
株式会社サイバー・バズ
常勤監査役
礒村 奈穂
いそむら なほ
ゴルフのキャディーのように信頼される監査役に。従業員と対話を深め働きやすい風土づくりにも尽力
1986年1月8日生まれ(40歳) 宮城県出身 神奈川県在住
横浜国立大学 経営学部経営学科 卒業

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キャリアサマリー
<a href="https://youtu.be/sHEh0XitabQ"target="_blank">礒村奈穂</a>
横浜国立大学経営学部卒
あずさ監査法人(現 有限責任 あずさ監査法人)入所
公認会計士登録
株式会社サイバー・バズ 常勤監査役就任
02
監査法人における経験およびその後のキャリア選択のきっかけ
監査法人では私は中小規模のクライアントが多く、100社超のクライアントを経験しました。早い段階から責任あるポジションを任され、抱えているクライアント数も多かったため、いかに効率的に品質の高い仕事をするか、を重視していました。最初は自分の業務を全うすることを考えていましたが、チームを動かすこと、クライアントを巻き込むこと、信頼を重ねてゴールを示し、それに向かって伴に走っていくことを大切にするようになりました。チームメンバーの育成や、効率化に成功し、クライアントからの相談や勉強会の依頼が増えていくうちに、私がやっていることの中で、監査のプロフェッショナルとして、最先端を走る監査法人にいることの重要度が下がっていきました。「あれ?私が行っていることの大半は監査じゃないな」と。
今はベンチャー企業の監査役をしながら、コーチングや効率化提案、社内での勉強会などを行い、企業と伴走しています。

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今現在の仕事の内容、特徴、キャリアパス
2017年に株式会社サイバー・バズの監査役に就任しました。仕事内容は経営陣に対しては企業価値の創出となるような提案や、声を上げやすくするために各事業部との対話、それから企業統治の啓蒙や決算を戦略に利用するための勉強会などを行っています。また、外部での執筆などもしています。
監査役の通常業務以外に力を入れているのは風土づくりです。常勤監査役は自分より上の役職もなければ、直属の部下もいません。そのため、役員、従業員が利害関係を考えずに声を出してくれることが多いです。私はもとからよく相談されるタイプですので、コーチングの手法なども入れながらこういった関わり方ができるのは嬉しく思っています。面と向かって上司には言えないこと、上司が部下にもどかしく思っていること、こういった話がたくさん集まる中で、「じゃあどうする?」ということを投げかけると、各レイヤーからバラバラと意見が出てきます。それを調整できるのも私の仕事だと思っています。
私のキャリアアンカーとしては自律・自由を重視するため、私自身の根底にある考え方として、企業であれ人であれ、何かに縛られる必要はないと思っています。あなたはこんな素敵な面がある、私はこんなことができる、だから一緒にやろうよ、という関係で働きたい。だから、関わる方にはできる限りのことをご提供したい、そういう思いで仕事をしています。
04
あなた独自の強みと今現在の仕事との関係性
私の強みは、数字で表すことができる実績で言えば、IPOの部署ではなかったにも関わらず上場を何社も経験したこと、効率化に成功し、働き方改革が叫ばれる前の労働環境が過酷な時代に、監査時間を3分の2にし、繁忙期も残業ゼロにしたことです。これはベンチャー企業でコンパクトに、ガバナンスを保つか、さまざまな事象に動じないか、また、労働時間が長いと言われる営業部署の効率化提案に役立っています。また、ソフト面で言えば、ゴールを見せて誰が何をすれば良いか、それをすると自分たちにどんなメリットがあり成長できるのか、という組み立てが得意です。ベンチャー企業は良い面もたくさんありますが、全ての制度が整っているわけではなく、大変なこともあります。そういう混沌とした状態を整理し、じゃあ私はここに向かって走れば良いのか、という筋道をつけることが強みですので、監査役というよりは半分アドバイザーのような心構えで業務を行っています。

