするかより誰と仕事をするかを、自分が大切にしていることに気が付きました。また過去の行動を分析していく過程で、自分の根底にあるブレない価値観にも気づくことができたように思います。
07
人生の目的と公認会計士という資格
私は一度会社員となったのちに、「何かを学びたい」というとても強い知的欲求を感じて、会計士試験の勉強を始めました。学びたいときに学ぶことは、残念ながらそうではなかった義務教育の時代と異なり、とても充実した幸せな時間でした。社会人となって15年たった節目には、より実践的な学びを得たいと感じて、サイバー上で世界中の学生と共に学ぶ大学に入学し、新しいビジネスモデルやIT技術について知識を再吸収しました。多くの社会人学生との出会いも刺激的で、本当に楽しかったです。
公認会計士資格は、自分を説明する際に分かりやすい肩書ではありますが、土台でしかなく、その上に何を積み重ねられるかが重要だと思っています。生きてきた年数の分だけ、何かを積み上げられているかを意識して生きたいと思っています。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
現在の職務を通じて会社を良くすること、そして社会に関わっていくことが継続的な課題です。
また、私は山口県という地方出身ですので、地元に何かを還元したいと考えています。特に、未来を自分たちの手で変えていこうとするアントレプレナーの発想や、ゼロからイチを生もうとする思考で、地方にワクワクを生み出すことが出来るのではないか、そんなことを考えて、自分に何ができるのかを試行錯誤しています。この一環として、2020年3月には地元でスタートアップ体験イベントを開催しました。
距離を超えたコミュニケーションは容易になっていますし、働き方、生き方は多様化して、ますます「個」が主体の社会となって行くように思います。領域を限定せずに、楽しみながら、多様な期待に応えることのできる人になりたいですね。

09
キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
もしあなたが、キャリアを模索している会計士であれば、いろいろな活躍の仕方をされている先輩や同僚と話をしてみることをお勧めします。視野を広げると、思いもよらなかった気付きがあったり、勇気をいただけたり、いつかそのご縁が何かに繋がったりします。私も多くの先輩方に助けていただきましたので、少しでも後進の方にお返ししたいと思っています。
もしあなたが、会計士受験生であれば、あなたが決めた目標を達成することに全力を尽くして欲しいと思います。スタート地点に立つための合格まで、最短距離で進んでいただきたいと思います。一方で、もし具体的な成し遂げたい夢があるのであれば、今向き合っているものが本当にそのための道なのか考えていただき、もし違うのであれば、受験勉強で得た会計や税務、会社法の知識を持って、次の道を選択することも正しいと思います。あなたの中に何を得ることができたのか、そしてそれをあなたの将来に生かすことが、資格よりも重要だと思います。