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仕事をしている中で、心が大きく動いた瞬間
大きな何かを成し遂げたとか、チームでやり切ったとか、そういうときにほっとすることもありましたが、日常での学びやかけられた言葉の方が大きく自分の人生に影響しているように思います。かけられた言葉や大切な教訓がたくさんあるため一部しか書けないのですが、例えば「あなたの代わりはいくらでもいるということを理解しなさい」という言葉をかけていただきました。これは、私が入社してすぐに仕事のバランスが取れなくなった際に言われたことです。一見、冷たいようですが、大量の仕事を抱えたまま倒れても迷惑がかかるだけだということを、身をもって経験し、効率化や後進の育成を徹底するようになりました。
また、「本当のリーダーとは、多くの事柄を成し遂げる人ではなく、自分をはるかに超えるような人財を残す人だ」という言葉がありますが、これを当然のことだと思えるようになったのは、最初の言葉があったからだと思っています。
「あなたはどうしたいのか?あなただからクライアントに伝えられることは何かを考えなさい」。この言葉は、先ほどの言葉とは逆になりますが、何社もの会社を抱えた状態で、効率的に品質を保ったり、人材育成をしたりということに注力していた結果、意見の調整役や現場の管理としてうまくこなすだけの状態に陥っていました。そんなときにこの言葉をかけられました。その時は戸惑いましたが、人の意見や方針に目が行って、自分自身のことは置き去りになっていたことに気付かされました。「○○すべき」が多くなりがちな仕事の中で、この言葉をかけてヒントを出してくださった上司には感謝しています。ここから自分の声も、相手の声もどちらも大切に聴くことを心がけるようになりました。
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公認会計士という仕事に関連して深く悩んだこと、それをどのように乗り越えたか
公認会計士という資格を利用するために資格を取ったにも関わらず、資格に縛られていた時期がありました。自立をして、自由に生きる選択肢を拡げるためのはずが、会計士として監査法人に勤めている間は法人の中でのキャリアのみに視野を狭めてしまっていました。結婚や出産のタイミングももちろんですが、気付かないうちに小さな行動一つにも自分で制限を設けていました。乗り越えたきっかけは、出産をきっかけに目の前のことから距離を置き、俯瞰したことです。出産直前に挨拶をしたパートナーの方から、「この機会に社外のことをもっと学んでは?」とアドバイスを受け、講座を受講したり、育休後のキャリアが不安でセミナーやイベントに参加したりしました。
実際にキャリアカウンセリングやコーチングも受け、セミナーなどで登壇された方や参加された方との意見交換を繰り返しているうちに、自分の視野が狭かったことや、世界はこんなに広いのだ、ということを実感しました。監査法人で様々な経験ができた私は恵まれている、持っているものは当たり前に思い、ないものねだりで不満を持っていたけれど、有難いことなのだ、ということを綺麗ごとでなく理解できたことも大きかったです。それがきっかけとなり、フラットな状態で自分のキャリアを見つめなおし、私がもがきながら歩んできた監査法人での経験は、会計の知識だけではなく、しっかりとした路として後ろにできていていたこと、そしてこれからの路も自分で自由につくって歩んでいくのだと、気持ちの上で乗り越えられました。
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人生の目的と公認会計士という資格
人生の目的というと壮大ですが、人生を終えるときに後悔しないように生きていたいです。また、今のテーマは、社会から見て見ぬふりのリスクを低減することです。物事や声に対し、それに耳を傾け、ありのままに受け止めるということは、自分が持つ偏見や先入観、イメージがあるため非常に難しいことです。しかし、これを疎かにすることで起こるリスクは多岐に渡ります。
企業不祥事、いじめ、虐待、ハラスメント、戦争、場合によっては生死がかかっても、人は無関心を貫くこともあるのです。そのようなリスクを低減するための仕組みづくりをするため、まずは会社という1つの組織で監査の面からアプローチをしていますが、こういった役割を担う機会をいただいたのは、資格とそれによる経験のおかげだと思っています。

08
これから成し遂げたい事、将来の夢
海外に住みたいと思っています。短期的な目標では、子供と一緒に海外のビジネススクールの短期プログラムに参加したいので、それを目標に見据えています。

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キャリアを模索する会計士、会計士受験生へのアドバイス
会計士に限らずですが、一度の人生、自分自身のものとして楽しみましょう。私は目標達成をする際は逆算型のため、アドバイスもそちらに寄っていますが、その場で目の前にあることをやっていく中で目指す形を作っていく人もいらっしゃるかと思います。
まずは受験生へ。
ビジョンをしっかりと持つことです。正直なところ、将来をしっかり描くことは難しいかもしれません。合格しているかどうかで来年どこにいるのかも分からないのですから。ただ、最低限今ある自分を好きであることです。私は『雨垂れ石を穿つ(小さな力でも辛抱強く続けれいればやがて成功する)』という言葉を全てのテキストに書き、その言葉に自分を重ねていました。
それからキャリアを模索している方へ。
特に会計士は本当に優秀で真面目な方が多いと思っています。その分、いつまでも「自分なんて、どうせ、まだまだ」と受け身になりがちで、「あなたはどうしたいの?」という質問を受けると答えにつまるか、「まだ自分のしたいことを言える立場ではないので」と避けてしまうことが多いように感じます。私も実際にそうでした。
××を目指すなら、と特定のゴールへのアドバイスではありませんが、ゴールを特定する前にまずは私って何?を書いてみることをお勧めします。ここにあるようなキャリアサマリーや、著名な方のプロフィールを真似るのも良いと思います。私は、その表現した自分は柔らかいブロックのような状態で、それを相手や会社、ポジションという相手側のブロックに柔軟性を持って合わせるようなイメージを持っています。もし、今の状況が自分のブロックの形ではまるのであればそのままという選択もあると思いますし、他の立場の方がより合いそうであればキャリアチェンジすることもあるでしょう。


